ほしたびの旅

北海道~広島縦断の旅2005

旅日記31日目: 富士山登山二日目

31日目: 9月9日(金) 富士山剣ヶ峰登頂

深夜2時半頃、他の宿泊客が山頂で御来光を見るために出発する物音で目が覚めた。外に出て星空を眺める。眺めていると、Sさんも出てきた。東の空には、おうし、オリオン、ふたご等、冬の星座が出ていて、カシオペアは空高くのぼっている。昨晩よりもくっきりと星空が見えるようになっている。ふもとの方は雲で覆われているようで、一部その雲がにょきっと盛りあがっている部分も見える。そして、下の方からはちらほらと登山者が明かりを点けて登ってくる。しかし、寒い。しばらくして中に戻り、再び寝た。

朝5時頃、目が覚めた。今度は山小屋の前で日の出を見よう。外に出ようとすると、既にSさんが玄関の内側でスタンバっていた。日の出の時刻は5:15頃。外に出てだんだん明るくなってくる様子を見る。5:10頃、赤っぽく照らされた東の上空に浮かぶ雲に、光の筋が垂直に立っているのが見えてきた。Sさんはバシバシ写真を撮っている。空がだんだん明るくなり、そしてパッと下のほうから赤い光が見えてきた。それから徐々に上がり、大きく見えるようになってくる。日の出だ。背後を見ると、富士山の斜面も赤っぽく見えてきた。さらにしばらくすると、下界の雲がほんのり赤く色づいてくる。きれいだ。しばらく見て中に戻り、朝食用に持参したパンを食べる。

富士山山小屋、元祖室の前にて、東の空(5:10頃)
日出約5分前の光の筋
標高3250mでの日の出
左隣の6分10秒後
赤く照らされる富士の斜面
日の出の赤い光を受ける
上部がほのかに色づいている
雲海(5:29)
霧の中で
頂上近くは視界不良

6:27に山小屋「元祖 室」を出発。調子は良好。でも、標高が高いだけにハイペースにならないように意識的に抑えて登る。御来光を見てから下山してきている人ともいくらかすれ違った。9合目あたりがガスっていたらしいが、頂上からは見えたらしく、疲れた表情の人もいるが、多くの人は笑顔で挨拶をかわしてくる。6:50前頃、本八合目(3400m)の山小屋を通過し、しばらくしてガスの中に入る。遠くが見えない。

7:52に吉田口からのとりあえずの頂上となる、久須志神社に到着。頂上の山小屋は全て閉まっている。そして周りはガスがかかっており、強風が吹いている。山小屋の南端に出ると、飛ばされそうなくらいのすさまじい風だ。お鉢めぐりをしようと思っていたのだがどうするべきか。しばらく思案しながら建物の陰で休憩していると、Sさんも登ってきた。Sさんは、頂上の売店にしかないものが欲しかったらしいが、既に今年は営業が終わっているので、来年の目標が出来たと言って、しばらくして下山していった。


久須志神社の鳥居

山頂久須志神社に到着
富士山頂、
霧の中の剣が峰

それから少しして、お鉢めぐりをしてきたというグループが南側から歩いてきた。大丈夫ですか?とたずねてみると、「行けるよぉ。飛ばされないように注意すれば」と軽い返事。ほんまかいな。とりあえず、時計回りに行ってみることにした。強風で体温が奪われないようカッパを着込み、8:40に強烈な風の中へと進んでいった。相変わらず霧で先が良く見えない。少し進むと岩かげに入り、いくらか風は弱くなった。おや、行けるのかな? 御殿場口からの登山道との合流点、富士宮口からの登山道との合流点を過ぎ、何やら工事をしている所を回り込む。そして馬の背の急坂を登る。左手から湿った強風が吹きつけ、風が当たる面に水滴が少しつく。急坂を登って9:23、ついに富士山最高峰の剣ヶ峰(3776m)に到着。やったー日本一だー。昨日会った調査グループの人たちも登っていたので、記念写真を撮ってもらう。でも、周りは真っ白でほとんど何も見えない。


富士山火口の内側

しばらく休憩して、お鉢めぐりの残りの部分を歩く。すると、だんだん火口の中が見えるようになってきた。何やら誰かが石を並べて作った文字がたくさん見える。もうちょっとで一周し終える所まで来ると、火口を挟んで反対側にある剣が峰まで見通せて、青空も見えてきた。なんか悔しいので、一周完了してから、反対周りでもう一周することにした。

10:44に久須志神社から今度は反時計回りで出発。11:06に再び剣ヶ峰に到着。多少霧はあるが、さっきよりは周りが見える。しばらくすると、南側も見通せるようになり、下界に雲海が広がる様子が見えてきた。すばらしい景色だ。しばらく休憩して眺める。


富士山測候所
富士山頂剣ヶ峰から
火口方向を見る
御来光館の上側から下山道を見る
八号五勺付近の下山道

12:00に剣が峰を出発、下山開始だ。反時計回りで12:27に久須志神社まで戻る。初めの時ほどではないが、須走口・富士吉田口への下山道入口の所は風の通り道になって強風が吹いているので、八合目の山小屋「江戸屋」の所まで登山道を降りて、そこから下山道に移ることにする。8合5勺の「御来光館」の所で休憩していると、二人の若い女の子が登ってきて看板を読んでいて「8合5・・・」と詰まっていたので、「しゃく」と教えてあげた。(^_^) 

本八合目トモエ館の所から、本来の下山道に進む。砂地の所はかかとで滑るように降りられるが、砂利の所はむつかしい。それでも下山は早く、15:00に五合目まで降りてきた。

八合目付近から見下ろすと
ジグザク続く下山道
五合目近くですれ違う馬車
泉ヶ滝を過ぎた所で
下山後のペットボトル
気圧上昇でつぶれた

総合案内所に、預けたマットを受け取りにいくと、15:30に閉めるらしく、その準備をしていた。もう少しで受け取り損ねるところだった。コインロッカーから荷物を出して16:00に五合目を後にしてスバルラインをバイクで降りていく。三合目を過ぎたあたりから霧の中に入った。下界は曇り空であったのだ。富士吉田市街まで降り、ゴミを処分するために登山前に買出しをしたコンビニに寄る。標高3250mと3450mで飲みきってフタをしっかりしたペットボトルがそれぞれ見事なまでに潰れていた。

夕食は富士吉田のうどんを食べるため、夕方でもやっている店を探し、「美也川」(11:00~14:00/16:30~18:30、日曜定休)に行った。肉うどん(350円)を注文。うどんは硬く腰が強いのが特徴で、残念ながら私の好みではなかった。

泊まりは今日も富士吉田の道の駅に決めた。今日は自分にごほうびとして、アサヒスーパードライ500ml缶を飲む。道の駅には北海道帰りのライダーが二人やってきてベンチで寝ると言っていた。

  • 今日の天気:曇時々晴
  • 走行距離:78.3km
  • 宿泊地:山梨県富士吉田市道の駅富士吉田
  • 入浴地:山中湖村 紅富士の湯(700円)

富士山登山(河口湖口登山道)資料 その2

富士山登山二日目の行程記録

合目 標高m 場所 備考
8合 3250 元祖室   6:27  
本8合 3400 富士山ホテル 6:46    
3400 本八合目トモエ館 6:48    
3400 本八合目(胸突)江戸屋 6:48   須走口との合流点
8合5勺 3450 御来光館 7:03    
9合 3600 白い鳥居と祠 7:24    
頂上   久須志神社 7:52 8:40  
  浅間大社奥宮 9:05 9:10 富士宮口頂上
3776 剣ヶ峰 9:23 10:02 富士山最高峰
  久須志神社 10:30 10:44  
3776 剣ヶ峰 11:06 12:00 富士山最高峰
  浅間大社奥宮 12:09   富士宮口頂上
  久須志神社 12:27    
8合5勺 3450 御来光館 12:50 13:20  
本8合 3400 本八合目トモエ館 13:25   本来の下山道へ
8合 3350 須走口八合目江戸屋 13:31    
    緊急避難所 13:50    
7合   公衆トイレ 14:07 14:14 閉まっていた
6合 2390 安全指導センター 14:35    
    泉ヶ滝 14:45    
5合 2305 登山口 15:00    

※特に下山時のペースは標準より早い方だと思います。