ほしたびの旅

北海道~広島縦断の旅2005

旅日記32~36日目: 富士山麓から飛騨へ

32日目: 9月10日(土) 静岡県側の富士山、山梨県早川町の断層露頭

御殿場市と裾野市の境付近の県道152号にて
静岡県側からの富士山

今朝は曇っていて富士山は見えない。山中湖を経由し、静岡県の御殿場に入り、県道23号御殿場富士公園線を走る。ゆるやかな、ほぼまっすぐに近い上りが続いた後、くねくね坂となり、高度を増していく。すると雲が取れてきて青空が広がり、富士山がくっきりと姿を現した。雲の上にでたようだ。山腹にある山小屋もはっきり見える。水ヶ塚パーキングからも良く見えるので、バイクを停めて写真など撮る。そこから西に数km走った所で、富士山スカイラインが分岐しており、右折して新五合目に向かう道をわくわくしながら上っていく。途中、下界が見えるようになると、そこには雲海が広がっていた。新五合目では、登山者がちょこちょこと見られるものの、登山シーズンが過ぎているからか、朝8時という時間だからか、静かだ。しばらく景色を目に焼き付けた後、下界に下っていく。降りていくときは気分がややローになる。


富士山スカイラインからの雲海

富士山新五合目

国道469号を西に進んで再び山梨県には入り、国道52号を北上。県道37号(南アルプス公園線)で早川町に入る。「そば処アルプス」で、もりそば(500円)を食べた。ここも腰の強いそばで、私の好みとは違うが、悪くは無い。

山梨県平川町にある
糸魚川ー静岡構造線の露頭

フォッサマグナの西縁に当たる断層である、糸魚川-静岡構造線の露頭が見られるという、新倉露頭に行った。フォッサマグナとはラテン語で「大きな溝」という意味である。約2500万年前頃、日本列島を東西に分けるように幅広い領域で陥没がおきて広い溝ができ、その溝に新しい地層が積もって現在の状態になっている。その溝の西縁が糸魚川ー静岡構造線だ。たどり着くと、解説パネルと矢印表示があり、その矢印の先となる小川を挟んで反対側の断崖に断層露頭がある。解説パネルや入口にあった案内板によると、断層の西側(向かって左側)にある中生代末~新世代古第三紀(約6000万年以前)の「四万十層群」の黒色粘板岩層の古い地層が、東側(向かって右側)にある新世代新第三紀中新世(約2500万年前)のフォサマグナ地域の凝灰角礫岩の新しい地層の上に覆いかぶさっている逆断層として現れている。実際に見ると、境らしきものは見えるが、土砂も流れていてややはっきりしない。

県道37号をさらに北に行っても良いが、途中からはマイカー規制で進めないので、ここから国道52号まで引き返す。国道52号を北上していると、ん?何か変。と思いつつも赤信号のため減速していると、ガクッガクッと停まってしまった。あれっ、クラッチワイヤーが切れている! なぜだ、少なくとも一週間くらい前には見てるけど、切れるような兆候はなかったのに。とりあえず、クラッチを使わずにシフトチェンジすることにし、ギヤをニュートラルにしてエンジンをかけ、またがったまま足でバイクをこいでギヤを入れて走り出す。これで甲府市内のバイク屋まで行くことにする。先が赤信号になったら減速し、止まらない様に心がけながら走る。なんとかバイク屋に着き応急処置をしてもらった。

おかげで遅くなってしまった。韮崎の道の駅で泊まる事にして行ってみると、トラックが多そうだ。隣接した公園にテントを張り、向かいの温泉に入ってくつろぐ。

  • 今日の天気:晴時々曇
  • 走行距離:263.6km
  • 宿泊地:山梨県韮崎市道の駅にらさき
  • 入浴地:ゆーぷる にらさき(500円)
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33日目: 9月11日(日) 白州で工場見学

道の駅にらさきには、燃えるゴミのゴミ箱は設置されていないのだが、弁当殻などのゴミが空き缶入れの前に散らばっていて、カラスがつついていた。ゴミ箱の無いところにゴミを置いていってはいけない。

サントリー白州蒸溜所、樽の再利用のための火入れ
リチャー場での実演

サントリー白州蒸溜所に9時半前に到着。休日ということもあってか、既に多くの人がやってきている。ウイスキー蒸溜所のガイドツアーと天然水工場のガイドツアーの両方を受付で申し込んだ。そして、記念品引換券が付いたパンフレットを他の観光地で取って来ていたので、それを出したらグラスをもらった。まずはウイスキー蒸溜所のガイドツアー。所内をバスで回る。説明はニッカウイスキーの時よりも丁寧で詳しい。リチャー場では、一度使った樽を再使用するために内側に火をつける作業の実演をしていて、なかなかおもしろかった。見学最後に試飲用のゲストルームに通され、テーブル席に着く。ここで用意されている飲み物は、3種類のウイスキー(白州12年、北杜12年、アクアヴィーテ)とサントリー天然水となっちゃん。ただ置いておいて勝手に飲んでもらうのではなく、お勧めの飲み方や商品のアピールポイントをしっかり説明している。そして売店で売っている工場限定ウイスキーの宣伝もちゃっかりやっている。ウイスキー蒸溜所ガイドツアーが終わって天然水工場ツアーの時間までは幾らか間があるので、売店をぶらりとした後、ウイスキー博物館を見て回る。内容もなかなか詳しい。

天然水工場見学もバスで移動する。ボトルに水を入れて、箱に梱包するくらいしか見るべきものはあまり無く、時間はあまり気味で、宣伝じみた話が多い。試飲するゲストルームに移動する。あらかじめ他メーカーの硬水が入れられたガラスコップと、空のガラスコップがテーブルに並べられている。席に着くとサントリー天然水500mlペットボトルを1本づつ渡され、2種類の水を飲み比べる。飲んでみたら・・・よくわからん。(^_^;) 説明によると、「サントリー天然水は軟水で、ウイスキーの割り用としても最適です。」ということで、ここでも試飲向けにウイスキーが用意されていた。なんでやね~ん。ただし、北杜12年の1種類だけ。でも、工場限定ウイスキーの宣伝はちゃっかりやってた。天然水工場のガイドツアーのはずなのに・・・。

シャトレーゼ白州工場の試食コーナーにて
試食用アイス

サントリー工場を出た後は、すぐ近くにあるシャトレーゼ白州工場の工場見学に行った。ここはアイスの工場。今日は日曜日で人が多いためか、各自で勝手に回る自由見学になっていて「40分程度で終わってください」と言われた。見学といっても見るものはあまり無い。試食コーナーに行くと、数種類のアイスバーやメロン玉シャーベットが用意されていて、自由に食べられるようになっていた。置いてあるのはどれも安っぽい感じ。3種類ほど食べたが、冷たいだけで硬くてあまりおいしという感じではない・・・。

塩尻に入り、宿泊地を探す。弱い雨が降ったりやんだりなので、屋根が欲しい。市内をぐるりと回るうちにあたりが暗くなる。平出遺跡公園に行ってみると、屋根付の休憩所があって良さげ。ほのかにぶどうの香りがする。

  • 今日の天気:曇後時々雨
  • 走行距離:135.9km
  • 宿泊地:長野県塩尻市平出遺跡公園

34日目: 9月12日(月) 開田高原のそば工場見学

目覚めたときは、水のつぶが見えるくらい濃い霧がかかっていて、ぶどうの香りが漂っていた。公園付近にはぶどう畑が所々ある。一房一房、白い袋に覆われているものもある。平出遺跡は、縄文時代から平安時代にかけての大集落ということで、公園内には竪穴住居が復元されていた。

国道19号を南下すると、雲も次第に取れてきてすばらしい青空になってきた。日義村の道の駅では、これから北海道に行くというライダーに会った。地蔵峠を越えて開田村(2005年11月から木曽町)に入る。峠を少し下った所の展望台で乗鞍岳と御嶽山が見えるが、御岳のほうは上部に雲がかかっていて残念。


地蔵峠から乗鞍岳を望む

開田高原、木曽馬の里

開田高原にある「霧しな」という会社のそば製造工場の見学ができるので行ってみた。乾麺の工場では伸ばされた生地が裁断されて乾燥のため棒にかけられていく様子がおもしろかった。半生工場では途中でラインがつまって、あたふたしている様子が見えた。(^_^) 試食コーナーでは半生のやぶそばと細うどんが出された。そばは普通においしい。うどんはツルっとした食感。工場の外では、超軟水といわれる天然水を自由にくめるようになっているのでペットボトルに入れさせてもらった。

岐阜県に入り、県道463号に進む。白樺林が広がり、展望も良い。しかし、しばらくすると路面はがたがたの一車線路になる。つらい。深い谷を見下ろすようなところもある山道をひたすら西へと進む。下呂市小坂町の道の駅に寄ると、ひだ・みの道の駅スタンプラリーというのがあるようなので、いくらか回ることにした。

今日こそはキャンプ場に泊まろうと、下呂市金山町の横谷峡キャンプ場に行ってみると、・・・閉鎖されていた。困った。既に少し薄暗くなってきているのに。ふと滝の方を見ると、バイクが並びテントが張られている。行ってみると、東屋で楽しくやっている。とりあえずここにテントを張り、近くの飛騨金山温泉「ゆったり館」(通常400円、10:00~21:00、受付は20:00まで、水曜定休)に急ぐ。温泉に着いたのが19時ちょっと前。料金表を見ると、祝日を除く19:00以降は300円とある。玄関近くにあるテレビで天気予報も見たいし、ちょっと中に入るのを待とうか思っていると、受付のおばちゃんから「300円でいいよ」と言われた。温泉の後は、近くのコインランドリーで洗濯をしてから横谷峡に戻る。東屋ではまだ、わいわいやっていたのでその中に参加した。

  • 今日の天気:晴、朝霧
  • 走行距離:217.3km
  • 宿泊地:岐阜県下呂市金山町横谷峡キャンプ場近くの空地
  • 入浴地:飛騨金山温泉ゆったり館(300円(時間帯割引))

35日目: 9月13日(火) 郡上市~飛騨高山


横谷峡の白滝

昨晩は遅くまで飲んでいたので、いつもより遅めの6時に起床。出発前に滝を眺め、オオサンショウウオがいるという、網で囲まれたいけすを見るが、岩場に隠れているようでよくわからない。

道の駅美並に行くと、モロヘイヤソフトクリーム(300円)なるものがあったので食べてみた。少し緑色っぽく色が付いて、ぶつぶつがあるが、食べてみてもよくわからん。(^_^;)


長良川の釣り人

北上する。国道沿いを流れる長良川は、やや緑がかかった色をしており、所々で笠をかぶった釣り人が川に入っている。 明宝ハム工場は小さな工場で、見学するところはあまりなく、試食なども無く売店があるくらい。でも、作っているところがばっちり見られて、作業している方は落ち着かないかも。飛騨美濃道路に入らずに、清見村へと抜ける坂本峠へ向かう道に入ると、薄暗く、木の葉が所々落ちているような悪路になる。悪路を抜ければ快適な道だ。

平湯方面に国道158号を上っていくと、乗鞍岳がきれいに見えた。上宝村を経由して高山市内に戻る。夕食として国道41号沿いにある国八食堂で、とうふ定食(630円)を食べた。ツーリングマップルのコメントほどは安くてボリュームがあるとは思わない。普通の価格で普通の量だ。おかずは豆腐だけで、ちと物足りないくらい。味も普通だと思う。

  • 今日の天気:晴
  • 走行距離:329.5km
  • 宿泊地:岐阜県高山市宮川緑地公園
  • 入浴地:高山市国民宿舎飛騨(500円)

36日目: 9月14日(水) 飛騨高山、飛騨古川、白川郷


飛騨高山の古い町並み

せっかく高山市内で野宿したので、早朝の古い町並みを回る。7時前だが、ちらほら観光客が歩き回っている。7時過ぎ頃、朝市に行くと、準備中の所もあるが野菜、果物、漬物等が並べられ、客もそこそこ来ている。


飛騨古川の町並み

飛騨市古川に行き、街を歩く。ここはNHK連続ドラマ「さくら」の舞台になった町でもある。白壁や出格子の建物が並ぶ。そのほとりを鯉が泳ぐ小さな川が流れていて趣がある。時間がたつにつれて観光客も増えてくる。

道の駅古川いぶしへ行った後、県道75号を西進していると、いきなり通行止めの表示。もっと早く知らせてよとつぶやきながら5km程戻って別の道に進む。国道360号を西進し、天生峠へと上っていく。途中から細く急なくねくね道となり、ぐんぐん高度を上げていく。峠を過ぎると同じようにくねくねと下がっていく。ほぼ下まで下りてくると、合掌造りの家が現れる。バイクを停めて白川郷荻町の合掌集落を歩く。広く散らばっているので、暑いなか歩くのも大変。外国人、特にアジア系の人も結構多い。さすがは世界遺産。


合掌造り

白川郷荻町の合掌集落

東へ戻り、高根町の道の駅に行った後、またまた高山市内に戻って明日のために買出しをする。明日からしばらく晴れそうなので登山をしようと思う。飛騨市古川の街中にある、しょぼい温泉に入った後、古川の道の駅に行きテントを張る。

  • 今日の天気:曇後時々雨
  • 走行距離:252.5km
  • 宿泊地:岐阜県飛騨市道の駅アルプ飛騨古川
  • 入浴地:飛騨古川たんぼの湯(500円)