2011年末時点のプリンタ 〜エプソンとキャノンのプリンタを比較〜 (2011年9月26日公開/2011年12月8日最終更新)
2011年8月末、エプソンとキャノンからプリンタの新機種が多数発表された。毎年少しずつ速くなるとはいえ、恒例の年賀状の時期に合わせた新製品発表である。そこで、新機種の全体的な傾向、そして両メーカーの傾向を検証した上で、複合機、FAX機能付き複合機、単機能プリンタ、コンパクトプリンタの4種類を価格帯別に比較していく。各比較は、独立したページとして用意してあるので、下記のリンクから飛んで頂きたい。
これもここ数年間同じ事を書いているが、今年もエプソン、キャノン共に複合機の最上位モデルの画質に変化はない。エプソンが6色構成で1.5plインク滴のAdvanced MSDTで解像度が5760×1440dpi、キャノンも6色構成で1plインク滴の3サイズドロップレットで解像度が9600×2400dpiとなっているのは去年のモデルと同じである。画質面で十分すぎるほど綺麗な域に入っているため、これ以上画質を向上させる意味が無いためと思われる。スキャナ部も最高が4800dpiで、エプソンは全機種がCIS方式でADF搭載、キャノンは最上位のみCCD方式でフィルムスキャン対応というのも変化がない。 今年の傾向としては、まず下位モデルを中心に小型化が進んだことが挙げられる。去年までは上位モデルを中心に小型化と操作性の向上が図られていたが、下位モデルはもともと機能が少ない分、小型だった。しかし、今年はその下位モデルがいっそう小型化している。エプソンの場合、最下位モデルが体積比で35%の小型化を実現しており、キャノンも奥行きがよりいっそう短くなっている。 もう一つの傾向としては、スマートフォンの普及に伴い、エプソンもキャノンもLAN接続対応の機器を中心に、スマートフォンから無線LANを使って直接印刷できるようになっており、そのためのアプリケーションが提供されている。エプソンはiPhone/iPad/iPod touch版とAndroid版が提供されており、スマートフォンで撮影した写真の印刷の他、PDFやWord、Excelの文書の印刷、メールに添付されたファイルの印刷が行える。さらにスキャナも使用でき、スキャンしてスマートフォンに保存することが可能である。キャノンは写真の印刷とスキャンデータの受け取りのみとなるが、iPhone/iPad版とAndroid版が提供されている。 去年のモデルで好評だったのか、複合機の上位から2番目の機種のカラーバリエーションが2色から3色へ増やされているのも両メーカーの共通点だ。ただし、機種が拡大されてはいない。 機種数を見てみよう。エプソンは従来、「多機能モデル」「単機能モデル」「コンパクトモデル」「高品位モデル」という分け方をしていたがが今年は「ビジネスモデル」というカテゴリができた。そして、その「ビジネスモデル」には従来は「多機能モデル」や「単機能モデル」にラインナップされていた機種の一部に加え、ビジネスインクジェットプリンターとしてラインナップされている機種の新製品の一部が分類されたため、結果的に機種数は増えている。FAX付き複合機はA3対応の2機種が増えて5機種(内3機種が新製品)になった。FAX機能無し複合機は5機種から6機種に増え、全機種新製品である。A3単機能プリンタは4機種から5機種(内3機種が新製品)に、A4単機能プリンタは新機種無しの4機種のまま、コンパクトプリンタは3機種のままだが2機種は新製品だ。一方のキャノンはラインナップがやや整理された印象で、FAX付き複合機は1機種がラインナップから外れ2機種(新機種無し)に、FAX無し複合機は6機種から8機種になっているが、そのうち継続販売の2機種は他の販売終了機種と同じ様に価格が限界まで下がった状態で、いつ販売が終了してもおかしくなく、新機種は6機種となる。A3単機能プリンタは1機種がラインナップから外れ4機種(新機種無し)に、A4単機能プリンタは2機種のままだが1機種は新製品である。コンパクトプリンタは変化無しである。 新製品の中心は、やはりFAXなし複合機になっている。面白いのは、エプソンとキャノンで逆の方向に向かったことである。去年のラインナップでは、両メーカーとも最下位モデルは液晶ディスプレイが省略されていた。液晶ディスプレイがないと言うことは、メモリカードスロットが無くダイレクト印刷が行えない機種であった。エプソンは今回、最下位モデルでも1.44型と小さいながら液晶ディスプレイを搭載している。一方キャノンは液晶ディスプレイ無しが下位2機種まで拡大している。また、エプソンは上位モデルは前面2段給紙で下位モデルは背面給紙だが、キャノンは上位モデルは前面+背面給紙で、下位モデルは前面給紙のみである。キャノンは去年まで下位モデルは背面給紙のみだったため、今年は方向転換と言えよう。 LAN機能搭載機もエプソンはほぼ変わらず、キャノンは増えている。エプソンの場合FAX無し複合機は有線+無線LAN対応が3機種から、有線+無線LAN対応が2機種、無線LAN対応が1機種になった。FAX付き複合機では有線+無線LAN対応が3機種から5機種に増えているが、これはFAX付き複合機の機種数が3機種から5機種に増え、全機種が有線+無線LAN対応しているためであり、割合が増えたわけではない。A3単機能プリンタは機種数が3機種から5機種に増えたのに伴い、有線+無線LAN対応機も1機種から3機種に増えている。A4単機能プリンタは1機種のままだ。一方、キャノンはFAX無し複合機の最下位モデルと中位モデルの2機種を除く5機種が無線LANに対応しており(有線LAN対応は2機種のみ)、FAX付き複合機も2機種とも有線+無線LAN対応なので、複合機のラインナップの78%を占めている。新機種のほとんど無い単機能プリンタでは搭載機種は少ないが、複合機ではかなりの割合になった。また、自動両面印刷もキャノンが機種を拡大している。エプソンは1機種が標準搭載、2機種がオプション対応するだけだが、キャノンは最下位モデルを除く6機種が標準対応している。 写真印刷と複合機単体での操作性を下位モデルまで広げたエプソンと、パソコンとの接続や利便性を下位モデルまで高めたキャノンという構図が今年は見て取れるわけである。
それでは、最新ののエプソンのラインナップはちょうど1年前となる去年の春と比べてどのようになっているか、まずは見てみよう。
エプソンのラインナップ全体では、前述のスマートフォントの連携以外は、上位モデルは細かい不満箇所を改善し、下位モデルは小型化と高機能化が図られた形である。 まずFAXなし複合機を見てみよう。最上位のEP-904Aは基本的なプリント、スキャン、コピー、ダイレクト印刷機能は前機種EP-903Aから変化していない。本体サイズや基本的な形状も同じながら、細かい点を改善している。まず、操作性の点では液晶ディスプレイのメニューアイコンをグラフィック化しより分かりやすくすると共に、タッチパネルのLEDをオレンジからピュアグリーンに変更し視認性と高級感をアップしている。さらに、液晶ディスプレイと操作パネル部分はEP-903A同様角度調整が可能だが、これがフリーストップ式になった。自由な角度で止められる他、EP-903Aでは降ろすときはボタンを押してロックを外す必要があり、これを忘れて無理矢理降ろすと、角度調整がグラグラになってしまったが、こういった事が起こらなくなった。また、排紙トレイの前面カバーが大型化し、排紙トレイの横にあったメモリカードスロットまでカバーするようになった。従来はメモリカードリーダーの差し込み口がそのまま露出しており、ホコリの問題があったが、これも改善された。その他、電源ケーブルが直角に曲がっているため、壁面にくっつけて設置しやすくなっている。また、印刷前に用紙サイズのチェックを行い、用紙設定と実際にセットされている用紙が合っているかチェックされるようになったほか、コピーやスキャン後に原稿の取り忘れを防ぐアラームが付けられた。自動電源オフまでの時間も設定できるようになっている。このように細かいながら、小さな不満点を一つずつ潰していき、完成度を高めたという印象だ。上位から2番目のEP-804Aも、機能面では前機種のEP-803Aと違いはなく、EP-904Aに似た変更点となっている。メニューアイコンのグラフィック化やLEDのピュアグリーン化、フリーストップの操作パネル、メモリカードスロットにもフタができる大型カバー、直角に曲がる電源ケーブル、用紙サイズチェックと原稿取り忘れアラーム、自動電源オフ機能の搭載など、こちらも細かく改善され完成度が高まっている。従来のEP-803Aでもブラックとホワイトのカラーバリエーションがあったが、EP-804Aではさらにレッドが選べるようになった。従来のプリンタにはない派手な色である。EP-774Aは今年からラインナップに追加された機種である。700番台となっているが機能的には800番台に近い製品だ。見た目もEP-804Aと似ているが、実はEP-803Aと同じ本体である。メニューアイコンも去年までと同じでグラフィック化されておらずやLEDもオレンジだ。操作パネルはフリーストップではなく、降ろすときにロックを外さなければならない。メモリカードスロットにカバーはなく、銀色の帯が側面まで回り込んでいるところまでEP-803Aそっくりだ。用紙サイズチェックと原稿取り忘れアラーム、自動電源オフ機能も搭載されていない。EP-804Aとの差として、印刷速度がL判縁なしで17秒と若干遅い(EP-804Aは14秒)事と、無線/有線LAN接続機能が省略されている事がある。その他、印刷画質や前面2段給紙、タッチパネル式の操作パネルといった特徴的な部分はそのままである。EP-704AはEP-703Aと機能面で違いはない。また上位モデルのような細かな変更点もなく、用紙サイズのチェックや原稿取り忘れアラーム、自動電源オフ機能も搭載されていない。またUSB接続のみなので、スマートフォン対応も行われていない。カタログ上で分かる変更点は、TransferJetのクレイドルの接続に対応したことと、Windows 2000に対応しなくなったことくらいだ。 PXから始まる型番の顔料インクの機種は、従来の500番台の機種が姿を消し、400番台が2機種となっている。PX-434AとPX-404Aは共に1.44型と小型ながら液晶ディスプレイを搭載していること、1200dpiのスキャナを搭載している事、SDとMSのみだがカードスロットを搭載し、ダイレクト印刷が可能であること、PX-403Aと体積比で35%小型化している事などは共通だ。2機種の違いは、PX-434Aはインク滴が3plなのに対してPX-404Aはインク滴が4plとなり画質に差があることや、ノズル数の違いから、L判写真フチなし印刷速度でPX-434Aは106秒、PX-404Aは116秒と差が付いている。また、PX-434AはUSB接続に加え無線LAN接続が可能だが、PX-404AはUSB接続のみとなる。型番の100の位が下がったため比べにくいが、従来のPX-503AとPX-434Aを比べると、PX-434Aの方がインク滴が大きく印刷速度は遅い。PX-503Aでは前面給紙だったが、PX-434Aは背面給紙となる他、自動両面印刷機能も備えていない。PX-434Aの方がスキャナの解像度も下がり、xDピクチャーカードスロットも無くなった。液晶ディスプレイも小型化し、有線LAN接続もできない。代わりに体積比は39%小型化している。一方PX-404Aを前機種PX-403Aと比べると。ノズル数が同じながらL判写真フチなし印刷速度で144秒から116秒に高速化しているほか、スキャナ解像度も上がっている。液晶ディスプレイとメモリカードスロットを搭載したため、ダイレクト印刷が可能になった。また、液晶ディスプレイの無いPX-403Aではコピー機能が等倍とオートフィットしかできず、枚数も1枚か20枚しか指定できなかったが、PX-404Aでは25〜400%の間で1%刻みで拡大率が設定できるほか、用紙サイズや枚数も指定できるなど上位モデルに近い使い勝手となっている。 FAX付き複合機はPX-1700FとPX-1600Fの2機種が追加されているが、これらはエプソンの家庭向けにラインナップされる機種としては初の、A3用紙対応のFAX付き複合機となる。機能的には画質や印刷速度、ダイレクト印刷時の機能までA4対応のFAX付き複合機のPX-673FやPX-603Fと同等だ。ただしスキャナはA3サイズまで、プリンタはA3ノビサイズまで対応する。もちろんADFも搭載されA3サイズに対応している。給紙もPX-673F・PX-603Fと同じく前面トレイからで、PX-1700FはPX-673と同じく2段トレイ、PX-1600FPX-603FはPX-603Fと同じく1段トレイだ。ただしPX-673Fと違い、2段トレイのPX-1700Fも操作パネルはPX-1600Fと同じボタン式だ。EP-904FはEP-904AにFAX機能を付けただけでそれ以外の機能は外見も含めて全く同じだ。そのためEP-903Fとの違いは、メニューアイコンのグラフィック化やLEDのピュアグリーン化、フリーストップの操作パネル、メモリカードスロットにもフタができる大型カバー、直角に曲がる電源ケーブル、用紙サイズチェックと原稿取り忘れアラーム、自動電源オフ機能の搭載などとなり、細かな改善により完成度が高まっている。下位モデルのPX-673FとPX-603Fに関しては継続販売だ。 A4単機能プリンタは3機種とも継続販売となる。A3ノビ単機能プリンタは、まずPX-7Vという新製品が投入されている。型番上はPX-5Vの上位モデルのようだが、実際には下位モデルでPX-G5300の後継機種になる。7色の顔料インクにグロスオプティマイザを搭載し、顔料インクの普通紙へのメリハリある印刷や高耐水性といった特徴を備えつつ、写真用紙への光沢感のある印刷が行える、光沢顔料モデルだ。色数はPX-G5300と同じだが、新たにブルーインクも用意され、マットブラックと交換で使用できる。これにより、青空や海の色など青い色の色域が広がるという。インク滴や解像度、ノズル数は変わらないため、粒状感や印刷速度に変化はない。またCD/DVD/Blu-rayレーベル印刷に対応しているほか、ロール紙と、手差しによるファインアート紙に対応しているのも同じだが、最小用紙サイズが名刺サイズからL判になっている。PX-G5300では2ポートあったUSBポートは1ポートになっているが、新たに有線LANと無線LANに対応している。最上位モデルのPX-5Vと中位モデルのPM-G5400は継続販売だ。最下位モデルのPX-1004はPX-1001の後継機種だが、機能面で変更点はなく本体カラーが変更された以外にスペック上で違いが分かるのは、Windows 2000とMac OS X 10.3.9〜が対応から外された事くらいだ。そしてPX-1004の上位に新たに追加されたPX-1200はPX-1700Fのプリンタ部だけのような製品だ。PX-1004と比べるとインク滴が小さくノズル数も多いことから、高画質で高速になっている。また、前面2段給紙となっており、上下段ともA3ノビまで対応し、A4用紙なら上下各250枚の500枚までセットできる。また普通紙のみだが自動両面印刷機能も備える。また有線/無線LANにも対応している。 コンパクトプリンタは上位モデルのE-820と下位モデルのE-350が新機種で中位モデルのE-600は継続販売だ。E-820は前機種E-810と比べて内蔵テンプレート数を358種類から1055種類に大幅に増やした他、写真に日付や名前、文字を入力して印刷する「思いでのサイン印刷」機能が装備された。デザイン面では液晶のフレーム部分がE-810より角張った形状になりスマートになっている。E-350は機能面での変更はないが、カラーバリエーションが2色から3色になり、天板がドット模様になったほか、従来は白色だったハンドルが本体カラーに合わせた物になっている。
今年のラインナップが去年と比べてどのようになっているか、まずは見てみよう。
キャノンのFAX無し複合機の型番は、去年の時点でPIXUSの後の数字がMP+3桁数字からMG+4桁数字へと移行していたが、下位モデルを中心にMP+3桁数字の型番が残っており、上位下位が分かりにくくなっていたが、今年は全機種がMG+4桁数字で統一された(ただし後述の理由により括弧付きで継続販売のPIXUS MP493は除く)。最上位が8000番台、最下位が2000番台と分かりやすい。最上位のPIUXS MG8230はPIXUS MG8130の後継機種だ。エプソン・キャノンを併せて唯一残ったCCDスキャナとネガフィルムのスキャン機能を引き続き搭載する。その他インクの色数やインク滴、解像度などに変更はないため画質や印刷速度は同等で、その他の機能も同等だ。スキャナ、ダイレクト印刷、コピーの機能もほぼ同等だ。違いと言えばPIXUS MG8230は赤外線通信によるダイレクト印刷に非対応になったことと、ダイレクト印刷時に証明写真の印刷機能が無くなった事、コピー時の絵はがき風プリント機能が無くなっていることが挙げられる。一方、新機能としては、「ECO設定」と「ECO情報」がある。「ECO設定」はPXISU MG8230本体で「自動両面印刷」を行うかどうかを、「コピー」「PDF文書印刷」「定型フォーム印刷」の時でそれぞれオン/オフを切り替えられる。オンを選択した場合、自動的に用紙が両面印刷され、用紙が節約できるという仕組みだ。また自動電源オフまでの時間も設定できる。そして、自動両面印刷を行う設定にしたことで、何枚の用紙が節約され、CO2削減につながったかをパソコン上で観られるのが「ECO情報」だ。またサイレントモードの設定もできる。本体ではオンとオフしか設定できないが、パソコン上から設定すればパソコンからの印刷時に限るが、時間帯を指定してサイレントモードにすることができる。また、前述のスマートフォントの連携機能も搭載されている。上位から2番目のPIXUS MG6230もPIXUS MG8230同様大きな変化はない。前機種PIXUS MG6130と機能面ではほぼ同等で、赤外線通信によるダイレクト印刷に非対応になったことと、ダイレクト印刷時に証明写真の印刷機能が無くなった事、コピー時の絵はがき風プリント機能が無くなっている一方で、「ECO設定」と「ECO情報」「サイレントモード」が搭載されている。またPIXUS MG6130ではブラックとシルバーの2色だったが、今回は新たにブロンズという個性的な色が追加され3色展開となっている。なお、いずれの色も液晶ディスプレイや操作パネルのある天板部分はブラックとなっている点は今年も変わらない。PIXUS MG5330は今回大きく変わった製品だ。前機種のPIXUS MG5230では上位モデルとはデザインが異なり、スキャナ部の右側に操作パネルと液晶ディスプレイが縦に並ぶ配置で、この機種から上位モデルとデザイン面で区別されていた。しかしPIXUS MG5330は上位モデルと同じデザインになっている。それに伴い、液晶ディスプレイが2.4型から3.0型に変更され、本体の前方に配置されるため見やすくなった。ただし上位機種のようにインテリジェントタッチシステムにはなっておらず、通常のボタン式となる。また、見た目は変更されたが、中身は変わっておらず、インクが5色構成である点や、スキャナ解像度が2400dpiである点など、プリントやスキャナ、ダイレクト印刷、コピー時の機能はPIXUS MG5230から変化はない。また、上位機種と同じくダイレクト印刷時に証明写真の印刷機能が無くなった事、コピー時の絵はがき風プリント機能が無くなっている(赤外線通信機能は前機種から非搭載)。一方で、「ECO設定」と「ECO情報」「サイレントモード」が搭載されている他、スマートフォントの連携も上位機種と同等である。注意点はメモリカースロットがSDカードとメモリースティックのみとなり、コンパクトフラッシュに非対応になった事だ。PIXUS MG5130は2011年9月現在ではカタログに掲載されており継続販売となるが、価格は他の販売終了機種と同じく限界まで下がっているため、いつ販売終了となるか分からない製品だ。そのため価格別の比較には含めていない。PIXUS MG4130は、PIXUS MP493の後継機種だが、大きく機能強化されている。まずMP+3桁型番からMG+4桁型番に移行したことで、本体カラーがブラックになり、デザインも上位機種に似たものになった。液晶ディスプレイも1.8型から2.4型に大型化し見やすくなっている。デザイン的には液晶ディスプレイと操作パネルが縦長に並ぶ点では前機種のPIXUS MP493や1つ上位モデルのPIXUS MG5130と同じだが、スキャナ部の左側に並んでいる点が異なる。機能面では、インクの色数やインク滴は同等だが、ノズル数がブラックだけ倍増している。顔料ブラックであるため写真印刷では使用しないことから、写真印刷の速度はPIXUS MP493と同等だが、A4普通紙への原稿印刷速度はカラー、モノクロ共に高速化している。給紙に関しても大きく変更され、PIXUS MP493では背面給紙のみだったが、PIXUS MG4130では前面給紙のみとなる。背面給紙が無くなったことですっきりしたが、反面特に厚い紙やラベル用紙などへの対応は不安がある。また前面給紙となったため、最小用紙サイズが名刺サイズからL判サイズに大きくなっているのは注意が必要だ。一方ハガキには非対応ながら自動両面印刷機能も搭載されている。スキャナ部の性能やダイレクト印刷の機能は同等だが、PIXUS MG5330と同様コンパクトフラッシュに非対応になり、SDカードとメモリースティックのみとなっている点も同じく注意したい。一方、液晶ディスプレイが大型化したこともあり、コピー機能は強化された。従来は等倍か定型か自動変倍しかできなかった拡大縮小コピーが、上位機種と同じく25〜400%の間で1%刻みで設定できるようになった。また写真の焼き増し風コピーにも対応し、色あせ補正も行える。また2枚又は4枚の原稿を1枚の用紙に印刷する2アップ・4アップにも対応している。さらに、USB接続以外に無線LAN接続にも対応した。「ECO設定」と「ECO情報」「サイレントモード」の搭載と、スマートフォントの連携も上位機種同様だ。このようにPIXUS MP493とは1ランク上と言えるほど強化されている。ちなみにPIXUS MP493も継続販売されているが、PIXUS MG5130と同じく価格が下がりきっており、今後販売終了となる可能性がある。PIXUS MG3130とPIXUS MG2130はPIXUS MP280の流れをくむ、液晶ディスプレイの無い製品だ。当然メモリカードスロットを持たないため、ダイレクトプリントは行えない。PIXUS MG3130とPIXUS MG2130は共に4色インクでインク滴が2plという点はPIXUS MP280と同等である。ノズル数に関してはブラックインクのみ倍になっている。顔料ブラックであるため写真印刷では使用しないことから、写真印刷の速度はPIXUS MP280と同等だが、PIXUS MG3130ではA4普通紙への原稿印刷速度はカラー、モノクロ共に高速化している。ただし同じくノズル数が倍増しているPIXUS MG2130では印刷速度が変わらない理由は分からない。PIXUS MG3130とPIXUS MG2130はPIXUS MP280の背面給紙のみから打って変わって前面給紙のみとなる点は上位機種のPIXUS MG4130と同じだ。背面給紙が無くなったことですっきりしたが、逆に特に厚い紙やラベル用紙などへの対応は不安がある。また、最小用紙サイズが名刺サイズからL判サイズに大きくなっているのは注意が必要だ。スキャナは両機種とも1200dpiのCIS方式で、この点はPIXUS MP280と変わっていない。また、液晶ディスプレイが無いため、コピー機能は非常に簡易的で、使用可能サイズはA4とL版のみで、画質は普通紙のみ「はやい」と「標準」を切り替えられる。またコピー枚数は1〜9枚又は20枚で、等倍か自動変倍しか選択できない。上位機種と比べると劣るがPIXUS MP280からは変わっていないとも言える。本体サイズに関しては449×304×152mmと、PIXUS MP280の450×335×153mmと比べると奥行きが小さくなっている事がわかる。ちなみにPIXUS MG3130とPIXUS MG2130の違いだが、PIXUS MG3130には自動両面印刷機能が搭載されている(ただしハガキには非対応)事と、無線LAN接続に対応していることが挙げられる。 FAX機能付き複合機は、PIXUS MX7600が消えたが、残り2機種のPIXUS MX883とPIXUS MX420は継続販売となる。単機能プリンタではA4対応機の内、上位機種のPIXUS iP4830がPIXUS iP4930に変わっている。プリントの画質や速度、デザインなどの面では全く変わっておらず、複合機と同じく同梱ソフトから「ECO情報」を見ることができるようになったことと、サイレントモードの設定が可能になったことが変更点である。下位機種のPIXUS iP2700は継続販売、またモバイル機のPIXUS iP100も継続販売である。A3ノビ対応機の内、最下位モデルのPIXUS iX5000がラインナップから外れたが、それ以外のPIXUS Pro9500 MarkII、PIXUS Pro9000 MarkII、PIXUS iX7000、PIXUS iX6530に関しては継続販売となる。
各機種を詳しく見てみよう。価格帯別の比較、独立したページとして用意してあるので、下記のリンクから飛んで頂きたい。なお価格は、このページの作成時点(2011年9月中旬)に大手家電量販店数社の価格から、期間限定特価を除いた上で、最も多くの店舗で付けられている価格としている。 (H.Intel) 今回の関連メーカー エプソンホームページ http://www.epson.jp/ キャノンホームページ http://canon.jp/ |
(FAX付きA3複合機) |
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