「東漢」末期は、自然災害による飢饉が多発した事により、各地で流民化した農民等により、反乱が
起きる様になり、治安は急速に悪化していきます。
「東漢」王朝は、各地の有力豪族等に命じ、反乱を鎮めようとしますが、王朝内の政権争いに乗じて
権力を掌握した董卓の登場を契機に、実質的な王朝の権力は崩壊すると同時に経済は完全に崩壊します。
董卓の死後、各地の有力武将は覇権を争う様になり、皇帝(献帝)を掌握した曹操により「東漢」は
名目だけの王朝となり、曹操の子、曹丕へ皇帝を禅譲するという形で滅亡する事になります。
董卓は、それまでの五銖銭を小型で薄い五銖銭(董卓五銖)に改鋳した事により民間では、それまでの
五銖銭や新時代の貨泉銭等を丸ノミ等で打ち抜き、内側をそのまま使用し、外側は小型化させた五銖銭
の銅原料として用いて私鋳する事が横行し急速に価値が低下します。
もはや、五銖銭1枚単位の通用ではなく、100、1000枚等を一つの紐に通して使われる事が
一般的に行われるようになります。
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面(?)
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背(?)
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董卓五銖(無文)
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面
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背
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剪輪銭(五銖銭)
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面
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背
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剪輪銭(貨泉銭)
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面
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背
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エン環銭(五銖銭)
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剪輪(せんりん)銭:打ち抜かれた内側の部分
※外側を削り小型化されたものは磨辺銭と呼ばれ、剪輪銭とは異なる。
エン環(えんかん)銭:打ち抜かれた外側の部分
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