厳選!参考文献一覧

@「乳幼児の摂食指導」向井美惠著 医歯薬出版

 出生後の摂食機能の発達を段階的に解説。学問的裏づけを織り交ぜながら、Q&Aでは、一般的な疑問、質問に答えており、読者の層を選ばない好著。

A「乳幼児の摂食指導」向井美惠 デンタルハイジーン vol.21 no.5  2001 医歯薬出版

 歯科衛生士向けに書かれているが、乳幼児の発達に関わるすべての職種に読んでもらいたい。@のダイジェスト版。

B「食べる機能をうながす食事−摂食障害児のための献立・調理・介助」 向井美惠編 医歯薬出版

 障害児の摂食機能障害と対応について、家族や療育に携わる人向けにかかれている。@の障害児版。

C「食べる機能の障害−その考え方とリハビリテーション」 金子芳洋編 医歯薬出版

 金子先生の名著。すべてがここから始まったといえる。現在、障害児の摂食指導で活躍されている方は、みんなこれを読んで育った? 何回読んでも新しい発見がある。

D「命を狙う口の中のバイキン」奥田克爾著 一世出版

 これを読めば、誰でも口腔ケアの重要性を認めるはず。平易な言葉が使われていて、わかりやすい。イラストも味がある。

E「小児の発達栄養行動」−摂食から排泄まで−二木武・帆足英一・河合尚・庄司順一

 小児の食の発達をいろいろな視野から検討している。特に心理発達との関連が参考になる。絶版かもしれない。

F「食事で気になるこの指導」 「現代と保育」編集部編著

 保育者の視点から摂食にかかわる問題をQ&A形式でわかりやすく述べている。これも絶版かもしれない。

G「なぜ一人で食べるの」 足立己幸著 日本放送出版協会

 NHKで放映されたのでご存知の方も多いと思います。かなり昔に「弧食」を取り上げて話題になった。今も子供を取り巻く食環境は変わっていないような気がする。

H「高齢者ソフト食」  黒田留美子著 厚生科学研究所

 こういう本を待っていたのです。普通食から刻み食という流れはおかしい。形があり、かつ柔らかい料理を作ってくださいと栄養士さんにお願いしていたのですが、ついに出ました。摂食嚥下機能の変化の中でのソフト食の位置付けの考え方もすばらしい。現在は、さらに内容の充実したOが出ているので、そちらがお勧め。

I「いま実験心理学は」    中島義明著  誠信書房

 食の心理を扱った研究、書籍はほとんどない。そんな中で、実験心理学という切り口でわかりやすく解説した好著。介護の現場で直接役立つ内容ではないが、日常の食事が、ただ器械的に食物を口に運んでいるだけではないという事を再認識する。

J「在宅介護の食事」    山田明子監修 朱鷺書房

 この手の本は、たくさん出版されているが、私が着目したのは、ページ左隅にかかれているコラム欄、「私の体験」 皆さんいろいろ工夫をされている。摂食嚥下指導という観点からは、浮かんでこないさまざまなアイデアがちりばめられている。

 もちろん、誰にでも当てはまる(危険な場合もある)ことではないけれど、現場だからこそ出てくるものだと感心している。現場では、この方法が正しいかどうかなど躊躇することもままあるはず。そんなときに背中を押してあげられるのが私たちではないかと思っている。

        K「子どもの摂食指導」   田角勝 河原仁志 編著  診断と治療社

 田角先生は、小児科医であり発達期の摂食嚥下障害にも取り組まれている数少ないドクター。金子先生が推薦の言葉に書かれているように、大変わかりやすく発達期の摂食嚥下障害がまとめられている。

 すでにこの分野を学んだ方なら30分で読破できる。簡潔ながらもれがなく、各項目のボリュームもバランスもよい。患者さんのお母さんのレポートも載せられている。医院やセンターの待合室に、スタッフの勉強会のテキストにも最適。                          

L「感覚統合Q&A」  佐藤剛 監修 協同医書出版社

  大変わかりやすい内容で、編集も、はじめに第1部として日常の療育上の行動理解について、次に第2部として感覚統合療法について、それぞれQ&A形式で明らかにし、第3部で神経生理学的に感覚統合についての解説がなされている。講習会出席者からでた多くの質問に基づいているためか、こどもの行動についても感覚統合療法についても要点が大変わかりやすく述べられている。私のような初心者向け。

M「からだを読む」  養老孟司 著

  じつは、私も若かりし頃、解剖学教室に籍を置いていたことがある。ただ、このことはあまり公言したくない。なぜなら、研究室で電子顕微鏡ばかりいじっていて、人体の解剖にはほとんど興味がなかった。つまり、組織の名前を聞かれてもほとんど答えられないからだ。もうちょっとまじめにやっていればよかったと後悔しても後も祭り。それはともかく、著者は解剖学をねたにした著作がたくさんあるが、「口から肛門」と帯に記されているように、消化器の話だ。特に、口腔から食道までの話が、本書の半分近くを占めている。例によって気軽に楽しく解剖学が学べる好著。

N「食事介助の支援技術」

リハビリテーションエンジニアリングに掲載された拙文です。要旨はこちら

 O『家庭でできる高齢者ソフト食レシピ』  黒田留美子監修 河出書房新社

 料理を作ったことのない人間にとっては、結構難しそう。調理の基礎や素材の性質、栄養価など素人には手が出ない。そういう意味では、専門書に近い。

   調理例は、黒田先生が現場で試行錯誤を繰り返して作り上げたもの。決して頭の中だけでなく、食べてもらう人と向き合い、意見を聞き、心を込めて作っていらっしゃる。その姿勢を見習いたい。

 P「摂食嚥下障害の評価法と食事指導」 金子芳洋 向井美惠 編 医歯薬出版

 現在、明らかになっている学問的な裏づけを明記しての評価や訓練法が述べてある。熟読して、理論武装をして、他書での現実的、具体的訓練法を学ぶとよい。

Q「タベダス」                

 読み物としての軽さが、いい面と悪い面、両方を現している。編集者は、読者層が、かなりのレベルに達しているということ、意識も高いということを認識て編集してほしい。

 R「かみにくい・飲み込みにくい人の食事」  藤谷順子 監修 主婦と生活社

 食べやすい食事を作るにはどのようにしたらよいかを、食材別調理法の工夫、市販品利用法、アイデア、ヒントなど具体的にかつわかりやすい分類で述べてある。台所に置いておくと便利かも。

S「脳卒中患者の口腔ケア」 植田耕一郎著 医歯薬出版

 リハビリテーション病院で中途障害者の歯科治療を通じで得た、貴重な臨床経験をもとに、脳卒中の病態生理をわかりやすく簡潔に説明してくれる。中途障害者にかかわるすべての歯科医師が、まず最初に熟読してほしい名著。初版から時間がたっているが内容に陳腐さはない。      

 



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