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富田林寺内町の探訪

江戸時代の町並みが残る寺内町(じないまち)をご紹介します

大阪市内から近鉄電車で富田林駅まで30分。駅から徒歩10分。
ひっそりとした佇まいを残すお寺や町家を巡りながら、お手軽な歴史散歩に出かけてみませんか? 皆様のお越しをお待ちしています。

じないまち訪問記25 2014年8月31日(日)重要文化財・興正寺別院

 【Tourist guide to Jinaimachi town, Tondabayashi, a historic district and heritage site of Japan,Travelogues by Author
2014831日(日)

午前中は夏空が広がり、寺内町界隈をぶらり散歩しながら、今年、新たに重要文化財に指定された興正寺別院を訪ねました。

本堂内部の内陣と外陣を隔てる襖の障壁画「松竹梅」の図は、江戸時代の狩野派絵師、狩野寿石秀信の筆になる作品です。狩野寿石秀信は、幕末・赤穂浪士の忠臣蔵で因縁の舞台になった江戸城の松の廊下で名前の由来になった有名な松を描いた絵師です。 

20149月1日 管理人@横浜
 
重要文化財・興正寺別院
 
重要文化財・興正寺別院
 
重要文化財・対面所
 
境内参道
 
重要文化財・本堂内陣
 
狩野寿石秀信筆 障壁画「松竹梅」
 
狩野寿石秀信筆 障壁画「松竹梅」
 
狩野寿石秀信筆 障壁画「松竹梅」
 
狩野寿石秀信筆 障壁画「松竹梅」
 
狩野寿石秀信筆 障壁画「松竹梅」
また、興正寺別院本堂の内部には、正面の梁の上部には蛙股と呼ばれる、蛙が上から両足を広げた形に見える構造物には、鮮やかに彩られた7つの彫刻が装飾物として施されています。いずれの彫刻も古い中国の逸話をモチーフにした作品です。中国は元王朝の時代に郭居敬という人物が、親孝行を題材に24のエピソード(中国二十四孝)を纏めたうち、7つのエピソードが彫刻になっています。お寺は江戸時代には寺子屋と呼ばれる初等教育の場でもありましたが、儒教の教えを子供達に彫刻を見せながら、教えたものです。
   
   
   
   
午後は、重要文化財・(旧)杉山家住宅から近いイタリアンレストランのオアジ(OAJI)で、手入れの行き届いた日本庭園を眺めながら、ゆっくりと本格的なイタリアンを堪能しました。

お店のオーナーでもある杉本シェフが地元南河内や泉州地域の農家で栽培されている新鮮な野菜を午前中に仕入れて調理しています。杉本シェフと地元農家や地元の道の駅の繋がりが広がり、農家に新しい種類の野菜栽培をお願いしたり、農家からも新鮮な野菜の紹介を受けたりしながら、食卓に載る地元野菜の種類は日を追うごとに増えてきています。地産地消の食材として、泉州産の犬鳴豚などもふんだんに取り入れています。また、食器はいずれも趣向を凝らしたもので、地元との関わりを大切にして、「大地の器」はお店から徒歩2分の手作り陶工房飛鳥で特別に製作されています。
 
縁側から日本庭園を望めます
 
南河内で取れた新鮮な野菜の数々
   
 
「大地の器」(陶工房飛鳥)に盛り付けた犬鳴豚
 
地元の匠玉子を使ったチョコレートデザート
オアジ(OAJI)でお昼を済ませてから、近鉄富田林駅に向かう途中の中央商店街の中に、古民家を改装した町家カフェ栞が今年6月1日にオープンしており、立ち寄ってみました。

中にはギャラリースペースも設けられており、隣接する岩野自転車店主の見事な作品が展示されていました。奥に進むと広い奥座敷がダイニングスペースになっており、畳敷きテーブル席を並べて寛げる雰囲気になっています。奥座敷から縁側越しにお庭を眺めることも出来、お庭を眺めるテラス席も用意されています。
 
町家カフェ 栞
 
   
床の間のある座敷(ダイニングスペース)
 
テラス席
 
 
ギャラリー
 
じないまち探訪記
じないまち随想 
 ご感想などお便りをお待ちしています。(管理人)


Information


(富田林市提供、禁無断転載)

富田林寺内町までの道順
寺内町へは近鉄長野線富田林駅又は富田林西口駅下車徒歩10分です。先ずはじないまち交流館へお立ち寄りください。

散策地図がもらえます
富田林駅前の観光案内所又はじないまち交流館散策地図がもらえます。

立ち寄ってみたいお店

休憩所(トイレ)
じないまち交流館寺内町センターじないまち展望広場にあります。

車でお越しの方へ
寺内町は道幅が狭く、中には公共駐車場がありません。車でお越しの場合には、2014年2月に新しくオープンした富田林市営東駐車場(有料)をご利用ください。一般用の普通乗用車及び団体用のマイクロバス(1台分、市役所に要事前予約)を駐車できます。重要文化財・旧杉山家住宅まで徒歩5分、じないまち交流館まで徒歩15分。

尚、団体用の大型観光バスでお越しの場合は、富田林市役所にお問い合わせください。宜しくご協力をお願いします。


重要伝統的建造物群保存地区
富田林市富田林町の一部にあたる寺内町は、1997年(平成9年)に国から重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。大阪府下では唯一の指定となっています寺内町にある約500棟の建物の内、江戸時代から昭和初期頃までに建てられた181棟の建造物が伝統的建造物に特定されています。保存地区内において通常道路から見える建物等の外観の現状を変更(増改築、改修、模様替え、色彩の変更、新築、除却など)する時には、予め市教育委員会・文化財保護課に申請して許可を得る必要があります。伝統的民家(町家)は白壁、板塀、格子戸など往時の姿のままに外観の保存・復元・修景作業を終えて、今も人々が生活の場として暮らしながら、素朴で静かな佇まいを今に伝えています。

寺内町の主だった商家には由緒・由来を記した案内板が設けられ、石畳の街路には路面灯を兼ねた道標や案内標識なども整備されています。電信柱の配置や各戸の電気メーターなどもできる限り目立たないような工夫が施されています。

また、寺内町では伝統的な町並み景観に配慮して、新しく建築される建物も周囲の景観に調和した外観となっています。


興正寺別院(富田林御坊)

真宗興正寺派、富田林・寺内町の成立と発展の中心となった寺院です。地元の人からは御坊さん(富田林御坊)として親しまれています。


応永年間(1394-1412年)に毛人谷(えびたに)御坊に草創。 永禄3年(1560年)に京都・興正寺第16世証秀上人が現在地に移建。

城之門筋に表門を開き、鐘楼・鼓楼を構え、本堂・客殿・庫裏などを配する。 表門は桃山調の高いもので、もと伏見城門のひとつが興正寺に寄与されたものをここに移建したと伝えられています。

ボランティア・ガイド




団体でお越しの場合には、地元のボランティア・ガイドによるご案内も可能です。(事前のお申込みが必要)

ガイドのお問い合わせや事前のお申込みは下記のじないまち交流館までお電話ください。


じないまち交流館
〒584-0033
大阪市富田林市富田林町9-29
TEL.0721-26-0110
FAX.0721-26-0110
(午前10時~午後5時、月曜休館、12月28日~1月4日休館)

 立ち寄ってみたいお店
 寺内町の町割(都市計画)
 城之門筋(日本の道百選)
 寺内町の入り口
 東高野街道
 重要文化財・(旧)杉山家住宅
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 歴史的建造物一覧(寺院・町家)
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