奔流
 
 〜黄瀬戸の巨匠・各務周海と創造力溢れる若手作家・各務賢周の作品を中心に〜

                          by 阿古耶庵(佐藤)
 小学二年生の夏休みが終わったある日,友達の手には見たこともないような焼き物のかけらが握られていました。近くの工事現場で拾ったと言い,それが今から4000千年も前の「縄文人」とよばれる我々の祖先がつくったものだと教えてくれました。さっそく,その日の放課後友達に教えてもらった工事現場に出かけ,やっとの思いで縄文土器を見つけることができました。泥をはらって注意深く見ると,縄の目の他にへらで削られたようなあとや焦げが認められ,上気した頬をなでる風と共に縄文人の息づかいが聞こえてくるような気がしました。 
 以来,焼き物に興味を持ちいろいろな遺跡を巡ったり現代陶の展示会に出かけたりしましたが,幼い日に感じた心をうち振るわせるような作品には巡り会うことができませんでした。
 ところがある日,とある骨董雑誌に目を通していたときに,幼い日のあの感動がよみがえってくるような油揚げ肌の黄瀬戸の輪花鉢に出会ったのです。古陶かと思い本文をよく読んでみると,現代の作で作者は恵那の各務周海氏とのこと。以来各務氏の黄瀬戸に魅せられ恵那通いが始まりました。 
 すでに,黄瀬戸の第一人者としてその名を知られた各務周海氏とその長男賢周氏の作品を紹介しながら,多くの人を魅了してやまない焼き物の美の本質について考えてみたいと思います。

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                                         更新日2003,9,15    

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