白い古書、ぞっき本も、時を経て読むと面白いものです。 |
今月の一冊は、これ! |
「美術・巨匠と名作」の頁 |
編:現代教養文庫編集部 廃刊から2年、あの「現代教養文庫」が今月から復刊されると言うニュースを新聞で読まれた方も多いと思います。デジタル技術の進展で、たった1冊の注文でも出版できるオンデマンド方式あっての朗報です。「教養ワイドコレクション」の名のもと復刊される第1期作品は100点。四六判、価格は二、三千円台中心で高めですが、1冊でも注文があれば出版してくれる点を考えれば高くはありません。発行は文元社、発売は紀伊国屋書店です。私にも、読みたくて探し求める幾冊かがありますが、果たして出合えるか。楽しみなところです。 同文庫は「教養は民主主義の基礎であり、また民主主義は現代人の教養の支柱でなければならない」を刊行の辞に、1951年「菊と刀」をもって創刊。人生・恋愛・学生・女性・読書・記録・政治・法律・経済・社会・歴史・民俗・文学・映画・演劇・美術・音楽・語学・娯楽・スポーツ・生活科学・実用など硬軟併せ持つ何でもありの文庫で、まさに“百科文庫”そのものでした。 今回はその中の一冊で、「現代教養文庫」のエッセンスを詰め込んだような535頁の『教養人の手帖』を紹介しましょう。同書は創刊10周年を記念した特別版で、刊行番号は「教養文庫(特)」で数字はありません。61年当時、発行所は社会思想研究会出版部で、社会思想社となるのは後のことです。この本の「世界名曲100選」に沿ってレコードを買い、「読書案内」掲載の本を読破することを目標に書物を探し求めた、若き日の私の“知”の羅針盤でもありました。 目次はまさに小百科の趣。細かく枝分かれしていますが、大きな項目を眺めるだけで本書の概要が分かるかと思います。以下に書き出してみましょう。 ◆メモ◆ 1日現在、紀伊国屋書店・オンデマンド本の新刊案内には井出孫六「秩父困民党群像」、河田宏「明治四十三年の転轍 大逆と殉死の」、阿木翁助「青春は築地小劇場からはじまった」の3冊が出ています。また、amazonのマーケットプレイスにはかなりの数の「現代教養文庫」の出品があり、価格も格安ですので、探求本がある方は探索してみるのもいいでしょう。 |