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  宇和町立ち寄り

宇和町は愛媛県の南西部にあり、札所で言えば43番明石寺のあるところ。
ここに明治初めに建てられた開明学校があると「みやこ」のご主人にお聞きし訪ねてみた。

左が宇和町の開明学校、右は松本市にある開智学校。よく似た名前でいずれも明治初めに建てられた学校。
姉妹提携をしているという。開智学校に比べると開明学校の方が質素だし少し小振りに出来ている。係りの人の話によると昔宇和町は農業で潤っていた土地で教育の盛んな所だったとのこと。それでこうした学校が建てられたと説明してくれた。明治政府の教育にかける意気込みのようなものが建物から漂ってくる。中にはいろいろな展示物がある。
たまたま、館内を見ていたとき内子から来たというグループと一緒になった。引率している方がもう70歳くらいの男性だったが中にある旧いピアノを弾いてくれた。昔懐かしい音色だった。ドイツ製とのこと。プレートをみたらライプチッヒと書かれてあった。少し前までは音も出ない状態だったがそれを修復したという。その方からは更にお金の接待まで頂戴し恐縮した。
開智学校と姉妹提携しているということで、入り口に道祖神が置いてあった。信州安曇野ではよく見る石佛だがこうして四国で見ると改めて懐かしい気になる。

開明学校の前に民具館がある。そこには昔のいろいろな道具が展示してある。中に実演コーナーがあり初めて石臼を引いた。思ったより軽かったがこれでソバなどの粉をひくとなるとやっぱり大変な作業ではあったろう。

へんろをしているということに加えて信州から来たということで館の係りの方は大変親切に館内やこの近くのことを説明をしてくれた。
その話の中で、すぐ近くに木造の古い校舎があるというのでついでにそこにも立ち寄ることにした。
   
これがその校舎。昭和3年に建てられた宇和小学校。今は使われていない。右の写真はその内部。廊下の長いこと長いこと。
100m以上ある。おもしろかったのは廊下の雑巾がけタイムトライアルの記録が張ってあったこと。109mの廊下を何秒で行けるかというのだ。ベスト記録は21か22秒だった。
「私が普通に走るのと同じくらいだ」と係りの人に言ったら、「やってみますか」と言われた。いつでもOKなんだそうだ。
ちょっとだけやってみようかという気になったが、そんなことをして明日足腰が立たなくなったら大変だと思い辞退した。
でもこれはなかなかユーモアのあることです。

上は昔の学校だったが左は今の学校。
この町にしては分不相応な立派な学校。だがこの学校を建てるいきさつについて開明学校で説明を受けていた。かなり金がかかっているが時の町長は、教育は町づくりの基本だとしてともかく頑張って頑張り抜いて国と県から金を取ってこれを作ったんだそうだ。
こうしたいきさつを知らなければ、箱ものに金をかけてという物の見方で終わっていただろうが、そんな背景を知ればそうかと納得してしまう。
建築業者のためではなく、子供と日本の将来を真剣に考えてのことと言うからエライ。

このあと調子に乗り、大洲で「おはなはん通り」や「臥龍山荘」(外側だけ)なども見て回った。
こういう息抜きもたまにはいいものです。


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