用語解説

解説文は「古建築辞典」(武井豊治著、理工学社)より引用しています。
歴史的町並みの表情を町割毎に纏めてみましたのでご覧下さい。(北から南に向かって、壱里山町から林町まで順番に並べています。)
壱里山町 富山町  北会所町  南会所町  堺町 (堺筋) 御坊町 林町
親子格子
(おやこごうし)
上部の竪子(たてこ)を間引いて、建物の内部から戸外が見えるようにした格子。
葛原家住宅
厨子二階
(ずしにかい、つしにかい)
塗り屋造りの瓦葺き農家の、天井の低い二階のこと。関西地方に見られる。
葛原家住宅
橋本家住宅

木口家住宅
虫籠窓
(むしこまど)
塗り屋造りで塗り格子を付けた二階の窓をいう。厨子二階の通気孔から発生したと考えられている。町家でも多く用い、文様や商標を形どったものがある。
葛原家住宅
杉田家住宅
橋本家住宅
佐藤家住宅

田守家住宅
持ち送り
(もちおくり)
庇(ひさし)や出窓などのように突出する部分を支えるために、壁や柱などに取り付ける板材や斜め材をいう。
(南)葛原家住宅
(本)奥谷家住宅
(東)奥谷家住宅
袖うだつ (袖壁) 建物から外部へ突き出した壁。民家の二階軒下の両方の妻に突き出した壁は防火の役目をもった。
(南)奥谷家住宅
佐藤家住宅
葭谷家住宅
箱階段 (箱段) 近世の町家や茶屋などに見られる階段であって、踏み板の下に引き出しなど箱状の物入れを設けている。
嶋田家住宅 (桜市)
八棟 (やつむね)造り 入り組んだ平面に千鳥破風などの装飾的要素を加え、城郭建築の影響を受けた複雑な屋根を構成した建築物の呼称。
北野家住宅
(南)奥谷家住宅
表屋 (おもてや)造り 道路に面した店舗部分を軒高の低い造りにして、敷地の奥には面積の大きい居住部分を別棟として、二者を玄関と渡り廊下を含む棟によって結んだコの字形平面の民家。京都地方に見られる。
大阪府有形文化財・仲村家住宅
(かぶと)造り 寄せ棟造りの屋根の妻部分を垂直に切り落として、二階や小屋根に開口部を設けるようにした、養蚕を行なうために発生した造り。山梨県南部に多く見られる。「兜屋根」ともいう。
(本)奥谷家住宅
薬医門
(やくいもん)
2本の本柱・控え柱に、冠木・男梁・女梁・かえる股を組み合わせ、棟木は本柱の柱筋とはずれている独特な架講の門。屋根は切り妻造りまたは入母屋造りとする。
興正寺別院 (こうしょうじべついん)
無双窓
(むそうまど)
鴨居の外に連子板を打ち、内側に連子板を組んだ戸を入れた窓。戸の移動によって開閉する。「無双」とも「無双連子窓」とも「無双戸」ともいう。地元・富田林寺内町では「べかこ窓」とも呼ばれています。
橋本家住宅
(東)奥谷家住宅
花頭窓
(かとうまど)
唐様仏寺の窓として用いられ、上部が火灯l曲線の窓をいう。
興正寺別院 (こうしょうじべついん)
雨蓋瓦
(あまぶたかわら)
隅棟の下方にあって、瓦の接合部を覆う飾り瓦。動物などの飾りをつけたものが多い。留め蓋瓦(とめぶたがわら)ともいう。
興正寺別院 (こうしょうじべついん)
上げ見世 (上げ床机) 框の大きい板戸風の台の一方を蝶番などによって家屋の外部にとりつけ板の部分を水平に倒して折り畳みの脚を立てて用いる装置。縁台、帳場、陳列台などの役割を果たす。
木口家住宅
駒寄せ 町屋の道路に接する面に寄せて設けた牛馬を繋ぐための柵。駒繋ぎ、牛繋ぎなどともいう。後に、人や動物から建物の外壁や建具を保護するための柵に変化した。これを犬垣、犬防ぎ、犬矢来ともいう。
大阪府有形文化財・仲村家住宅
(本)奥谷家住宅
北野家住宅
忍び返し 塀や門の上に、木、鉄、竹など尖ったものを並べて侵入を防ぐ仕掛け。
(南)葛原家住宅

重要文化財・旧杉山家住宅

(本)奥谷家住宅
袖垣 外部空間の仕切り、または目隠しとして設ける垣。竹、萩、黒文字などを用いてつくり、形態や名称が数多くある。
重要文化財・旧杉山家住宅
稚児棟 2段になっている隅棟のうち、軒先に近い短い棟のこと。
(南)葛原家住宅
一の鬼
(いちのおに)
本瓦葺きの寄せ棟造り、入母屋造りの屋根に設ける隅棟を2段階に分け、軒に近い短い部分の「稚児棟(ちごむね)の先端につける鬼瓦」をいう。稚児棟の上部は「二の棟」といい、ふたつの棟の境に付ける鬼瓦を「二の鬼」という。
(南)葛原家住宅
煙出し櫓(越屋根) 囲炉裏などで燃料を燃やしたときに出る煙を、屋外に排出するために棟をまたいでつくる小屋根(越屋根)。
木口家住宅
佐藤家住宅
(本)奥谷家住宅
(東)奥谷家住宅
置き屋根 (鞘組み) 土蔵の屋根に塗った厚い左官材の上に、防火上、下部の小屋根組みと絶縁してのせた合掌組み。左官で作り出した猫石の上に固定して構成する。
田守家住宅
橋本家住宅
吹き放し鐘楼 4本柱だけで壁のない鐘楼。柱は四方転びとし、腰の高さに貫を通した架構。
興正寺別院 (こうしょうじべついん)
浄谷寺(じょうこくじ)
木爪窓
(もっこうまど)
木爪形(爪を輪切りにした紋様)の輪郭の窓。
上野家住宅
木口家住宅
本瓦葺き 桟瓦の出現以前の瓦葺きの材料・工法、すなわち平瓦と丸瓦を交互に並べる瓦葺きのこと。
重要文化財・旧杉山家住宅

葛原家住宅
佐藤家住宅

(本)奥谷家住宅
桟瓦葺き
(さんかわらふき)
桟瓦で葺いた屋根のこと。
歴史的町並みの表情を町割毎に纏めてみましたのでご覧下さい。(北から南に向かって、壱里山町から林町まで順番に並べています。)
壱里山町 富山町  北会所町  南会所町  堺町 (堺筋) 御坊町 林町





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Copyright 2002 by Naoya Okutani , edited in Japan