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富田林寺内町の探訪

江戸時代の町並みが残る寺内町(じないまち)をご紹介します

大阪市内から近鉄電車で富田林駅まで30分。駅から徒歩10分。
ひっそりとした佇まいを残すお寺や町家を巡りながら、お手軽な歴史散歩に出かけてみませんか? 皆様のお越しをお待ちしています。

じないまち訪問記21 2014年5月4日(日)-6日(火)

今年も5月のゴールデンウイークに横浜から富田林寺内町に2泊3日で帰省しました。

54日(日曜日、みどりの日)
初夏を思わせる陽気の晴れの一日。 散策地図を片手に、町並み散歩を楽しむ見学者の方々をたくさんお見かけしました。午後からは、寺内町の南端にある「陶工房飛鳥」と「日和」に立ち寄ってみました。

陶工房飛鳥
20014月オープン。寺内町の町並みに溶け込む老舗の陶器工房。店主手作りの陶器が所狭しとばかりに並ぶ明るい店内では、2014年51日(木)から515日(木)まで期間限定で、「2014 100 CUPS」特別企画が開催されています。100個のカップは、ひとつひとつに趣向を凝らしたこだわりの逸品が展示販売されており、図柄や色合いの組み合わせが目を楽しませてくれます。
 
陶工房飛鳥
 
 
「2014 100 CUPS」特別企画
 
「2014 100 CUPS」特別企画
 
「2014 100 CUPS」特別企画
 
「2014 100 CUPS」特別企画
日和
寺内町の南端。勝間家住宅(OASI, オアジ)の土蔵を利用した和小物のお店です。表通りから少しだけ奥まった目立たない場所にあります。東高野街道沿いの専用の石段を数段登り、土蔵の入口から中を覗いて見ると、民芸調の調度品の棚には陶器などがたくさん並べられています。        
   
   
   
5月5日(月曜日、子どもの日)
朝から生憎の小雨模様で、この時期にしては長袖ジャケットが必要な肌寒い一日となりました。雨の寺内町にはしっとりとした静かな佇まいがありますが、さすがにこの日ばかりは傘を広げて寺内町を見学される人影は疎らな状況でした。

(旧)田中家住宅
国の登録有形文化財になっている(旧)田中家住宅 は、寺内町から西に少しだけ外れた一角にあります。明治時代の民家は平成16年(2004年)に富田林市に寄贈されました。建物は内部の改装や耐震補強工事を終えて、富田林市の公共施設として生まれ変わり一般公開されています。(入場無料)この日は玄関を入った右手の下部屋に、季節に合わせた鎧兜の五月人形が飾られて、彩りを添えていました。

外の日差しが差し込む縁側の格子窓は、日本家屋独特の繊細な親子格子の造形美で、思わず目を奪われてしまいます。さらに、耐震補強工事が施された奥の間には収納と階段を兼ね備えた箱段が残されています。明治後期までの民家の二階部分は現在のような居住空間ではなく、厨子二階と呼ばれる天井高が低い物置きとして利用されていました。季節の変わり目などには、厨子二階にある長持に物の出し入れをする際に、こうした箱段が利用されていました。

今年(2014年)も67日(土)と614日(土)の2日間、第4回石上露子生誕祭が富田林寺内町で企画・開催される予定です。地元の豪商・杉山家に生まれた明治時代の明星派女流歌人・石上露子の生涯を偲ぶイベントです。国登録有形文化財・(旧)田中家住宅でも記念の特別講演会などが企画されています。

ダウンロード 第4回石上露子生誕祭(案内チラシ表)
ダウンロード 第4回石上露子生誕祭(案内チラシ裏)
 
国登録有形文化財・(旧)田中家住宅
 
五月人形
   
 
親子格子
 
箱段
自家焙煎珈琲 平蔵紅梅蔵

珈琲を煎る香ばしい香りに誘われて、北会所町紅梅蔵の中にある自家焙煎の珈琲ショップ・平蔵に立ち寄ってみました。江戸時代に紅梅酒味醂醸造の蔵として利用された旧い建物の内部がカフェになっています。20131月に開店したお店の入口近くには、ひときわ目を引く全面ガラス張りのドイツ式自家焙煎機(日本製)が鎮座しています。この機械のおかげで、このお店で楽しむ珈琲は煎りたての豆の香りとコクが楽しめます。

お店の片隅に目を遣ると、紅梅酒味醂の醸造に使われていた高さ1メートル近くあると思われる大きな陶器の甕が地中に埋まっています。透明のガラス製床板を通して、甕の真上から内部を見ることが出来ます。寺内町散歩の際には、是非立ち寄ってみてください。
 
自家焙煎珈琲 平蔵紅梅蔵
 
自家焙煎機
   
紅梅酒味醂の醸造に使われていた甕(地下)

56日(火曜日、振替休日)

ゴールデンウィークの最終日は、天気が回復して朝から晴れ間が広がりました。ボランティアガイドとして、午前10時から予めお申し込みを頂いていた団体ご一行10名様をじないまち交流館から紅梅蔵城之門筋興正寺別院じないまち展望広場を経て重要文化財・(旧)杉山家住宅まで、約2時間掛けてゆっくりとご案内しました。
   
勝間家住宅(OASI, オアジ)
昼食は寺内町の南端にある勝間家住宅(OASI, オアジ)で本格的イタリアンを楽しみました。門を入った玄関先には、五月人形が飾られています。食器に使われている陶器は、近くの陶工房飛鳥で製作された手作りです。 

(2014年5月7日、管理人@横浜)
   
   
南河内野菜の盛り合わせ
 
地卵を使ったタリアテッレ 河南産朝採りナスのトマトソース
 
泉佐野産犬鳴豚のロースト カリフラワーのソース
じないまち探訪記
じないまち随想 
 ご感想などお便りをお待ちしています。(管理人)


Information


(富田林市提供、禁無断転載)

富田林寺内町までの道順
寺内町へは近鉄長野線富田林駅又は富田林西口駅下車徒歩10分です。先ずはじないまち交流館へお立ち寄りください。

散策地図がもらえます
富田林駅前の観光案内所又はじないまち交流館散策地図がもらえます。

立ち寄ってみたいお店

休憩所(トイレ)
じないまち交流館寺内町センターじないまち展望広場にあります。

車でお越しの方へ
寺内町は道幅が狭く、中には公共駐車場がありません。車でお越しの場合には、2014年2月に新しくオープンした富田林市営東駐車場(有料)をご利用ください。一般用の普通乗用車及び団体用のマイクロバス(1台分、市役所に要事前予約)を駐車できます。重要文化財・旧杉山家住宅まで徒歩5分、じないまち交流館まで徒歩15分。

尚、団体用の大型観光バスでお越しの場合は、富田林市役所にお問い合わせください。宜しくご協力をお願いします。


重要伝統的建造物群保存地区
富田林市富田林町の一部にあたる寺内町は、1997年(平成9年)に国から重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。大阪府下では唯一の指定となっています寺内町にある約500棟の建物の内、江戸時代から昭和初期頃までに建てられた181棟の建造物が伝統的建造物に特定されています。保存地区内において通常道路から見える建物等の外観の現状を変更(増改築、改修、模様替え、色彩の変更、新築、除却など)する時には、予め市教育委員会・文化財保護課に申請して許可を得る必要があります。伝統的民家(町家)は白壁、板塀、格子戸など往時の姿のままに外観の保存・復元・修景作業を終えて、今も人々が生活の場として暮らしながら、素朴で静かな佇まいを今に伝えています。

寺内町の主だった商家には由緒・由来を記した案内板が設けられ、石畳の街路には路面灯を兼ねた道標や案内標識なども整備されています。電信柱の配置や各戸の電気メーターなどもできる限り目立たないような工夫が施されています。

また、寺内町では伝統的な町並み景観に配慮して、新しく建築される建物も周囲の景観に調和した外観となっています。


興正寺別院(富田林御坊)

真宗興正寺派、富田林・寺内町の成立と発展の中心となった寺院です。地元の人からは御坊さん(富田林御坊)として親しまれています。


応永年間(1394-1412年)に毛人谷(えびたに)御坊に草創。 永禄3年(1560年)に京都・興正寺第16世証秀上人が現在地に移建。

城之門筋に表門を開き、鐘楼・鼓楼を構え、本堂・客殿・庫裏などを配する。 表門は桃山調の高いもので、もと伏見城門のひとつが興正寺に寄与されたものをここに移建したと伝えられています。



重要文化財・(旧)杉山家住宅


杉山家は富田林寺内町の創設にかかわった旧家の一つであり、江戸時代は造り酒屋として栄えました。現存する家屋は寺内町で最も古く、江戸時代中期の大規模商家の遺構です。明治時代の明星派女流歌人・石上露子(本名 杉山タカ)の生家でもあります。昭和58年(1983年)国の重要文化財に指定され、富田林市が維持・管理しています。



大阪府有形文化財・仲村家住宅

富田林寺内町のほぼ南端に位置する旧家で、かつては屋号を「佐渡屋」と称し、享保19年(1734年)以降は徳兵衛を名乗ってきました。初代徳右エ門は富田林八人衆の子孫に当たると伝えられる。

旧来の家業は明らかではありませんが、正徳5年(1785年)に酒造株を取得後は、造り酒屋として著しい発展を遂げ、天明5年(1785年)の酒造米高は河内国で最高の2135石に達した。寛政4年(1792年)には江戸市場を対象とした酒造業の理事長に当たる「河内一国江戸積大行司」となった。江戸・徳川家にも献上された。




(南)葛原家住宅・三階蔵

酒造業で栄えた商家。三階蔵は日本に少ない貴重なもので、寺内町のランドマーク的存在。各層に庇を廻し本瓦葺き。妻を表に向けて白壁を際立たせている。年貢米を入れる蔵であった。1854年建築

ボランティア・ガイド




団体でお越しの場合には、地元のボランティア・ガイドによるご案内も可能です。(事前のお申込みが必要)

ガイドのお問い合わせや事前のお申込みは下記のじないまち交流館までお電話ください。


じないまち交流館
〒584-0033
大阪市富田林市富田林町9-29
TEL.0721-26-0110
FAX.0721-26-0110
(午前10時~午後5時、月曜休館、12月28日~1月4日休館)

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