本文へスキップ

富田林寺内町の探訪

江戸時代の町並みが残る寺内町(じないまち)をご紹介します

大阪市内から近鉄電車で富田林駅まで30分。駅から徒歩10分。
ひっそりとした佇まいを残すお寺や町家を巡りながら、お手軽な歴史散歩に出かけてみませんか? 皆様のお越しをお待ちしています。

煌めく寺内町ウーマン~煌めく、感じる、夢を見る 寺内町と女性たち~

大阪府下では唯一、国の伝統的建造物群保存地区に選定されている富田林寺内町の歴史地区で、それぞれのお店を構えておられる女性店主が集まり、「煌く寺内町ウーマン~煌く、感じる、夢を見る 寺内町と女性たち~」と題したパネルディスカッションが開催されました。2015年10月27日に富田林市立中央公民館会議室にて開催されました。。開店までの御苦労話など、これから寺内町でお店を開いてみたいと考えておられる方々にも参考になる内容でした。株式会社インプリージョン様のご協力を得て、パネルディスカッションの抄録を掲載させて頂きました。(2015年11月15日、管理人)
 
富田林市立中央公民館
 
 「煌く寺内町ウーマン~煌く、感じる、夢を見る 寺内町と女性たち~」(パネルディスカッション)

日時:2015年10月27日(火)14時~16時
会場:富田林市立中央図書館2階 公民館ホール(富田林市本町16-28)
入場料:無料
定員:50名(先着順)

パネリスト:
寺内町きっちんあい」店主 今西和子さん
zakka+++marche」店主 渋田りえさん
手仕事と雑貨23番地。」店主 藤原圭子さん
うつわと暮らしの蔵 日和」店主 細田さと子さん
コーディネーター:森なおみ氏
株式会社インプリージョン ツーリズムプロデューサー 大阪ワイナリー協会事務局長)

主催: 富田林市立中央図書館事業「女性の活躍に関する企画」
(企画連携:人権政策課・中央図書館・金剛図書館)

お申し込み・ お問い合わせ先:富田林市中央図書館 電話 0721-25-4921
ダウンロード 「煌く寺内町ウーマン~煌く、感じる、夢を見る 寺内町と女性たち~」(案内チラシ)
 (コーディネーター 森さん) なぜ、寺内町でお店をはじめようと思われたのですか?  

(今西さん)
3年前くらい、最初は、寺内町以外も視野に入れていたのですが、寺内町で店を開く人を募集しているらしいということを耳にし、寺内町をたびたび訪れると、町が非常に良いなと感じ、ぜひ、ここでやってみたいと思った。店をオープンする前にたびたび散策したことも、とても良かったと思う。オープンしてからは、なかなか町を歩き回れないので。町柄か、お客さんがとても優しい方が多いので、初めてでも開業しやすいのではないかと感じている。

(渋田さん)
インターネットで雑貨の卸などをしていたとき、お客さんからの紹介で、「じないまち散歩」に参加したことが切っ掛けで、住みたいほど気に入り、寺内町にお店を出そうと考えるようになった。オープンをするときにも、町の人が非常に親切で、いろいろと助けていただいた。八尾から週末、子どもと寺内町にやってきて、お店の仕事を楽しんでいる。今は、二人目の子どもの出産を機に、産休中ですが、この期間に、次にお店を開ける時は、どんなことをしようか、と作戦を練っているところ。  

(藤原さん)
歴史が好きで、お店を出すなら歴史を感じられるところで、と思っていた。大津市役所の町屋バンクで、ツアーがあるというので、申し込もうと思ったが、タイミングがあわず、自分で、京都や大津などを探してみたがピンとくるところがなかった。そんな時、富田林寺内町の話を聞いて、訪れてみると、ここでお店を出せたらと感じた。それまで、寺内町は知らなかったが、もし、もともと、寺内町を知っていたら、京都や、大津は視野に入れてなかったかもしれないと思う。最初は、紅梅蔵でオープンした。その当時、今のように、お店は沢山なかった。

(聴講者から 陶工房 飛鳥 阪本さん)
15年前、寺内町に工房をオープンした時、寺内町の店舗は2店舗だった。そのうち、1店舗が閉まることになり、自分の店だけが残ることになった。最初は、誰かが、寺内町のロケーションを活かして何かやってくれればいいのに、と思っていたが、そのうち、お店が徐々にできてきて、女性8人が集まり、人任せではなく自分たちで色々なことに取組もうと、今に至っている。

(細田さん)
もともと食器は好きだったが、若い頃、日本酒ブームで日本酒が好きになり、そこから和食器が好きになり、いつかは、お店をやりたいと思うようになり、結婚するときにも、いつかは、お店を出したいという話をしていた。子どもが生まれる頃、富田林に引っ越してきたが、子育てなどもあり、お店を出したいという思いは、あまり、口にしなくなっていた。その頃、子どもを連れて中央図書館によく来ていたので、寺内町を通ることもあり、とても、良いところだとは思っていた。子どもの手が少し離れた時、また、お店をやってみたいという思いが湧いてきた。そのタイミングで、何かの誌面に「寺内町で工房を開きませんか?」という記事を見かけ、その2日後には、寺内町の佐藤さん(LLPまちかつ)と面談をし、勝間家住宅を見て、「ここでやりたい!」と思うようになった。それから、半年後には契約し、お店を出す準備を始めた。
   
 (コーディネーター 森さん) オープンまでの苦労は?  

(今西さん)
定年後にカフェをオープンしようと考え、カフェをオープンするための学校に1年通った。イタリア料理を学んだり、開業のプロセスを教えてもらった。定年まで会社に勤めようと考えていたが、定年まで待ったら、オープンする体力がなくなってしまうのではないか思い、オープンを早めることにした。 古民家は、電気の容量が少なかったので、電気の増設工事をしたが、家の壁の中に配線を通すことができなかったので、店内をカバーを付けた配線がはっている。 飲食店をするには、水道管も足りないという事で、水道工事もしてもらった。 飲食店の居ぬきで借りるのとは違い、いろいろな工事が必要で、すぐに入ることはできない。 オープン直前に、入院をすることになり、退院後、すぐにお店をオープンすることとなってしまった。ありがたいことに、オープン直後から、割とお客さんが来てくれたので、 退院直後だったのに、ゆっくりできなかったが、筋肉痛になったりしながら頑張った。

(渋田さん)
お店をはじめる前の苦労はなかったように思う。今、産休で休んでいる間に、これから、寺内町でお店をつづけていくためには、どうしたらよいかを勉強している。 寺内町に来て分かったことは、夏は暑いのでお客さんが来ない。平日も来ない。ということ。夏は、お店を閉めてしまおうかと思ったりするくらい。 平日に見る寺内町と、週末に見る寺内町は、風景が違うと思う。平日にオープンしているお店は少ない。そんな中、平日でも空いているお店があるとホッとする。 同じ一角にある、緑の小道さんは、平日でも空いていて、いろいろと助けてもらった。 オープン前にも、突然、訪ねて、初対面なのにお店経営の事をあれこれ伺ってしまった。 お店同士がとても仲良く、助け合いがあると感じている。

(聴講者より 緑の小道さん)
当初、私のお店があるところは、同じ建物内に2軒だけで、あとはガレージだったので、これ以上に増えることはないのだろうと思っていたら、ガレージ部分に2店舗入ることになり驚いた。その1店舗が、渋田さんのお店。でも、お店は、何店舗かあった方が、お客さんにとっては良いので、どんどん、増えてほしいと思っている。  

(藤原さん)
最初、寺内町を訪れた時、何もなかった。何もないので、非常に不安もあった。でも、何もないところから、自らが何か発信できるのではないかという気持ちや、たくさんある店に埋もれるよりも良いのではないかという気持ちもあった。 事業計画書を作成して、限りある予算を何とか、上手く使う為にはどうしたら良いかを考えた。計画書を作成してみると切実な問題にもぶち当たる。また、計画は計画で、その通りにいっているとは限らないが、事業計画書は作成して良かったと思っている。寺内町は、観光地でもなく、どちらかというと住宅街。でも、訪れる人は観光に来たという考え。この感覚にズレがある。住んでいる人が多いので、人がワイワイたくさん歩いていることが良いことなのかどうか、という思いもあり、住んでいる人への配慮が必要だと感じている。

(細田さん)
寺内町は、静かな町なので、商売にはならないだろうな、とは思っていたため、併せて、オンライショップも始めた。 開業の少し前には、前職を手伝っていたこともあったため忙しく、開業準備に十分な時間もなく、経験もなく、不安になることもあった。 器は好きだったが、自分で仕入れたことはなく、好きな作家さんを訪ねて、仕事の話をすることが、しんどくて、やめたい、、と思う事もあった。 器をただ売るだけでなく、遠方からでも、「日和」に行きたいと思わせるためには、どうしたら良いかを2年半の間悩んでいた。 いまは、オンラインショップを充実するため、お店を閉めているが、お客さんと直接応対しながらの販売は、とても刺激的だった。また、寺内町の人達との出会いが宝となった。いずれは、寺内町でお店を再開したいと思っており、それに向けて、頑張っている。
 
(今西さん)
今、お料理をお出しするだけではなく、ご要望もあって、料理教室も実施している。子どもさんへの食育にも役立つような形になればと思っている。


(渋田さん)
産休中、1年間は子育てに専念したいと思っている。寺内町の方々が、早く戻っておいでと言ってくれるのが嬉しい。今は、早くそうしたいと思っている。 少し、お店から離れたからこそ、気付いたこともあるので、それを形にしていきたいと考えている。  

(藤原さん) 
今は、日々のことで精一杯だなと思っている。明日から企画展を開催するが、企画展は準備が大変。でも、寺内町には季節ごとにたくさんのイベントがあるので、それらに合わせて段取りよく、企画展も開催していきたいと思っている。
まだまだ、胸をはって、店をやっているんです、と言えるところまでは来ていないので、これからは胸をはって言えるようになっていきたい。    

(細田さん)
今は、オンラインショップを手伝ってくれる人と2人で進めている。寺内町で、対面販売していた時の楽しさをオンラインショップでも表現したいと思い頑張っている。 数年後50代となる。自分の生き方を見直す時だと思っている。仕事と共に、どう生きていくかも考えていきたいと思っている。  

(コーディネーター森さん)
これから、寺内町で何かをしたいと考えている人にアドバイスは?
(今西さん) 自分で、「したい」と思ったことは、絶対に、その時した方がよいと思う。あの時、しておいたら良かった・・・と後悔しても、もうできないので。勢いも大切。

( 渋田さん)
失敗を恐れず、まず、やってみなさい、と子どもに言っている。お金の面では、ぎりぎりでも、やったことによって残るもの、ことがたくさんあると思う。

(藤原さん)
水曜日、木曜日の寺内町を歩き、現実を見て覚悟を決める!お店を続けるための貯金も必要かな(笑)

(細田さん) 家族がいると、いつどこでどんなことがあるか分からない。私も、それがきっかけで、一度立ち止まってみようと決めた。 商売は難しい。私は、思いつきで2年前に始めた。でも、その時に始めていなければ、今も、やっていないと思うし、準備万端整えたら始めたか、というと、きっと、それでもやっていないと思う。 やはり、小さなきっかけであれ、何かタイミングがあるなら、チャレンジしてみるべきではないかと思う。

(聴講者より 桑平さん
寺内町には、失敗しても、また戻ってこれる雰囲気もあり、いつかここに戻りたいと思わせる場所。 5年後の寺内町について、店主で話したいと思っている。今は過渡期。2020年の寺内町はどうなっていたいかを考える5年間にしたい。

(聴講者より 中林さん
寺内町にお嫁に来て、昭和57年から30年間は、駅前で商売をしていた。そこから、陶工房飛鳥の阪本さんからの声かけで、もとの場所に戻って商売しようという気持ちになった。その頃の寺内町は、ゴーストタウンのように感じていた。 今は、お店も増え、四季折々のイベントも多彩になり、来場者も増えている。 その、四季折々のイベントに合わせ、来場者に、どのように店が、取り組んでいるかを表現することが必要だと感じている。 今は、良いものであれば、インターネットを見て、お客さんの方から探して来てくれる、良い時代になっていると思う。 できれば、これからは、寺内町に住んで、商いをしてくれる人が増えて欲しい。

(コーディネーター 森さん)
 まちづくりは人づくり。寺内町ではだれもが主役になれる町であると思う。 これからも、煌めく女性たちが寺内町をつくり、寺内町は人と共に、さらに成長していくのだと思う。    
   
 □聴講者よりの質問  mame-ten-cafeさん) 寺内町で、毎日、楽しくパンを作らせてもらっているのだが、たまに、モチベーションが下がるときがある。その時をどう乗り切っているか聞きたい。

 ( 今西さん)
お客さんが全く来なかった、少なかったというときは気持ちが下がることもあるが、そういう日も当然あると思って、そういうときにこそできることを蓄えておいて、お客さんの少ない日には片づけている。 SNSの勉強をして、情報発信するなど、モチベーションを下げずに切り替えている。

(渋田さん)
日影がない夏は暑い。そんな時は、たまに・・・。でも、モチベーションが下がることはあまりない。他の店主さんと話したり、近所の人と話したりして元気をもらっている。  

(藤原さん) 店頭業務以外にもすることがたくさんあるので、それを片付けたりしていると、一日が、すぐ終わる。そして、そういう日は、早く寝る! または、計画していたことを前倒しにして済ませてしまえたりすると、気持ちがスッキリする。

細田さん)
店頭にいて、モチベーションが下がるときは、オンラインショップの作業をしたりして、気持ちを切り替えていた


Information



(富田林市提供、禁無断転載)

重要文化財・(旧)杉山家住宅

杉山家は富田林寺内町の創設にかかわった旧家の一つであり、江戸時代は造り酒屋として栄えました。現存する家屋は寺内町で最も古く、江戸時代中期の大規模商家の遺構です。明治時代の明星派女流歌人・石上露子(本名 杉山タカ)の生家でもあります。昭和58年(1983年)国の重要文化財に指定され、富田林市が維持・管理しています。

富田林寺内町への道順
寺内町へは近鉄長野線富田林駅又は富田林西口駅下車徒歩10分です。先ずはじないまち交流館へお立ち寄りください。

散策地図がもらえます
富田林駅前の観光案内所又はじないまち交流館散策地図がもらえます。

立ち寄ってみたいお店

休憩所(トイレ)
じないまち交流館寺内町センターじないまち展望広場にあります。

車でお越しの方へ
寺内町は道幅が狭く、中には公共駐車場がありません。車でお越しの場合には、2014年2月に新しくオープンした富田林市営東駐車場(有料)をご利用ください。一般用の普通乗用車及び団体用のマイクロバス(1台分、市役所に要事前予約)を駐車できます。西方寺の斜め向かいに位置し、重要文化財・旧杉山家住宅まで徒歩5分、じないまち交流館まで徒歩15分。

尚、団体用の大型観光バスでお越しの際は、富田林市役所にお問い合わせください。宜しくご協力お願いします。

ボランティア・ガイド


団体でお越しの場合には、地元のボランティア・ガイドによるご案内も可能です。(事前のお申込みが必要)

ガイドのお問い合わせや事前のお申込みは下記のじないまち交流館までお電話ください。


じないまち交流館
〒584-0033
大阪市富田林市富田林町9-29
TEL.0721-26-0110
FAX.0721-26-0110
(午前10時~午後5時、月曜休館)

 立ち寄ってみたいお店
 寺内町の町割(都市計画)
 城之門筋(日本の道百選)
 壱里山町
 富山町(とみやまちょう)
 北会所町
 南会所町
 堺町(堺筋)
 御坊町
 林町
 寺内町の入り口
 東高野街道
 重要文化財・興正寺別院
 重要文化財・(旧)杉山家住宅
 寺内町の建築様式
 屋根・屋根瓦
 虫籠窓
 格子窓
 土蔵
 煙だしの越屋根
 鐘馗さん(魔除けの瓦人形)
 袖うだつ
 歴史的建造物一覧(寺院・町家)
 歴史的町並み保存の歩み
 歴史的町並み景観の整備・保全
 歴史逸話
 明星派女流歌人・石上露子
 寺内町せんべい
 Art Gallery
 Books(寺内町関連の書籍)
じないまち瓦版(富田林寺内町をまもりそだてる会会報)
 じないまちボランティアガイド
 地域活性化への取り組み
 じないまち探訪記(管理人)
 じないまち随想(管理人)
 参考資料一覧
 Link

ナビゲーション