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富田林寺内町の探訪

江戸時代の町並みが残る寺内町(じないまち)をご紹介します

大阪市内から近鉄電車で富田林駅まで30分。駅から徒歩10分。
ひっそりとした佇まいを残すお寺や町家を巡りながら、お手軽な歴史散歩に出かけてみませんか? 皆様のお越しをお待ちしています。

じないまち訪問記23 2014年6月14日(土)寺内町モニターツアー

2014614日(土)。
梅雨の合い間の晴れ間に恵まれ、汗ばむような一日になりました。

この日は、寺内町の第4回石上露子生誕祭(富田林市教育委員会、一般社団法人露香会共催)の開催に合わせて、寺内町モニターツアーが企画されました。ツアー参加者は総勢 27名。ツアーは 「農と食とまちづくり推進協議会」が企画し、募集・催行 は「JTB西日本」が行いました。当日の現地ガイドを管理人が務めさせて頂きました。

ご見学のコースですが、午前10時半に近鉄富田林駅南口集合後、芦田書店本町公園重要文化財・旧杉山家住宅(明治の女流歌人・石上露子の生家)、大阪府有形文化財・仲村家住宅じないまち交流館(昼食)、城之門筋紅梅蔵葛原家住宅(南)葛原家住宅恋文薬師田守家住宅杉田家住宅鍾馗さん)、重要文化財・興正寺別院の順に徒歩で町並みを巡りました。(行程の所要時間は約3時間45分、昼食・休憩時間を含みます。)

ダウンロード 2014年6月14日(土)じないまちガイドツアー

2014615管理人@横浜
 
芦田書店(本町商店街)
 
本町公園
 
本町公園
先ずは、富田林駅南口から直ぐの本町商店街で芦田書店の店頭に並ぶ「石上露子集」(松村緑著、中公文庫)再版増刷のご紹介しました。この本はそれまで絶版になっていましたが、芦田書店のご店主の熱意で、2004年に再版が実現しました。 

本町公園内にある石上露子1882年ー1959年)の歌碑の前では、石碑に刻まれた反戦歌が詠まれた日露戦争当時の時代背景や、南河内随一の豪商・杉山家に生まれた石上露子の波瀾万丈の人生についてお話しました。 因みに、本町公園には、富田林ゆかりの作家・織田作之助(1913年ー1947年)の記念碑もあります。絶筆となった連載小説「土曜夫人」は、富田林の実姉の家で過ごした際の作品です。織田作之助の代表作品としては、「夫婦善哉」が有名です。大阪ミナミの千日前にある法善寺横丁。水掛け不動尊の前には「夫婦善哉」の題名にもなったお汁粉屋さんがあります。
 
重要文化財・旧杉山家住宅
 
生誕祭・献花セレモニー
さて、重要文化財・旧杉山家住宅では、店の間、仏間に於いて、611日の誕生日に因んだ第4回石上露子生誕祭(富田林市教育委員会、一般社団法人露香会共催)のハイライトである白菊の献花、献茶、そして石上露子の代表的作品「小板橋」の詩を箏曲として琴の音色で演奏されました。玄関先から続く母屋の土間には、セレモニーを見学する多くの来訪者が集まり、厳かな雰囲気の中で生誕祭の進行を見守りました。

ダウンロード 第4回石上露子生誕祭(案内チラシ表)
ダウンロード 第4回石上露子生誕祭(案内チラシ裏)
 
じないまち交流館(2階)
 
商家膳(モニターツアー)
モニターツアーのもうひとつの目玉である昼食は、じないまち交流館の二階和室で寺内町の旧家・仲村家に伝わる日記から、江戸時代の商家膳の献立を参考にして再現した特製の仕出し弁当を味わいました。このモニターツアーのために、地元の料理屋・朝日屋で特別に用意された商家膳の献立の詳細は以下の通りです。 

(献立リスト、朝日屋)
ホッケ塩焼き、酢取り花茗荷、南京、茄子、三度豆、人参、出汁巻き卵、若鳥鍬焼、丸十栂尾煮、キンピラ蓮根、枝豆、おから、海老、小芋、白だつ、信田巻き、ひじき煮、海老天ぷら、獅子唐、漬物色々、古代米御飯、お吸物
 
奥谷家住宅 紫陽花めぐり
 
田守家住宅 紫陽花めぐり
 
日本の道百選・城之門筋(撮影:中井隆洋様)
 
田守家住宅(撮影:中井隆洋様)
昼食後は、再び寺内町の町歩きに出掛けました。寺内町のメインストリート・城之門筋を北から南に歩き、途中の佐藤家住宅紅梅蔵では、地中に埋まった味醂醸造用に使われていた大きな甕を見たり、南会所町の恋文薬師にも立ち寄りました。家々の玄関先などには、紫陽花が飾られていました。若い男女の恋文を集めて塗り固められたと伝わる薬師如来本尊に向かい、全員で恋愛成就を願いました。7月にはこのお堂で薬師大祭が催される予定です。
 
重要文化財・興正寺別院
 
モニターツアーご参加の皆様(撮影:中井隆洋様)
 
重要文化財・興正寺別院 御成門(勅使門)
(撮影:中井隆洋様)
 
重要文化財・興正寺別院 本堂内陣
(撮影:中井隆洋様)
先月、新たに国の重要文化財に指定されることが決まった興正寺別院では、本堂前で記念撮影後、本堂に上がり、狩野派の絵師によって描かれた松竹梅の障壁画、欄間彫刻や蛙股(中国の二十四孝を彫刻で表現)など江戸時代の造作についてご説明しました。モニターツアーは、午後2時過ぎに興正寺別院見学終了後、現地にて散会となりました。モニターツアーご参加の皆様、暑い日差しの中、町並み散策お疲れ様でした。
 
文学講演会(旧・田中家住宅
 
文学講演会(旧・田中家住宅
午後2時半からは、旧・田中家住宅を会場に石上露子にまつわる文学公演会(富田林市教育委員会、一般社団法人露香会共催)が開催されました。座敷には多くの来場者がところ狭しと集い、資料とスライド上映を見ながら、講師の宮本正章様、奥村和子様から、石上露子が実妹・きよ子に宛てた何通もの手紙を題材に研究成果のご発表を伺いました。この夕べには、重要文化財・(旧)杉山家住宅を会場に黄昏コンサートも催されました。

2014615管理人@横浜
 
(南)奥谷家住宅 紫陽花めぐり
 
田守家住宅 紫陽花めぐり

新しくオープンしたカフェ・栞(中央商店街)
 
新しくオープンしたカフェ・栞(中央商店街)
じないまち探訪記
じないまち随想 
 ご感想などお便りをお待ちしています。(管理人)


Information


(富田林市提供、禁無断転載)

富田林寺内町までの道順
寺内町へは近鉄長野線富田林駅又は富田林西口駅下車徒歩10分です。先ずはじないまち交流館へお立ち寄りください。

散策地図がもらえます
富田林駅前の観光案内所又はじないまち交流館散策地図がもらえます。

立ち寄ってみたいお店

休憩所(トイレ)
じないまち交流館寺内町センターじないまち展望広場にあります。

車でお越しの方へ
寺内町は道幅が狭く、中には公共駐車場がありません。車でお越しの場合には、2014年2月に新しくオープンした富田林市営東駐車場(有料)をご利用ください。一般用の普通乗用車及び団体用のマイクロバス(1台分、市役所に要事前予約)を駐車できます。重要文化財・旧杉山家住宅まで徒歩5分、じないまち交流館まで徒歩15分。

尚、団体用の大型観光バスでお越しの場合は、富田林市役所にお問い合わせください。宜しくご協力をお願いします。


重要伝統的建造物群保存地区
富田林市富田林町の一部にあたる寺内町は、1997年(平成9年)に国から重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。大阪府下では唯一の指定となっています寺内町にある約500棟の建物の内、江戸時代から昭和初期頃までに建てられた181棟の建造物が伝統的建造物に特定されています。保存地区内において通常道路から見える建物等の外観の現状を変更(増改築、改修、模様替え、色彩の変更、新築、除却など)する時には、予め市教育委員会・文化財保護課に申請して許可を得る必要があります。伝統的民家(町家)は白壁、板塀、格子戸など往時の姿のままに外観の保存・復元・修景作業を終えて、今も人々が生活の場として暮らしながら、素朴で静かな佇まいを今に伝えています。

寺内町の主だった商家には由緒・由来を記した案内板が設けられ、石畳の街路には路面灯を兼ねた道標や案内標識なども整備されています。電信柱の配置や各戸の電気メーターなどもできる限り目立たないような工夫が施されています。

また、寺内町では伝統的な町並み景観に配慮して、新しく建築される建物も周囲の景観に調和した外観となっています。


興正寺別院(富田林御坊)

真宗興正寺派、富田林・寺内町の成立と発展の中心となった寺院です。地元の人からは御坊さん(富田林御坊)として親しまれています。


応永年間(1394-1412年)に毛人谷(えびたに)御坊に草創。 永禄3年(1560年)に京都・興正寺第16世証秀上人が現在地に移建。

城之門筋に表門を開き、鐘楼・鼓楼を構え、本堂・客殿・庫裏などを配する。 表門は桃山調の高いもので、もと伏見城門のひとつが興正寺に寄与されたものをここに移建したと伝えられています。

ボランティア・ガイド




団体でお越しの場合には、地元のボランティア・ガイドによるご案内も可能です。(事前のお申込みが必要)

ガイドのお問い合わせや事前のお申込みは下記のじないまち交流館までお電話ください。


じないまち交流館
〒584-0033
大阪市富田林市富田林町9-29
TEL.0721-26-0110
FAX.0721-26-0110
(午前10時~午後5時、月曜休館、12月28日~1月4日休館)

 立ち寄ってみたいお店
 寺内町の町割(都市計画)
 城之門筋(日本の道百選)
 寺内町の入り口
 東高野街道
 重要文化財・(旧)杉山家住宅
 寺内町の建築様式
 歴史的建造物一覧(寺院・町家)
 歴史的町並み保存の歩み
 歴史的町並み景観の整備・保全

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