白い古書、ぞっき本も、時を経て読むと面白いものです。 |
今月の一冊は、これ! |
「バックパッキングについて語ろう」から〈アパラチアン・トレイルで出会ったバックパッカーたち〉 |
企画製作:木滑良久・石川次郎 今回は、前々回の「社報北酒連 北海道100年記念号」と一緒に詰め込まれていた古雑誌をご紹介したいと思います。「catalog 1975」は別冊週刊読売6月増刊号として5月に発売されました。71年にスチュアート・ブランド企画編集の「最後の全地球カタログ」がベストセラーとなり、74年には「全地球カタログ・エピローグ」が出てカタログ本人気に沸いていた時期であり、翌年に建国200年を迎えるアメリカ人気を当て込んでの日本版カタログ本と言ったところでしょうか。この後、12月に「Made in U.S.A-2 Scrapbook of America 1976」が12月増刊号として発行されました。 74年8月にニクソン米大統領がウォーターゲート事件で辞任し、75年4月30日にはサイゴン陥落と、アメリカに暗い影が差し始めてもなお日本の若者のアメリカ人気は健在でした。「最後の全地球カタログ」掲載品目は、@道具として役立つA独学に役立つB良質である、または安いC郵便で入手可能――である点を条件にしていますが、日本版は条件無視。若者憧れのアメリカン・グッズ満載といった体裁の本になっています。 カタログ本ですから、内容紹介は不要。こんな本こそ、目次を読むだけで十二分に内容を想像して頂けると思います。 ☆ ☆ ☆ Made in U.S.A catalog 1975 《表紙に書かれていること》 ニューヨーク、コロラド、カリフォルニアに現地取材/ナイフからキャンピングカーまで――若者にうけているアメリカ製品の本/男にとって〈道具〉とは何か考えよう たとえば、ジーンズ1本、ハンマーひとつとってみてもアメリカのモノにはアメリカ人のモノに対するココロが生きているのです★来年は合衆国独立200年 世界でいちばん気になる国アメリカをより理解するための特別企画なのです★地図つきショッピング・ガイド アメリカ製品の上手な買い方のコツもお教えします★この本を見ているだけで本物とは何かが自然にわかってきます/世界最大のワイルド・ショップ、ニューヨークの“HUDSON'S”'75年版カタログ全掲載/男だったら年令に関係なく大よろこびは確実。日本にはないような珍しいものが沢山あるのです。 服★ワークブーツ★スポーツ用品★ハードウエア★楽器★家具★自動車など3000点以上徹底取材しました 《目次》 Men's 男が着るアメリカの服/Sports アメリカのスポーツ用具/Work 働きもののアメリカ人/Wilderness 大自然の中に生きる/Music 生活必需品としての音楽/Living 人間的に暮すための道具類/Craft 若者に受けている手作りの店/Hobby 余暇を大切にするアメリカ人/Travel 旅―アメリカ式移動法/Art 種類も豊富なアート用品/Two Wheeling 自転車、オートバイなどの二輪/SHOPPING USA アメリカ買い物旅行14ページ真心ガイド/とじこみ付録 ハドソンズ1975年版カタログ ☆ ☆ ☆ Made in U.S.A-2 Scrapbook of America 1976 《表紙に書かれていること》 ニューヨーク、ニューイングランド、ノースカロライナ、カリフォルニアに現地取材/アメリカのスクラップ・ブック/いまのアメリカの若い世代は何を考えているのか/合衆国の各地方を歩きながらスクラップした、街のくらし、ワイルドライフなど日本にはない興味ある情報がいっぱい/アメリカの若者たちの行動を通して我々の未来について考える本 《目次》 24時間営業、年中無休のアウトドア用品店/アメリカの若者はなぜ背負うのか?/若者たちの足は2輪だ/ニューヨークのソーホーに見る若者の街づくり/大都会のなかでやるスポーツ/フリスビーについて研究してみよう/カントリー・ミュージックがなぜはやる/ハンド・メイド・USA/ジョージアの田舎のスクール・マガジンが全米に大きな波紋を起こしたのは、なぜだろう?/レザーはヘビー・デューティーが本格/T−シャツ・コミュニケーション時代/アメリカの学園都市/労働用衣類が若者の心をとらえてしまっている/アース・ブーブメント/お金をかけずファッションを楽しむリサイクルの知恵/バックパッキングについて語ろう/男のためのナイフ/いろいろに利用できる船具類/アメリカでは家はいくらで買えるのか?/自動車用品のスーパー・マーケット/アメリカに於ける若者ストリート研究/ヒッチハイキング/時代を越えた良い物を愛するということ/パトリックとケリーの家/ニューイングランドの田舎でみつけたホーム・セール/街の生活はイヤだ。僕は田舎に帰ってきた/ウッドストックは〈手づくり文化〉の中心地だ/部屋の中に植物を置く、これはもう常識だ/日常の生活をそっくり運んでしまうオートキャンピング/人間には〈広場〉というものが必要だ/アメリカのボーイ・スカウトとスカウト・ショップ/サンフランシスコ・コンシューマー・アクション/合衆国建国200周年にまつわる話/いまのアメリカ合衆国について知っておきたいいくつかの事柄/アメリカの出版物に学ぶニュー・ライフスタイル |