表題

日英日翻訳のコーナーです。当コーナーでは様々な日本語文章を翻訳ソフトで英語に翻訳させ、さらにその結果を日本語に翻訳することでどの程度原文と変化するのかを見ていきます。
さあ、あの有名な文章はどう翻訳されるのか!?

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翻訳結果の(まじめな)批評
歴史教科書1 翻訳アダプタII
CROSSROAD Ver3.0
Excite翻訳 ATLAS翻訳    
今回は歴史の教科書の一部を翻訳させた。長文が多いため、主語や時間関係のズレが出ないかどうかがポイントとなる。
翻訳アダプタとExciteを比べてみると、Exciteが比較的元の文章の意味が分かるのに対して、翻訳アダプタは意味が分からなくなってしまった。また翻訳アダプタは長い文章が翻訳不能文となってしまった。ATLASは全文を訳しているものの、安土城を築く作戦で武田勝頼軍を倒すといったように、物事がバラバラになっている。Exciteの方はAzutiキャッスルなどの面白い表現もある。
もう一つの焦点が人名である。武田勝頼の場合、翻訳アダプタもExciteも「Takeda 勝頼」である。一方ATLASは「竹田」と漢字が間違っている。「毛利氏」は翻訳アダプタで「hair profit」となり、Exciteでは英語で「Mr.Mori」となり日本語に戻したとき「森氏」と別人になってしまっている。翻訳アダプタは人名を無理矢理英語にするのが好きなようで豊臣秀吉が「豊臣秀 luckiness」としたり、徳川家康を「virtue river house 康」としている。年号である天正も「heaven's being positive」である。Exciteは英語翻訳の際、無理矢理英語に直す事はなくそのままローマ字表記にしているが、日本語に戻すときもローマ字のままであるのは残念だ。ATLASは「毛利氏討伐」が「Mori征服さん」となっているなど、正確さにかける。一方「本能寺の変」が訳せているのはすばらしい。 結果として、翻訳ソフトに人名は難しいようである。
走れメロス1 翻訳アダプタII
CROSSROAD Ver3.0
Excite翻訳 ATLAS翻訳    
小説なので翻訳しやすいかと思われたが、どの翻訳ツールでもおかしな訳が多い。特に長い文は原形をとどめないほど変形している物もある。 また、「十六の、内気な妹〜」を「16歳の内気な妹〜」という意味だと読みとるのは無理があったのか、16人の妹となってしまうの事があるのは笑えてしまう。
その他、Exciteでは牧人を「まきひと」という人名に、都の大路が「東京大通り」に、セリヌンティウスは「競りヌンティウス」と思われたのか「オークションNUNTIUSU」となるなど、誤訳が見られる。翻訳アダプタIIはある程度元の意味が読みとれることも多いが、文章として変な物も多い。ATLASでは、一牧人の事だろうか、「Hagemehagemenin」という人が出てきている(なんじゃそりゃ)。老爺は「Rougege」、王は人を殺しますというのは、「キングは人を殺します」という格好いい言い方に変わっている。キングはそのままキングと訳すようだ。また「首を振って答えなかった」は「首を震動させて、答えませんでした。」となった。首を振動させるとは、何とも怪しい若い衆になってしまった。
走れメロス2 翻訳アダプタII
CROSSROAD Ver3.0
Excite翻訳 ATLAS翻訳    
 走れメロスの続きである。
 翻訳アダプタIIはどうも心を心臓と訳すらしい。「乱心」は「反乱心臓」となるし、「人の心臓はあてにならない」らしい。ディオニスを前にして「人々の忠誠でさえ疑っていることに王がいるかもしれません。」と未だ断定していない。「メロスは王の前で抜き取られ」たらしい。このように意味がおかしくなっているところがいくつも見られる。
 次に、Exciteはどうだろう。前々から、カタカナにしようとする傾向が見られたが、今回も「コマンドが抵抗される場合、それはクロスに適用され殺されるでしょう。」となっている。格好いい言い方のような、格好悪いような。「それは今日6人によって殺されました。」と殺す人と殺される人が逆転している。また、「捕縛(ed)」や「憫笑(ed)」と日本語に無理矢理edを付けて過去形にしようとするのはどうかと思う。暴君ディオニスは、何と英語に訳す際に「暴 Mr. day ONISU」となり、誰だそれはという感じだ。「おまえがか?」が「私」になっているのもよく分からない。「ほっと溜息をついた」も「ほっおよび嘆息を付けました」となった。話の流れが変わってしまいそうである。
 ATLASは1行目から「なぜ殺すのだ」が「Kill why」になって「理由を殺してください」となるという、すさまじい変換を見せてくれた。「御自身のお世嗣を」が「法定推定相続人」と随分機械的な(?)言い方になっている。「乱心」は「損している心」だそうだ。どうも乱心は変換しにくいらしい。「「都市は暴君の手から救われます」と言って、Merosは悪に答えました」は一見すばらしい訳を見せてくれているようだが、よく見ると「悪びれず」が「悪に」になっている。間違えた訳と言えるが、それでも意味が通っているのがおもしろい。「王は、憫笑した」は「King is Wara.」となり「キングは和良です。」となった。最初、訳の和良を見たとき、これは何か想像出来なかった。
NEC Lavieカタログ
2004年春モデル Lavie Cのページ
(6〜7ページ)
翻訳アダプタII
CROSSROAD Ver3.0
Excite翻訳 ATLAS翻訳    
 パソコンのカタログからである。今回は2004年春モデルのNEC Lavieカタログの中からLavie Cのページを使った。パソコンの説明文であるため、専門用語も多数出てくる。また、「エクセレントシャインビュー液晶」のように会社ごとで独自の名称を使っている場合もある。この辺りがどの程度正しく翻訳できるかがポイントとなる。それでは各ソフトごとに順に見てゆこう。

 まずは、Exciteはどうだろう。「エクセレントシャインビュー液晶」「ナチュラルファイン液晶」はそれぞれ「優れた光視界液晶」「自然な素晴らしい液晶」となっている。なかなか格好いい言い方である。デジタルを「ディジタル」にするところにも、なにやらこだわりを感じる。「メモリスティック」は「メモリ杖」となっており、随分イメージが異なる。一方で「「セカンドハードディスク」(別売)」を「第2のハードディスク」(オプション)」と訳せているのはなかなかである。
 やはり、専門用語の翻訳は難しいようである。例えば、ATLASでは有線LANの規格である「100BASE-TX」を「100BASE-テキサス」、「SDメモリーカード」は「サウスダコタメモリカード」と訳してしまった。どうも地名好きである。また、「シリアルコネクタ」は「穀物コネクタ」と訳している。穀物コネクタ……想像すると笑えてしまう。その他、「Ckkiriを表示することができます」と「クッキリ」を「Clliri」とするのはかなり無理があるといえる。
 「翻訳アダプタII」では、「高速なグラフィックアクセレータにより、9.0の9600に対応していたATI Inc.にされる最新のものDiectX MOBILITY RADEON DVDビデオとインターネットを流すと……」と「DirectX 9.0」と「MOBILITY RADEON 9600」「DVD」「インターネット」等の用語がバラバラになってくっついてしまっている。他にも意味の通じない文になっている所も多い。例えば「1,600×1,200」が「1、600×1、および200」となっている。また、「光デジタルオーディオ出力」は「light」の意味を取り間違ったのか「軽いデジタルの音声出力」になってしまっているし、「セカンドハードディスク」が「2塁ハードディスク」になっている。これはかなりひどい間違いだ。一方で「5,400回転/分」を「5400r/min」と意味上は正しく訳せているのは、翻訳アダプタIIだけだ。ちなみに「メモリースティック」は「メモリー棒」となってしまっている。たしかにそうなのだが、メモリー棒と言われても実感がわかない。最もひどいのは「タイピング」が「タイping」になっている事だろう(しかもタイの英語訳は「Thai」なので国名の「タイ」の事のようである)。
走れメロス3 翻訳アダプタII
CROSSROAD Ver3.0
Excite翻訳 ATLAS翻訳    
 走れメロスの第3弾である。相変わらずおかしな所がある。
 例えば翻訳アダプタII。「人の胃綿の底は透明で、ワシになりません。」は何となく気持ち悪い。「それは祈りの時に長いライフなどのための神に決められて、それはそうではありません。」は意味が分からないし、「メロスは必死で、どうしてもと言いました。」は言い方が可愛くなっている気がする。「妹は私のリターンを待っています。」は何カッコつけているんだ!と言いたくなる。一方で「幼年期の友人、セリヌンティウスは、真夜中、王城に呼ばれました。」は「竹馬の友」や「召された」が正しく訳せている事に驚いた。
 続いてExcite翻訳を見てみよう。「下賤の者」が「より低い賤の人」になっているのは本来の意味が取れているとは思えない。しかも括弧付きである。「生命リクエスト」という単語も気になる。「メロスは必死で言い張った。」が「MEROSUは絶望的でした。また、それはそれを主張しました。」と勝手に絶望している事にしている。セリヌンティウスを「オークションNUNTIUSU」とするのは相変わらずだ。「ゆる(ed)」や「わ(ing)」のように、カッコの中に「ed」や「ing」を入れる傾向にあるようだ。
 ATLAS翻訳も似たり寄ったりだ。「だまれ、下賤の者」が「まれの人と卑劣」になっているのは、間の英文に「rare」が入っている事からも、だまれの部分を「まれ」と取ったらしい。「私は、きちんと死ぬ解決であり、塗装されて、存在します。」も意味が分かるようでかなり怪しい。「1人の妹だけが亭主を持ちたがっています。」は他にも妹がいるが、一人だけが亭主を持ちたがっているような表現だ。意味深である。一方で「嗄れた」や「北叟笑んだ」が正確に訳せているのは感動である。「遅れるとき、私は確実に代用品をだめにするつもりです。」は何となく緊張感がない。セリヌンティウスは身代わりではなく代用品だそうである。
走れメロス4 翻訳アダプタII
CROSSROAD Ver3.0
Excite翻訳 ATLAS翻訳    
 翻訳アダプタIIは、「羊群の番」を「羊グループの回転」となっているし、「それは兄 有毒である」という強烈な訳もある。「日没までには、まだ十分の時が在る。」が「日没に10分の時間があります。」になっており、もう間に合わない状況だ。また、英訳したときのtheの位置がおかしいのか「それは"都市をtheの職業に残していました。」や「相互のさまさでは、the"装備はそうではありません。」の様に、theが残ったままになることがあるのは問題有りだ。
 Excite翻訳は「(質問を)浴びせた」は「騒々しく砲撃」と訳されて過激になっているし、「神HEの宣言」など意味が分からない訳は多い。また「そうして、少し事情があるから、結婚式を明日にしてくれ、と頼んだ。」を「その後、いくつかの状況があったので、それはキャリーが明日の終了までに結婚式を追い出すように求めました。」となっており、キャリーとは誰だ?と思わされる強烈な訳もある。「私はもち眠りたい。」という「もち」は「もちろん」の略なのかも疑問だ。「身仕度は出来た。」が「服は完成しました。」と、なぜか服を作っていることになっている。
 ATLASは相変わらず「16人のMeros妹」と妹を16人にするのが好きらしい。また、「妹は頬をあからめた」は「彼女のほおを見て妹は顔を赤らめました」になっており、妹は一体誰の頬を見たのだろう。「ここにいたいと思った」は「苦痛であると思いました」と「いたい」を間違えてしまったらしい。「疲れるようになったのでちょっと受信して、眠りたいと思います。」というのは、何を受信してから眠るのだろうか。メールだろうか?「もう一つ、メロスの弟になったことを誇ってくれ」は「別のものの弟になって、Merosを誇ってください」となっており、主語も意味もめちゃくちゃである。
走れメロス5 翻訳アダプタII
CROSSROAD Ver3.0
Excite翻訳 ATLAS翻訳 infoseek翻訳  
 今回より、Exciteでの翻訳結果がATLASと同じ結果になってしまったため、Exciteでの翻訳は中止いたします。代わりに、infoseekでの翻訳結果を掲載いたします。

 今回、翻訳アダプタIIははじめの方で優秀なところが見られた。「奸佞邪智」を「黒いよこしまな知性」と比較的意味の分かる翻訳となっている。一方で、「殺される『為に』走るのだ。」を「殺される『ように』走ります」となり、どのように走るのか気になるような翻訳になっている。また、「ヤングメロスはかたかった。」という意味不明な文もある。一文が細切れになり意味不明なものもある。「山の水場所のソースが氾濫し」とか「どろどろのストリーム迅速さ」「それのストロークで橋が破壊される」「どのように橋数字を木葉原子に飛行していたかの音」などである。「体のパワーをアームにチャージ」もそうだが、なぜか英単語をそのままカタカナにしただけのものが目立つ。
 ATLASは相変わらずセリヌンティウスは「代用品」であるらしい。「所有物ダンス」といった元が分からない翻訳結果もあるし、「彼は茫然と、立ちすくんだ。」が「彼は空に石化しました。」になったり「時は刻々に過ぎて行きます。」が「時に刻々通ります。」となるなど、意味にずれが発生しているものも多い。「中傷ブヨ」も気になる単語だ。「「私」、欠乏、人生。それ…」は何となく悲しみが感じられる。
 初登場のinfoseek翻訳はATLAS同様セリヌンティウスを「代用品」にしてしまっている。また、「さらば(故国)。」など、括弧を多用する傾向にあるようだ。「待て。」は「待機。」になり、「放せ。」は「リリース。」になっている。「実行したもの、これ、腕をロードし、群がり、回転し、満身の力を引きずるフローは、きで押しやられ押しやられました。」はなかなかおもしろい訳になっている。「待て」「放せ」では会話が成り立つが、「待機」「リリース」では意味が分からない。
走れメロス6 Excite翻訳 infoseek翻訳 nifty翻訳    
 まずはExcite翻訳を見てみよう。Excite翻訳のすごいところは、英訳文に日本語が残っていないところである。他の2つは、難しい単語や擬音がそのまま残る事があったが、Excite翻訳はそれがない。一方日本語訳分ではMerosなどのように英語のままだったり、カタカナにしただけのものが見られるのは残念だ。特に、「ボディーが疲れるようになるなら、両方のスピリッツをします」は、ボディーもスピリッツもそのままなのは謎である。その他に面白かったのは、「私たちは、本当に佳い友と友であったのだ」が「私たちは、Tomoと友人でした。 …、本当に言われています」になっている事だ。片方の友は「Tomo」で、もう一方は「友人」なのだ。メロスがTomoなのか、セリヌンティウスがTomoなのか……。身代わりが代用品になっているのも相変わらずである。
 続いてinfoseek翻訳を見てみよう。