Forget-me-not

Prolog

生活とは無縁の、異質である香りが漂い、俺は目を覚ました。何故異質だったのか?それは入ってきた世界を見て納得した。
目の前は天井、片腕から生えている半透明の管、羽を奪われた身体、つまり俺は今病室にいるらしい。
何故俺はここにいる?単純な疑問がそこにある。
しかし、いくら考えてもそれは分からない。

俺が目覚めたのに気づき、負傷している青年が顔を覗き込む。齢は二十一、二くらいか。俺よりも数年上であろう。
その彼の顔は、端正ではあるけれども、実に痛々しかった。軽症と言って良いのはどうかは知らないけど、立っていられるのなら、それなりに怪我は軽いはず。しかし、不自然に覆われた左目が俺の心を締め付ける。
それで漠然と理由を知った。どうやら俺は彼と遊んでいて、事故に巻き込まれたみたいだ。
まぁ、俺も彼もそんなに軽い怪我ではないけど、生きていたのでそれでよしとするか。

そんなことより、俺にはもっと重要な疑問があるのだから。


彼は誰だ?そして、俺は誰だ?



Nummer eins

Nummer twei

Nummer drei

Nummer vier

Nummer 4.5

Nummer fuenf〜在リシ日ノ恋ワズライ〜

Nummer sechs〜カエラヌ日ノ恋歌〜

Nummer sieben〜愛シキ者ヲ護ル腕〜

Nummer acht

Nummer neun

Nummer 9.5

Nummer zehn

Nummer 10.5



「最悪」という言葉を何度も使うのは、
日本語としては正しくない。
唯一だから最悪なのだ。
ワーストはいくつもあってはいけない。
しかし、ここで「最悪」を使うということは、
前よりも状況が悪いということに他ならない・・・。




Nummer elf

Nummer twoelf〜消セヌ想イ〜

Nummer dreizehn〜道・ソシテ・決意〜

Nummer 13.5〜ソノ目的ハ〜

Nummer vierzehn〜水ハ堰ヲ破ル〜

Nummer fuenfzehn〜苦悩、ソシテ、告白〜

Nummer sechzehn〜夢カ現カ〜

Nummer siebzehn〜アイトヤイバ〜

Nummer achtzehn〜勘違イ、ソシテ、真相〜


Finalrunde〜Vergissmeinnicht〜



Epilog

たとえ俺が記憶を亡くしても、

『俺』は彼を好きになる。

俺であり、俺でない『俺』がまた彼に恋をする。


たとえ俺が忘れても、

彼が俺を覚えていてくれる。

どんな『俺』でも受け止めてくれる・・・。



忘れた数だけ光輝兄を好きになる・・・。



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