放浪旅
やっと、息をゼェゼェと切らしながら毘沙ノ鼻の入口にたどり着いた。息を切らすほどの高地にあった。
再び、菜の花と桜が出迎えてくれた。敷地内には花見をする2組のご老人一行が。
しかしここでは、花よりもその眺望が素晴らしい。薄日が差してきて、春爛漫といった風景であった。
本州最西端だけあって、そりゃ確かに夕陽を見るのは本州で最後だろうと納得。山ではなく丘とのこと・・・。
老人たちが花見をしていたのは駐車スペースのある敷地内で、さらにそこから数分歩くと本当の最西端。
本州の東西南北端など地味そのものと思っていたが、各所それなりにアピールしているのが面白い。
さすがにここまで来ると、海から吹く風が心地良い。水平線のそのまた向こうを暫く眺めていた。
毘沙ノ鼻の南側(上の画像)には、先ほども記したごみ処分場が広がっている。手前に最盛期の菜の花や桜が咲き誇っており、アンバランスな構図ではあった。
毘沙ノ鼻の北側には岩場とリアス式チックな海岸線が続いている。道も見えるし、民家も見える。ただ、砂浜のような場所は見られない。厳しい海だった。
海岸まで降りてみたかったが、道が見当たらず断念した。ゴミ処分場に潜入して海伝いにたどる方法もあるが、この後移動して満開の桜を撮るのが、今回の旅のメインなのである。
看板に、本州の東西南北端が記されていた。今日で4箇所とも踏破したことになる。どれも懐かしい。
旅の醍醐味は、現在と過去と未来でそれぞれ楽しめるところにある。再び北端・東端・南端を訪れれば、今日の毘沙ノ鼻を必ず思い出すことだろう。
狭いといわれる日本の国土でも、まだまだ未開の地はたくさんある。また今日のように、息を切らしゆっくり歩みを進めながらも、その辛苦が報われるような良い風景を常に探し続けたいものだ。
果てしなく広がる西の海を見ながら、そんなことを思った。
灯台はまさに取ってつけたようで、無くてもいいかも知れない。
それにしても、看板に落書き多過ぎ・・・