史上最低の奇行文
〜其の八 目指せ、本州最西端 の巻〜
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放浪旅
VOL.1
サロベツ原野
VOL.2
室戸岬登山
VOL.3
日本海ヲ北上ス
(第1編)
(第2編)
(第3編)
VOL.4
津軽海峡
梅雨景色
VOL.5
まわり道
最果て行
(第1編)
(第2編)
(第3編)
VOL.6
厳冬の
道東一周
(第1編)
(第2編)
VOL.7
S字曲線で
離島の岬へ
(第1編)
(第2編)
青森県の大間崎、岩手県の鯔(とど)ヶ崎、和歌山県の潮岬、・・・これらに共通するものは何か。
そう、本州の端(北端、東端、南端)である。いずれも立派な灯台を備えた岬であり、それはこのサイト
cape のページを見てもらえれば分かる(←宣伝)。

では、本州の西端は何処か? おそらく東西南北の中で最も知られていない。かつ、遠く離れた東京の
人間にとっては非常に地味だ。何にせよ、行ってみないと何があるのか分からないし、発見も感動もスリルもない。ということで、本州最西端に向けて旅立った。
実は本州最西端行きは、昨年の年末に中途半端にトライして失敗したことがあり、今回は3ヵ月ぶりに
そのリベンジである。直線距離では山陰本線の梅ヶ峠駅が近いが、ロクな道がないため往路は隣の
吉見駅から出発(帰路は梅ヶ峠駅へ向かった)。

降り立ってみるとやはり、看板のとおり本州最西端の文字が読める。岬といったり崎といったり鼻と言ったりいろいろだが、陸地の果て、それも(本州の)西の端である。そこへ向かうというだけで、なぜか心が躍る。4キロなんてあっという間であろう、とそのときは思った。
VOL.8
目指せ!
本州最西端
ところが、日ごろの運動不足と睡眠不足がかかって妙に疲弊してしまった。救いとなったのは、あまりにもマメに出現する『あと○キロ』の看板。少しずつでも近づいていることを実感しながら、このまま平坦な道が続けばいいが・・・と空しい願いを抱きながら歩き続けた。
下の画像のとおり、空模様は今ひとつ冴えないが菜の花の黄色っぷりが眩しかった。鹿児島で1月、青森で5月に満開≠フ菜の花を見たことがあるが、桜と同様に時間をかけて北上していくのであろう。
少しの時間黄色を目に焼き付けて、再び歩き出した。
毘沙ノ鼻まであと1.5キロという看板が地味ながらもある一方で、ほぼ満開を迎えた桜が美しい。
そしてこの桜の木を越えたあたりから、少しずつ上り坂が始まった。最初はジワジワと勾配が緩く距離が長い上り坂で、息が上がり始めた。身体が弱っていることを実感・・・

毘沙ノ鼻へと向かう道は、下関市の(山口県の?)ゴミ処分場へと通じる道でもあり、そのため車が通れる道幅で舗装もしてあるということか。とは言っても、世界に1つしかない(?)本州最西端の地の隣にゴミ処分場を作るとは、旅情を台無しにするようなことをやってくれるものである。
雨に降られるよりはマシだが、曇天は風景も雲って見えてしまう。波穏やかな海岸にたどり着いたが、なんとも味気ない風景となった。釣りやダイビングをしている人もおり、それはそれで楽しいのだろうが、こちらは大した感動もせずに黙々と海岸線を通り過ぎた。

海岸ということは当然、海抜ゼロメートルである。毘沙ノ鼻は地図で見るかぎり、山(崖の上)にある。
つまりここから、ひたすら上り坂が待っているということになる。体調のせいか、天候のせいか、身体がやや重く感じるが、我慢我慢。岬探訪は常に修行僧のようだ。
長い上り坂は、だんだんと急勾配になってきた。さらに九十九折(つづらおり)の道となり、ほとんど登山のような雰囲気になった。立ち止まりはしなかったが、数年前の自分には考えられないようなスローペースの歩行になっていた。甘いものを欠かさない日々の食生活が祟っているのか・・・。

直線の坂を上りきったところに、吉母(よしも)処分場が目の前に広がった。なるほど、確かにゴミ処分場にしたくなるような広大な土地が広がっている。海に面しているからなおさら広く見えるのか。この海に面した北方に、目指す毘沙ノ鼻がある。

吉母処分場からさらに上り坂を歩くこと数分、この間、下りどころか平坦な道さえもない、常に上り坂の道であった。まさに修行の道のりである。しかし同時に、膝や足首に極度のブレーキをかけなければいけない帰り道が少し思いやられた。
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VOL.9
日本半周
一筆書きの旅
(第1編)
(第2編)
(第3編)
VOL.10
続・日本半周
一筆書きの旅
(第1編)
(第2編)
(第3編)
VOL.11
リベンジ!
尻羽岬
VOL.12
前人未踏?!
本州一周の旅
(第1編)
(第2編)
(第3編)
VOL.13
東京発、
最西端経由
最東端行き
(第1編)
(第2編)
(第3編)