〜SCENE4  2010新年は四国横断から始動 〜
VOL.1
サロベツ原野
VOL.2
室戸岬登山
VOL.3
日本海ヲ北上ス
(第1編)
(第2編)
(第3編)
VOL.4
津軽海峡
梅雨景色
VOL.5
まわり道
最果て行
(第1編)
(第2編)
(第3編)
VOL.6
厳冬の
道東一周
(第1編)
(第2編)
VOL.7
S字曲線で
離島の岬へ
(第1編)
(第2編)
VOL.8
目指せ!
本州最西端
VOL.9
日本半周
一筆書きの旅
(第1編)
放浪旅
(第2編)
(第3編)
VOL.10
続・日本半周
一筆書きの旅
(第1編)
(第2編)
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(第3編)
大晦日の夜に南宮崎を発車した「ドリームにちりん」は、元旦の1:46定刻に佐伯到着。指定席車は意外に乗客がいたが、佐伯で下車したのはおそらく自分ひとり。

深夜の寒さからか、単に寝ぼけただけなのか、佐伯駅から宿毛行きフェリー乗り場まで近距離にも拘らず道に迷いかけた。時間に余裕があるので事なきを得たが。

出航までの30分少々を本を読むなどして過ごしていたが、寒い中、フェリー乗り場の待合室で飲んだ緑茶入りココア≠ェ何とも言えず記憶に残る味であった。
九州の佐伯から四国の宿毛まで、3時間少々の船旅。船旅といえば、前年の年越し旅の東日本一周で、新潟⇒小樽の地獄の船旅が今後数世紀はトラウマとして残ると思われるのだが、性懲りもなく今回も2回の船旅を行程に入れてしまった。記憶力の減退も甚だしい・・・。

九州⇔四国の往来は船便しかないわけだが、宿毛・佐伯便に乗るのは4年前の年越しで宿毛から佐伯まで乗って以来。逆ルートとはいえ懐かしい。乗船は車5台と、車のない客4名。おかげで桟敷席で広々と眠れた。揺れはほとんど感じず、前年のトラウマはあっさり消えた。
6:30頃に宿毛到着、ついに四国上陸だ。タクシーは呼ばないと来なそうな状況で、雨降りでもないので駅まで歩く。だんだんと夜が明けてくる町の中を黙々と歩く。途中に煌々と光の灯る神社があり、即席で初詣。昔から、気まぐれで詣でる習慣がある。記念にとお守りを買ったとき、売場の爺さんに駅までの道を尋ねると3人の爺さんが、皆違う答え。爺さん間で口論になりかけて、これが2010年の初笑いと
なってしまった。無事駅に着く頃には7時を回っており、丁度良い乗り継ぎとなった。駅前には地元出身の豊ノ島関の幟が。
前日は全国的な寒さだったようだが、宿毛から乗った土佐くろしお鉄道の車窓からかなりの積雪が見られた。高知県はプロ野球のキャンプ地があるくらいだが、よく考えてみればあれは南東部のほうだから、このあたりと気候が違うのかも知れない。

途中の中村で長時間停車があったが、まだ朝方とはいえ想像を超える寒さ。20年以上前に初めて長距離旅に出たのが四国で、中村では宿泊もしたが、当時保存されていたSLも泊まったビジネスホテルも無かった。これを無常観というのだろうか。
中村を過ぎてから、ようやく綺麗な青空が広がった。前年の小川原湖で見たような美しい初日の出は拝めなかったが止むを得まい。晴れただけマシである。

車窓右手に大海原が広がる。天気の違いといってしまえばそれまでだろうが、昨日までの数日にわたって見てきた日本海と全く違う海であることに改めて驚く。

しばらく海に沿った後は再び山の中を走る。土佐くろしお鉄道(宿毛〜窪川間)は車窓が変化に富んでいて、見飽きることがない。こういう路線は廃止せずずっと残してほしいものだ。
車窓のラストを飾るのは予土線との合流(分岐)だろうか。左の画像は進行方向とは逆方向を撮ったものだが、右側が土佐くろしお鉄道、左側の直線がJR予土線である。くろし鉄道は右にループしながら下って行く。
高低差をクリアするために、急勾配の直線ではなくループする方法を採っている。ただしループして下って(上って)いる間はトンネルなので、乗ったままではほとんどループしていることを体感できない。
窪川には10時近くになってから着いたが、ここは内陸のためかやはり寒い。乗り継ぎの都合で20分余りは特急に乗車。先頭車両鉄道マニア席≠ノ着席して車窓を楽しんだ。

須崎で降りてからは普通列車に乗り換え。運良く天気は良好。空気は冷えているが、晴天は有難い。1時間余りで終点の高知に着く頃には、車内は立ち客も出る混雑ぶりだった。
高知で昼を迎えたので駅弁を探すが、購入客が多いのか仕入れそのものが少ないのか、ありふれた幕の内弁当1個しか残っていなかった。それにしても、大河ドラマに便乗した龍馬グッズの数々には閉口。と言いつつ、たびTは無事にゲットしたが・・・。高知からは再び特急「南風」に乗るが、ほぼ満席の混雑。指定券を取っていて良かった。険しさ満点の大歩危・小歩危の峡谷を抜け、山間の阿波池田に到着。空は再び曇り、雪の舞う寒さの中だった。
30分程度のインターバルの後、徳島本線に乗り換え。前日の睡眠不足が祟ってところどころ眠ってしまったが、吉野川に沿うように走る区間の車窓には見応えがあった。

海と同じく川もまた、形を変えて楽しませてくれるものだ。高知〜阿波池田間の吉野川は大河という感じはしないが、この区間で見る吉野川は悠然としていてまさに大河である。

いつ以来か思い出せないほど久々の徳島本線乗車だった。約2時間かかるのが意外だが、早朝に宿毛を7時過ぎに発って四国の西端から東端までたどり着いた。
徳島から和歌山行きフェリー乗り場までタクシーで向かい、10時間滞在(?)した四国に別れを告げる。紀伊水道を横切って和歌山までは2時間の船旅。船内はかなり混雑していた。

和歌山までのフェリーにいる間に陽が沈んだ。寒すぎるデッキに出たが、それがはっきり観賞できるほど好天ではなかった。右の画像に見える橋はおそらく大鳴門橋と思われる。

18:40に和歌山港に到着。空は当然真っ暗。ふと、この旅も残り半分を切っていて、1日後にはゴールしているかと思うと無性に惜しくなった。旅の間の時間の経過はとてつもなく早い。
VOL.11
リベンジ!
尻羽岬
VOL.12
前人未踏?!
本州一周の旅
(第1編)
(第2編)
(第3編)
VOL.13
東京発、
最西端経由
最東端行き
(第1編)
(第2編)
(第3編)