VOL.1
サロベツ原野
VOL.2
室戸岬登山
VOL.3
日本海ヲ北上ス
(第1編)
(第2編)
(第3編)
VOL.4
津軽海峡
梅雨景色
VOL.5
まわり道
最果て行
(第1編)
(第2編)
(第3編)
VOL.6
厳冬の
道東一周
(第1編)
(第2編)
VOL.7
S字曲線で
離島の岬へ
(第1編)
(第2編)
VOL.8
目指せ!
本州最西端
VOL.9
日本半周
一筆書きの旅
(第1編)
放浪旅
(第2編)
(第3編)
VOL.10
続・日本半周
一筆書きの旅
(第1編)
(第2編)
(第3編)
VOL.11
リベンジ!
尻羽岬
VOL.12
前人未踏?!
本州一周の旅
(第1編)
(第2編)
(第3編)
VOL.13
東京発、
最西端経由
最東端行き
(第1編)
史上最低の奇行文
〜其の壱拾参  東京発 最西端経由 最東端行き の巻〜
 >>> 中途半端な旅人が中途半端な画像と中途半端な文章で綴る <<<
東日本、西日本、本州と続いた「年越し一周旅乞食」だが、一周する場所もなくなった今回の年越しは、さらに大きなスケールを求めて西の端から東の端へ向かう旅に出た。
一度に四大陸≠踏破する旅は初めてのことで、改めて日本の広さを実感した。
〜 第1編 本土最西端へ 〜
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12月28日の夜、今日が仕事納めの人も多いようで、東京駅界隈は「よいお年を」の挨拶声が飛び交っていた。そんな中、「のぞみ127」号は東京駅を定刻に発車。岡山行きの最終である。そのような時間だから車窓は真っ暗。都内ではネオンと人が溢れるいつもの光景だが、旅立ちのときに見るそれはいつもと違う感覚で、自分と彼らが遠い世界の人に思えるものだ。

真っ暗の車窓でも、関ヶ原付近は気になって窓ガラス越しに目を凝らした。やはり相当な積雪量だった。新幹線は高速ゆえに、車窓の移り変わりも早いのが面白いところ。もちろん、ゆっくり移り変わる車窓も趣がある。ほぼ定刻に岡山到着。余談だが、ちょうど1ヵ月前に仕事で岡山に来ていたので、あれから1ヵ月か・・・という時の流れの早さを感じつつ、初日が終わった。
12月29日、実質的には今日が初日。朝はそれほど寒くない代わりに、空は薄曇りで快晴とはいかなかった。

新幹線からの乗り継ぎ客と思しき人々を乗せると、「しおかぜ3号」は満員となり、ちょっと窮屈感を感じつつ出発。

瀬戸大橋を渡るときも天気は曇り。瀬戸内海はいつ見ても穏やかで、海というより大きな河川を渡っている錯覚になる。

四国に入ると、空は次第に晴れてきて、進行方向左側の窓側席だったので絶え間なく日差しがあたるようになってきた。
ちなみに、夜でもない限り一瞬でも窓の外を見ないことはない(当たり前だが寝ているときを除く)ので、眩しくてもカーテンを閉めることはまずない。通路側の席にいた方には特に文句を言われたわけではないが、迷惑だったかも知れない。隣が変人で運が悪かった・・と諦めてほしいものだ。

これといって有名な景勝地が眺められるわけでもない(特に進行方向左側だったので海が間近に見えるわけでもない)のだが、民家があればどのような生活があるのか気になるし、学校が見えれば生徒はいるんだろうかと気になるし、窓の外には全く飽きることがない。
岡山を発ってから3時間弱で松山に到着。降車客でごった返すホームで、次の列車へと乗り換える。「しおかぜ」が到着した同じホームの先に、次に乗る「宇和海」がやって来る。短い編成だからこそ為せる業か。同じホームで乗り換えできるのは有難いが、東京の通勤ラッシュのような人の多さだ。

松山のような都市では、帰省で東京や大阪からやって来る人と、年末年始を温泉なんかでのんびり過ごす人とが入り混じるのであろう。でかいキャリーケースを引きづる人も多数。人でも入っているんじゃないかと思うくらいに大きいのもある。ちなみにこちらは6泊7日で中くらいのリュック1つ。。
松山から先は空いていると勝手に想像していたが、ほぼ満員。編成が先ほどの「しおかぜ」より短い「宇和海」だが、帰省のピークということもあるのだろう。

車体は四国でやたらと目にする「アンパンマン列車」というやつで、小さな子どもたちは大ハシャギ。車両の外だけでなく車内もキャラクターの絵だらけ。

いっそのこと、あんパンの配給サービスでもしたら大人も喜ぶだろうに、と思う。。いや、喜ぶのは甘党の筆者くらいか、甘いものが食いたくなってきた。
ふと外に目をやると、某国営放送のドラマの“番宣車両”が停まっている。主人公が松山の出身だからか。受信料がJR四国に渡っているということになるなら、汽車旅好きには異論はないが。それにしても、一昔前には車両にペインティング(?)など考えられなかったが、何でもありの時代になってしまった。

列車はほとんど海を見ることなく、予讃本線の“山線”ルートを駆けて、定刻に八幡浜に到着。急峻な周囲の山々にへばり付くように家々が点在する風景は、八幡浜に限らず四国や瀬戸内海地方でよく見られるが、以前に八幡浜を通ったときに印象が強かった風景で、またそのときと同じ感覚になった。
八幡浜駅からフェリーターミナルまでは約20分。駅前にタクシーは多数いたが、天気も良いので歩いた。

フェリーターミナルは、人や車で賑わっていた。四国⇔九州はいろいろなルートで何度も行き来したが、八幡浜から別府への航路は10年ぶり2回目で、そのときはGWだったためか大混雑で、四国から九州に渡る人が大勢いることに驚いたのを覚えている。

この日はそれほどの混雑でもないが船内の2等桟敷席はちょうど良いくらいに全部埋まっていた。
別府行きは定時に出航した。四国にいたのは4時間程度だったことになる。桟敷席の隅っこに落ち着いた。窓に近いが、窓はかなり汚れていて、とてもこの窓越しに風景は撮れないと思った。
3年前に八幡浜を通ったが、しばらくこのフェリーが並行する佐田岬半島の突端、佐田岬を訪ねたときだった。記憶は定かでないが、佐田岬半島は日本一長い半島らしい。計る人はヒマだなぁと思った次第だが、実際、出航から佐田岬が見える地点まで、1時間以上はかかった。やはり長い半島なのだ。
半島の突端の佐田岬を見ようと、桟敷席からデッキに移動したが当然のごとく風が強く、そして冷たい。それもあってか、デッキなど外にいる客は少数だった。

目の前の半島が壁になっていてもこれだけ風が強いのだから、半島の先を経て海峡になったらもっと強烈な風に晒されることであろう。彼方に灯台を見届けたところで桟敷席に戻った。

岬を目指して半島をひたすら歩いたのは3年前。風力発電の風車を傍目に、空一面に夕焼けが広がった風景には暫く時を忘れた。旅は振り返るのも楽しい。
年越し旅の習慣として、例年どおり今回も旅を続けながら年賀状を書いていたが、列車内では細かい揺れが致命的で何枚か無駄にしたこともあり、書かないことにしている。

一方で船は大型であればあるほど、記入に影響するほどの揺れはない。今回、デッキでは風が強かったが、桟敷席では船の航行に影響するほどの揺れはなく結構捗った。

3時間弱の船旅を終え、九州(別府)に上陸。港だから当たり前だが、別府も寒い。ちなみに左の画像の奥が乗っていたフェリーで、手前の小型船舶に乗っていたわけではない。
(第2編)
(第3編)