史上最低の奇行文
〜其の拾壱  リベンジ岬 の巻〜
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vol.6でお伝えした、2007年元旦に訪れた尻羽岬。・・・といっても岬到達の直前で雪に
阻まれたので訪れたうちに入らないのだが、いつか再訪の機会を狙いつつ3年半の時を
経て、やっとそれが実現。雪とは違う難敵に悩まされながら、何とかたどり着いた。
VOL.1
サロベツ原野
VOL.2
室戸岬登山
VOL.3
日本海ヲ北上ス
(第1編)
(第2編)
(第3編)
VOL.4
津軽海峡
梅雨景色
VOL.5
まわり道
最果て行
(第1編)
(第2編)
(第3編)
VOL.6
厳冬の
道東一周
(第1編)
(第2編)
VOL.7
S字曲線で
離島の岬へ
(第1編)
(第2編)
VOL.8
目指せ!
本州最西端
VOL.9
日本半周
一筆書きの旅
(第1編)
放浪旅
(第2編)
(第3編)
VOL.10
続・日本半周
一筆書きの旅
(第1編)
(第2編)
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(第3編)
VOL.11
リベンジ!
尻羽岬
天気予報は曇りだったものの、着いてみると爽やかな晴れ。道東まで来るとさすがに湿気もない。
3年前の元旦は雪に阻まれ、ちょうど1年前は朝から大雨に見舞われ釧路からの出発前に断念。
言ってみれば3度目の正直で、念願の尻羽岬到達を目指す。

昨夜東京を発って、青森からは札幌行きの夜行「はまなす」の座席で一夜を過ごし、昼前に釧路に到着。尻羽岬から最も近い尾幌駅から、13時ちょっと前の出発となる。上りの釧路行きが21時前だから、8時間で往復してこなければ難民(?)となる。

例によって車などの利用はなし、ただひたすら歩くのみ。旅乞食にとってガソリンで動くものはドーピングなのである。当然のことながら真冬とは全く違う駅周辺の緑の濃い景色に少し驚きつつ、約20キロ先の尻羽岬を目指し出発。
3年半前とはいえ、一度通った道はやはり覚えているものだ。駅を出てほぼ直線の一本道沿いにある郵便局や保育所、そして牧場。匂いも全く同じだ。相違点は広々した草原が前回は雪原だったことくらいか。

天気に恵まれたうえに、前回とは違って凍結していないので何のストレスもなく歩くことができる。3年以上経って体力は衰えているはずだが、歩きやすい道がハンデとなって良いペースで数キロを過ぎた。
やはり、夏に来るべきところなのだろうなぁと思った。前後左右の風景が夏に満ちている。それもこれも天気が良いせいだとは思うが、岬到達までの行程でも風景を楽しめる。ところどころでシャッターを切った。厚岸町から釧路町に入ると、海が近くなり、昆布の天日干し(?)が見られた。

そこに大勢の人が集っており、前回の記憶しかないので、思わず「こんなに人がいたんだ・・・」と呟いてしまった。もちろん、車もあちこちに止められているので、昆布目当てに遠方からやって来た人もいるのだろうが、レジャースポットのような賑わい。誰も尻羽岬を目指すものはいまい。
荷物のほとんどを釧路駅においてきたので、かなり身軽である。そのため疲れることもなく途中で休息などとらずにひたひたと歩いていけるのだが、ところどころで目にする辺境の風景≠ノは思わず立ち止まってしまう。

小学校と中学校が同じ敷地・同じ建物?しかも平屋建て。こういう学校なら先生になってみるのも悪くはないかなと勝手な思索に耽る。子どもたちは自由にのびのび、すくすくと育つのだろうな。先生も生徒が少なくて楽だろうな・・・

想像(妄想?)はつきないが歩く旅ならではの楽しみである。
1キロあたり10〜12分程度のペースで快調に進み、海(厚岸湾)までたどり着いた。尻羽岬までの行程のまだ半分にもなっていないが、海原を前にして、一歩一歩確実に目的の地に近づいていることを実感でき気持ちも和らぐ。

ただ、空模様が怪しくなってきたのが気がかり。もともと予報は曇りだったので止むを得ないが、思い切って雨具など置いてきたこともあり、不安が募る。とはいえ、もちろん引き返すような愚かなことはしない。岬探訪には常に苦難が伴うものである。
左手に海を見て、漁港を過ぎると山道へと入る。このあたりの記憶もはっきりとしている。海抜ゼロメートルからの再スタートで、緩い上り坂が延々と続き、前回は道路が凍結していたのでけっこうなストレスだったことを覚えている。時折、車がすれ違ったり追い越して行ったりするくらいで、周辺は静寂そのもの。人の住んでいる気配もなく、その点は前回と同じ。

ただ、次のスポットといえば岬への分岐道のはずだが、そこまでが長い。歩いていくうちに、こんなに長かっただろうかと不思議な気持ちになった。いくら歩いても変化のない周辺の風景も一因だろうが迷うほど道は多くない。何も考えるようなことはなく、無心で歩き続けるようになった。そして不安を助長するかのように、霧が濃くなってきた。
VOL.12
前人未踏?!
本州一周の旅
(第1編)
(第2編)
(第3編)
VOL.13
東京発、
最西端経由
最東端行き
(第1編)
(第2編)
(第3編)