VOL.1
サロベツ原野
VOL.2
室戸岬登山
VOL.3
日本海ヲ北上ス
(第1編)
(第2編)
(第3編)
VOL.4
津軽海峡
梅雨景色
VOL.5
まわり道
最果て行
(第1編)
(第2編)
(第3編)
VOL.6
厳冬の
道東一周
(第1編)
(第2編)
VOL.7
S字曲線で
離島の岬へ
(第1編)
(第2編)
VOL.8
目指せ!
本州最西端
VOL.9
日本半周
一筆書きの旅
(第1編)
放浪旅
(第2編)
(第3編)
VOL.10
続・日本半周
一筆書きの旅
(第1編)
史上最低の奇行文
〜其の十  続・日本半周!一筆書き旅 の巻〜
 >>> 中途半端な旅人が中途半端な画像と中途半端な文章で綴る <<<
1年前の東日本一周の旅に味を占めて、西日本一周にトライ。いってみれば必然の放浪と
なったわけで、1年がかりで日本一周を達成した感動の(?)一部始終をお伝えしましょう。
〜SCENE1  青空の下、北陸路を西へ 〜
♪上野発の夜行列車降りたときから〜・・・というのは何も青森駅に限定されるべきではない。上野発
金沢行きの夜行列車も立派にあるのだ。年末年始の放浪旅はかれこれ9年連続となるのだが、夜行列車でスタートしたのは意外にも1回しかなく、だいぶ前から夜行列車でスタートしたいと思っていた。
そこで、西日本一周を右回りで行くか左回りで行くかを考えたとき、迷わず「北陸」でスタートして左回りで一周と閃いたのである。

12月28日、街が仕事納めムードの喧騒に包まれる中、上野駅13番ホームに佇んでいた。すでにこのホームから北斗星などの夜行列車が発って行ったはずだが、通勤客でごった返す他のホームと比べて異質な空気が漂う。ひところより増えたように見える鉄道マニアが群がっているからなのか。
発車間際の列車に乗り、予約済みのB個室に入った。本日満席のためご注意くださいとのアナウンス。定刻に発車。列車はあっという間に都会の雑踏を抜け、闇の中へ。
高崎を過ぎてからの車窓はもちろん真っ暗なのだが、沼田付近で街の灯りが遠望できる辺りが気に入っている。利根川と思しき川を渡り、水上にさしかかる頃、窓の外には積雪が目立つようになった。

見ているだけで寒くなってくる気がしたが、こちらの車内は暖房完備で暖かい。温泉街ならではの湯気と灯りが何か懐かしさを感じた。窓ガラスに顔を押し付ける夜行列車ならではの旅。一日でも長く残ってほしいものである。

(後日談だが、北陸は3月で臨時列車化とのこと、非常に残念)
普段からあまり早い時間に眠らないため、この日も眠くはならない。大清水トンネルに入ったと思われる頃、何気なく旅記録ノートを開いてみた。

ちょうど1年前の今ごろは、大時化の日本海で揺れに苦しみながら眠りについていた。あれから1年、月日の経つのは早い。


短い眠りについてから、最初に目が覚めたのは直江津だった。停車か運転停車のようだが、誰も居ないホームに灯りが煌々としていた。

その後また眠ったり目が覚めたりを繰り返し、終点の金沢到着は6:26。着いて降り立ったホームの端まで歩き、鉄道マニアに混じって撮った。
いよいよ西日本一周の旅が始まる。喩えようのないワクワク感の中、最初の列車に乗った。
限られた時間の中での一周だが、ただ乗っているだけではない。時間に余裕を作れれば途中下車もして散策する。しかし特急列車ばかりを乗りついて途中下車を増やすわけでもない。

そんな自分ルールだが、最初の途中下車は金沢から30分ほどの小舞子。この地域の北陸本線が最も日本海に近づく場所で、駅から5分強で海まで行ける。日本の渚百選とは知らなかったが、波しぶきの白さが眩しい海で、すぐ背後に高速道路という変わった風景。海に見とれて事故りそうだ。
左と下の画像はいずれも朝の7時過ぎに撮影したものだが、陽が昇るのはもちろん背後からで眼前の日本海ではないが、これほど空が紅く染まるものとは意外だった。

滞在時間はごくわずか。それほど厳しい寒さでもなく、もう少し居ても良かったが後の行程に支障が出る。1つ列車を逃すと致命的、というのもこの一周旅の醍醐味(?)である。

波しぶきの音を背中に聞きつつ、駅まで引き返す。次の列車に乗り込む頃、陽が昇って日差しを浴びた。
小舞子から福井までちょうど1時間。本来のダイヤではもう少し早く着くのだが、霧が濃くところどころで徐行運転していた。山の上でもあるまいし・・・と思ったが、久しぶりに霧の世界を見た。
福井にやや遅れて到着後、乗り換え時間に、9時開店の駅ホームの立ち食いそば屋さんで(時間前に開店してくれたので)朝食。空腹のピークで食した「えび天ソバ」は身体に沁み込む温かさ。味も最高だった。素朴だが、こういうときの味こそ忘れられないものだ。
立ち食いソバ店に「今庄そば」とあったので、今庄は雪深い地というだけでなく蕎麦の産地なのだろう。空腹を満たしたところでさらに南下。先週は日本海側を中心に大寒波だったはずで、福井県を嶺北・嶺南地方に分ける北陸トンネルに差し掛かるまで、積雪は次第に多くなっていった。しかし、長い北陸トンネルを抜けるとほとんど積雪なし。この差にとても不思議な気がしているうちに、敦賀到着。
敦賀は5月末に訪れた地なのであまり久々な気がしない。そのときの記憶にあった駅前の喫茶店は年末のためか休業。

旅の途中での年賀状書きは毎年恒例の(?)行事だが、発車までだいぶ時間のあるにも関わらず乗車できた小浜線車内で行った。

何通かを駅前のポストに投函してから戻り、列車は定刻に発車。大阪行きのトワイライトエクスプレスを横目に見ながらの発車だった。
この列車を逃すと、次の列車まで約2時間待たねばならない。そのためか車内はちょうど座席が埋まるくらいの混み具合。

それにしても、北陸トンネルを抜けてからの福井県は、遠くの山の上を除き雪のない車窓だった。やはり暖冬なのか。

4年前の年末年始は、今回と逆方向に日本海を北上し、竜飛岬を目指す旅だったが、そのときはもっと雪が多かった。

小浜で長時間停車。4年前にはなかった土産物が右の画像。味はどこにでもある感じだったが、便乗商法恐るべしである。
小浜を過ぎると、車窓には若狭湾が広がる。湾だから波が高くはないのは分かるが、それを差し引いても穏やかな海だ。車窓だけ見ていると冬とは思えないが、原発地域だから暖冬でも生活経済に影響はないだろうなどと、ボケ〜ッと物思いに耽るうちに東舞鶴に到着。早くも京都府に入った。ホーム向いの列車に乗り換えて発車後、西舞鶴で一旦下車することにした。
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(第3編)
VOL.11
リベンジ!
尻羽岬
VOL.12
前人未踏?!
本州一周の旅
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(第2編)
(第3編)
VOL.13
東京発、
最西端経由
最東端行き
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(第3編)