VOL.1
サロベツ原野
VOL.2
室戸岬登山
VOL.3
日本海ヲ北上ス
(第1編)
(第2編)
(第3編)
VOL.4
津軽海峡
梅雨景色
VOL.5
まわり道
最果て行
(第1編)
(第2編)
(第3編)
VOL.6
厳冬の
道東一周
(第1編)
(第2編)
VOL.7
S字曲線で
離島の岬へ
(第1編)
(第2編)
VOL.8
目指せ!
本州最西端
VOL.9
日本半周
一筆書きの旅
(第1編)
放浪旅
(第2編)
(第3編)
VOL.10
続・日本半周
一筆書きの旅
(第1編)
(第2編)
(第3編)
VOL.11
リベンジ!
尻羽岬
VOL.12
前人未踏?!
本州一周の旅
(第1編)
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史上最低の奇行文
〜其の壱拾弐  前人未到?!本州一周 の巻〜
 >>> 中途半端な旅人が中途半端な画像と中途半端な文章で綴る <<<
2008−2009年の東日本一周、2009−2010年の西日本一周。では今年は日本一周??
いやいや、そこまで壮大なスケールではないけれど、一周にこだわる過去2年の旅を踏襲して、
過去10年の年越しでは一度もない、本州だけの旅に出た。そして今年も、予想外の連続・・・
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〜 第1編 北へ、北へ 〜
12月29日。今年の年末年始は本州一周という旅乞食史上最も壮大な旅のスタート。一度の旅で乗る列車の本数・通過する都道府県の数、いずれも過去最大(のはず)である。だがもちろんそれは予定通りに行けばこその話で、何と年末年始にかけて日本海側を中心に大荒れの天気予報。過去3年連続で運休や遅延等の被害にあっているジンクスもあり、まさにトラベルとトラブルは紙一重である。

7:12、最初の列車は山形行きの新幹線「つばさ」。どこまで予定通りに行けるか、そして、阻まれたときにどのような代替手段を取ることになるか、楽しみでもある。
順調に北へ向かう新幹線。白河を過ぎると積雪も見られたが、福島から奥羽本線内に入り、福島県と山形県の県境付近になると景色が大きく変わった。

本格的な降雪で、さすが雪国だけあって降っているというより舞っているという表現のほうが近い。景色や天気の移り変わりが早いのも新幹線の旅ならではである。雲の上に浮かんだまま下界の天気が全く分からない飛行機にはない醍醐味がある。

新庄には5分遅れで到着。年末年始放浪の恒例行事の年賀状投函を行った。新幹線車中で書いたため字がヨタっていた。該当者の方、無礼をお許しを。
奥羽本線の秋田行き普通列車に乗り換え。年末のせいか、2両編成の車内は大混雑。1時間近く立ちっぱなしだった。新幹線で3時間以上座りっぱなしだったので、ちょうど良いか。新庄から北上するとほどなく山形と秋田の県境だが、このあたりもかなりの豪雪。ほんの1ヵ月前に紅葉を追いかけてきて通ったばかりの区間だが、季節が一つ違うとこうも風景は変わるものかと驚きの連続。分かりきったことでも目の当たりにすると、四季があることの有難さを感じる。
横手で下車し、北上線に乗り継ぐがここでは1時間余りのインターバルがあり、B級グルメで有名になった「横手やきそば」を食した。味うんぬんより、大盛りで腹一杯になるボリュームで600円で採算が取れるのか、余計なお世話が先行した。

町おこしとなれば何でも良いのかも知れないが、B級≠ニ冠されていても素直に喜べるのならば(決して嫌味等でなく)それは素晴らしいことだと思う。ただ、もっと素晴らしいのは左の画像のとおりのシンプルな食事で満足する自分か・・・
横手といえば豪雪地帯ならではの「かまくら」のイメージしかないが、やきそばのほか釣りキチ三平にも所縁があったとは。
意外なところに意外なものがあるものだ。

さて、ここからは進路を東に変え、三陸方面へと抜ける。本州一周の旅だが、2年前は八戸から太平洋岸を南下する進路を取っていたので、今回は内陸を通った次第。

アンチ几帳面のためデータベース的なものがないのだが、北上線に乗るのは10年以上の久々のような気がする。しかも、この季節に乗るのはおそらく初めて。
途中のほっとゆだ駅で下車して、駅併設の温泉で小休止をする・・・その前に、北風の止まない駅周辺をうろついて、ほぼ凍結している錦秋湖を撮影。字のとおり、秋真っ盛りの時期が一番見応えがあるはずだが、寒々しい湖も冬らしくて良いものだ。北風の中に佇む脇を、轟音を立てながら除雪車両が通り過ぎていった。シャッターを切る指があっという間に凍りついた。
寒風に晒された後の温泉は格別だ。地元の老人が多数いて混んでいたが、体の芯から暖まった。湯冷めしても、のぼせても旅に悪影響なので、慎重に風呂を出た。次の列車が来るまでストーブ付き待合室で年賀状書き。我ながら、時間の使い方が上手い。

ところで、何気なく駅員に聞くと、これから乗る予定の釜石線や山田線に遅れや運休が出ているらしい。早くも初日から受難かと不安になったが、不通ではないので楽観的に構えることにした。ただ、宿泊予定の宮古に着けないとなると痛いが。
北上から東北本線で花巻へ移動し、釜石線に乗り継ぐ。聞けば釜石線の遅れは強風の影響だそうで、山田線は同じく強風で倒木があったようだ。自分が乗る釜石線の列車は定刻に花巻を発車。ヒヤヒヤする思いだけで済めば良いが。

確かに、停車する各駅で暗くなった窓の外に目をやると、ホームに立っている木々はかなり揺れている。しかも陸中大橋の手前辺りでは眼下に街灯りや車のライトが見えたので、かなり高いところを走っているのだろう。

冬の日暮れは早いため、ほっとゆだ以降はロクに外の景色が見えない。次に釜石線に乗るときは昼間にしようと誓った。
乗り継ぎの釜石駅で宮古行きの列車の運転士に聞いたところ、5年前の羽越本線事故(特急列車が突風で転覆)の以後、強風にはとても神経質になっていて、釜石線にも風速計を増設したとか。安全配慮の結果なら止むを得まいか。

本日の終点、宮古には定刻に到着。まず1日目はトラブルなくクリア。宿泊地へと向かう間に見上げた星空が美しすぎた。夜も更けた町は空気がキーンと冷えていて寒いのだが、それと引き換えに無数の星を見せてくれた。明日も天気になぁれ・・・
(第2編)
(第3編)
VOL.13
東京発、
最西端経由
最東端行き
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