VOL.1
サロベツ原野
VOL.2
室戸岬登山
VOL.3
日本海ヲ北上ス
(第1編)
(第2編)
(第3編)
VOL.4
津軽海峡
梅雨景色
VOL.5
まわり道
最果て行
(第1編)
(第2編)
(第3編)
VOL.6
厳冬の
道東一周
(第1編)
(第2編)
VOL.7
S字曲線で
離島の岬へ
(第1編)
(第2編)
VOL.8
目指せ!
本州最西端
VOL.9
日本半周
一筆書きの旅
(第1編)
放浪旅
(第2編)
(第3編)
VOL.10
続・日本半周
一筆書きの旅
(第1編)
(第2編)
(第3編)
VOL.11
リベンジ!
尻羽岬
VOL.12
前人未踏?!
本州一周の旅
(第1編)
(第2編)
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1月2日。最初の列車は早朝5:18の芸備線、備後落合行き。まずは予定通りのスタート。昨日の雪で予定は狂ったが、山陰本線の鳥取〜江津は昨年も通ったので、今回は内陸ルートを予定していた。

ちなみに新見から北、伯備線は米子までまだ不通とのこと。新見のホテルの人の話では、除雪車が脱線して後続列車が立ち往生したらしい。山陰地区の観光業界は大打撃であろう。
〜 第3編 西へ、東へ 〜
(第3編)
線路上もそうだが、線路脇の木々にもかなり雪が積もっていて、線路にもたれかかるように枝が列車の進路を妨害している。徐行運転しながら枝を振り払っていく様は除雪車のようだ。東城から終点の備後落合までの区間では徐行運転だった。

備後落合に近づくと一層雪は深くなり、かつて冬の早朝に乗った只見線を思い出した。駅が雪に埋まっているような様子で、もちろん人の気配はない。乗換駅の備後落合についてもそれは変わらなかった。まだ6時半くらいで、夜も明けていない。
すでに雪は止んでいるが、晴れているわけではない。中国山地の真っ只中であるこの地域にも雪は相当降ったと見え、積雪はかなり深い。

正月2日の早朝の列車だが、途中駅の備後西城や庄原で少しずつ乗客を増やしてきた。過疎化が進んでいそうな雰囲気だがやはり地域の足だ。

三次に近づくにつれて、あたり一面に霧が立ち込めてきた。駅にも霧の都と書かれているくらいだし、大きな河川があるから珍しいことではあるまい。
三次は2007年−2008年の年越しで通り、ちょっとしたトラブルで三江線に乗れず(Vol.7参照)に歯痒い思いをした過去があるが、歴史は繰り返すというか、今回もまた豪雪被害により途中区間不通とのことで代替案を考えなければならなくなった。途中駅の石見川本のあたりが不通で、タクシー代行とのこと。バス代行でなくタクシー代行というところが超ローカル線の三江線らしい。

不通になっている区間は江の川沿いの車窓の美しい区間だけに、何とももったいない。しばらく迷ったが、諦めて広島へ迂回することにした。当初の予定は三江線で江津へ抜けて、益田まで山陰本線で移動した後、山口線で新山口へ向かうルート。しかし広島から新幹線も使えば、山陰本線周りで山口線には乗れることが分かった。
こうして予定を変更して再び芸備線に乗ったのだが、この選択が完全にアダになってしまった。途中の志和口でやけに長時間止まっているなと思っていたら「この先の区間で道路から車が転落し線路を塞いでしまっているため撤去作業中」とのアナウンス。

やっと雪から逃れたと思ったら、予想だにしないトラブルに巻き込まれてしまった。昨日・今日といい、今年が波乱の一年になる予兆かも知れない。結局列車は1時間20分遅れて終点の広島に到着。いそいそと切符購入済みの新幹線に乗り換えた。
年末の3日間は無事に切り抜けてきただけに、年明け早々の想定外トラブル連続は痛い。気を取り直そうと(?)新幹線ホームで「しゃもじかきめし」を購入。
新幹線「こだま」は広島駅での下車客が多かったせいか、それほど混んでおらず窓側の席を確保できた。動き出した車内で今後の行程を考える。ここまで来ると、一筆書きもすでに途切れているうえ、下関から山陰本線周りで山口線に乗って帰ってくるにしても(本日の宿は広島)、深夜ギリギリになる。

今回の旅は本州一周で、通ってきた最北の地は青森県の五所川原あたりであるが、そうなると本州の西の端、下関に行って見るのが良いんじゃないかという結論になり、広島⇔下関間は同じ路線の往復になるが下関に行ってみることにした。もうトラブルのないことを願いながら・・・
新山口で新幹線を降り、下関までは山陽本線に乗り換え。普通列車ばかりでだいたい40分に1本という少し寂しいダイヤ。

乗り継ぎもあまり良くはなく、待ち時間が長い。山口や津和野へ向かう山口線のホームや列車のほうが賑わっていた。こちらの閑散ぶりは新幹線の補完区間だから仕方がないかも知れないが。

それでも発車間際には乗客も増え、ようやく寒風吹きすさぶホームにたった2両編成の列車がやってきた。
1時間余りで、眠ったり起きたりしながら下関到着。なんとここでは土砂降りの雨。相変わらずツイていない。対岸の北九州市(門司港)には2003−2004年の年越し旅で訪れて関門海峡を見下ろす和布刈(めかり)公園を訪れた。今回は下関側の山上へ行ってみようか・・・


・・・と思った矢先に、ガックリした。駅から遠いうえ、地図に載っている山上へのロープウェイは現在運転休止中とのこと。歩くかタクシーのどちらかだが、雨ならなおさら行く気がしなくなる。地図を見直し、駅から歩いて行ける「海峡ゆめタワー」に行くことにした。
折り畳み傘は持っているが雨の勢いは相当強く、約10分でずぶ濡れになった。地上29階の展望タワーに到着。高所恐怖症なのだが、建物の中は平気である。良い眺めで、やはり来て良かったなと実感。改めてその高さから眺めると、関門海峡はやはり狭く、その隙間に大小様々な船が行き交う。

それにしても、なぜかほんの2〜3日前に本州の北の地に居たことを思い出せない。思い出せないと言うと語弊があるのだが、ずっと前の、違う旅だったような気がするのだ。それくらい、前半の3日間は遠い記憶になっていた。なぜだか理由が分からない。あまりにも移動距離が長すぎたからか。

ちなみに、タワーのエレベータ待ちの間に案内係と会話していると「どちらからお越しですか?」と聞かれ、「東京から」とだけ答えればいいものを「東京から本州を一周してきました」と余計なことを言ってしまった。案の定、「???」という表情をされた。職場か茶の間で話題にして頂ければ有難い。

まだ旅は終わってないが、本州の端まで来て感慨深いものがある。当初の予定では下関探訪はなく、それは昨年も3年前も通っているからという理由だった。しかし実際に来てみると、これはこれで良かったという気になった。
その代償として、下関から広島までは同じルートを戻る旅となり不本意ではあるが、止むを得ない。

西日本とはいえど天気も悪いこともあり日が暮れるのが早い。右の画像のとおり、新山口では18時頃でも真っ暗。

外が暗いと退屈で、本を読んだりしているうちに時間は淡々と過ぎた。この日は広島に宿泊。さぁ、いよいよラスト1日。
VOL.13
東京発、
最西端経由
最東端行き
(第1編)
(第2編)
(第3編)