VOL.1
サロベツ原野
VOL.2
室戸岬登山
VOL.3
日本海ヲ北上ス
(第1編)
(第2編)
(第3編)
VOL.4
津軽海峡
梅雨景色
VOL.5
まわり道
最果て行
(第1編)
(第2編)
(第3編)
VOL.6
厳冬の
道東一周
(第1編)
(第2編)
VOL.7
S字曲線で
離島の岬へ
(第1編)
(第2編)
VOL.8
目指せ!
本州最西端
VOL.9
日本半周
一筆書きの旅
(第1編)
放浪旅
(第2編)
(第3編)
VOL.10
続・日本半周
一筆書きの旅
(第1編)
(第2編)
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(第3編)
〜 SCENE5 〜 
紀伊半島一周、そして・・・
和歌山駅まで乗り継ぎ良く路線バスがあったのでバス移動。次の日の行程を考え、もう少し進んでから1泊予定としていた。19時も過ぎて車窓を楽しめる時間ではないが、御坊・紀伊田辺と乗り継ぐ。

乗り継ぎが良すぎたこともあり、結局紀伊田辺まで夕食を取らずに来てしまった。新年早々食糧難かと思っていたが、幸運なことに駅にほど近い場所のラーメン屋が開いていたので、チャーシューメンを注文。身体が冷えていたので温かいスープが最高だった。
紀伊田辺で1泊後、1月2日の朝を迎える。いよいよ旅の最終日だ。駅前には武蔵坊弁慶のオブジェ(?)が。この地の出身のようだが、この旅では立ち往生とはならないようにしなければ・・・。
紀伊半島南端の新宮まで約3時間の普通列車の旅だが、なんと意外なことにロングシート車両でボックス席がなかった。晴天で太平洋の大海原を観るのには相応しくないが、仕方がない。
冬に紀伊半島を訪れたのは初めてだが、もっと温暖な地域だと思っていた。異常な寒波なのか、これが通常の冬なのか。

白浜を過ぎてから、周参見、見老津、和深、田子あたりは特に、海岸線を沿うように走る旅情溢れる区間。

素っ気無いロングシート車両だったが席を立って撮ったのが上・右・下の画像。青の濃さが際立っていた。
新宮で乗り換えた後の列車はボックス車両。空いていたので、ボックスシートを占領して足を伸ばす。やはり、旅はこうでなくては。

それにしても、海沿いばかりかと思ったら急に山あいに入ったりして、紀勢本線の車窓は意外に風光明媚で変化に富んでいることに驚いた。

何度も通ったことのある区間だが、普通列車ではなかったからだろうか。乗る列車によって印象が変わるとすれば、それは新発見である。
普通列車の旅の醍醐味は数多くあるが、なかでも途中駅での長時間停車は特急列車にはないもので停車駅の土地の空気を味わえる。この列車でも途中の賀田駅で特急列車と行き違いのため10分以上の停車。今までのこの旅にはなかった、青空と深緑のコントラストが目に眩しかった。
途中駅停車だけでも物足りなくなるので、新宮から2時間余り、紀伊長島で途中下車。さすがに長時間乗車で尻や腰が痛い。

10分程度歩けば海に行き着く。入り組んだ湾の中で、何か分からないが養殖漁業らしいノンビリした光景が広がっていた。


ところで、この旅でも盛んにおしるこ缶≠飲んでしまったが、紀伊長島でもダイドーの「金のおしるこ缶」を飲んだ。

数あるおしるこ缶の中で最も気に入っている甘ったるさがある。逆に某園の「大納言」は甘くないので少し損した気になる。
駅と海までの間は、「のどか」という言葉が最も当てはまるような風景だった。

住宅、川、寺、工場、廃屋・・・人や自転車や車が、忘れた頃に行き交って辛うじてそこに人間の営みがあることを知らせてくれた。

そして、湾の中にエンジン音を響かせながら帰ってきた小さな漁船。

何の名所も景勝地もない町で、忘れ難く得難い何かを見つける・・・。それが旅だと思っているが、紀伊長島もまたそのような地であった。
紀伊長島から名古屋までの2時間余りは特急「南紀」。さすがに、それまでの
約5時間の鈍行列車の座席に比べると格段に座り心地が良い。

あまり触れたくはないが、この特急列車内では不愉快な思いをした。
通路側の席にもかかわらず、窓側の指定席(私の席)に当たり前のように踏ん反り返って座っていたババアは、私が風景観賞のために窓のカーテンを閉めずにいると、聞こえよがしに「暑いな」とブツブツ。勿論、直接言われたとしてもカーテンを閉める気など全くない。暑ければ上着を脱げば良いのである。

さらに混雑のため車内販売が来ないことを車掌にキレていた。どこの世界にも
クレーマーはいるものだが、こういう人間にはなりたくないものだ。
名古屋からは新幹線で帰京。最後に来て特急の連続で手抜き(?)と思われそうだが・・・。ちなみに、名古屋では赤福が売り切れていた。

17時前の進行方向右手の西の空に今回の旅で最も美しい夕陽が車窓から望めた。どこかの山に吸い込まれるように消えていった。

その後はいつの間にか熟睡してしまったが、この新幹線が着く
とき、2008年末から始めて2年がかりで日本一周≠ェ完結することになる。
過ぎ去ってみると、壮大だった旅も一瞬のことのようだが、また、次の旅への暫しの休息時間を取ることとしよう。ただ早くも、次の年末年始の旅の構想は、この旅の間に出来上がりつつあるのだが、その公開はもちろん、1年後までのお楽しみということで。。
VOL.11
リベンジ!
尻羽岬
VOL.12
前人未踏?!
本州一周の旅
(第1編)
(第2編)
(第3編)
VOL.13
東京発、
最西端経由
最東端行き
(第1編)
(第2編)
(第3編)