放浪旅
VOL.1
サロベツ原野
VOL.2
室戸岬登山
VOL.3
日本海ヲ北上ス
(第1編)
西舞鶴からは特急に乗り、東舞鶴に到着。ここでは駅前のデパート内にある回転寿司店に入って
腹ごしらえ。昨日食べ損ねた吾左衛門寿しの分まで(?)平らげ、満腹で再び駅に向かう。ちなみに
大晦日セールで一皿105円であった。ハマチやサーモンが特に美味く、短い乗り換え時間の間に
15皿も食べてしまった。

若狭湾に沿う小浜線に乗り継ぎ、目指すは北陸本線の敦賀。6、7年前に乗ったときはディーゼル
だったが、いつの間にか電化されていた。途中駅の小浜で長時間停車があったものの、2時間余
は意外に長く感じた。若狭湾沿いとはいっても、海が望めるわけでもなく望めたとしても原発だらけ
であろう。しかし、雪景色はなかなか見応えがあった。

気圧の関係か地形の関係なのか、意外だったのは敦賀に着くと雪が少なかったことである。
小浜の駅前などは歩くのにも滑らないよう注意が必要なくらいだったのだが。
旅の最中で天気予報など全く見ていないのだが、この分だと大幅に列車が遅延することはないで
あろう。
雪の小浜駅と沿線の車窓風景
さすがに大動脈だけあって、北陸本線の車中は混みあっていた。
仕方なくドア付近に立つが、外の寒さと車内の暖かさから窓ガラスは曇りっぱなしで、さらに外も
日暮れの時間が近づき、退屈な時間が過ぎた。途中から座れたのだが、あっという間に眠って
しまった。

福井が終点の列車だったので乗り過ごさずにすんだが、慌てて起きてホームに出ると非常に
寒く感じた。ここで特急に乗り換えようとしたところ、名古屋から来る特急が米原付近での雪の
影響で遅れているという。やはりこのような事態はどこでも起こりうるものだなあと実感。
北国だろうが列車本数が多かろうが、やはり自然の猛威には勝てないのである。

遅れてやってきた特急列車の車内では、ノートPCを開いた。夜で車窓も楽しめないのでこうして
いるのだが、仕事とプライベート兼用なので運が悪いと仕事関係のメールも目に入ってしまう。
最近は、仕事の最中に旅の計画を思いついてしまったり、旅の途中に仕事のアイディアが浮かん
だりと、公私混同も甚だしい。思いついてしまうものは仕方がない、と誤魔化しているが。
福井。
17時だがかなり暗い
特急車内にて。
車内で「良いお年を・・・」メールを
打ちまくり
食べ物に執着がない・・・と言いつつ甘いものには目がないので、金沢ではいそいそと売店に
向い、名物の「あんころ」を買いだめた。
昼間に東舞鶴で食った寿司が効いてあまり腹は減っていないのだが、あんころは別腹。
富山行きの列車に乗り換えるやいなや、簡単に12個のあんころ餅を平らげた。自分で言うの
も何だが、非常に美味そうに食っていると思うので、CM放映するなら呼んで欲しいものだ。

旅の間の食糧調達は実にタイミングが難しい。19時30分を過ぎて富山に到着したが、腹は
全く空いていない。が、何も食べずにいても翌朝の食糧があるという保証もない・・・。
と、駅構内のTVで格闘技中継に夢中になっている人々を発見。
そうか、今日は大晦日だったんだ! と、いうわけで駅構内で無理やり(?)ソバを食した。
年越しそばを平らげ、あとは年を越すだけ・・・

何気なく立ち寄った駅で、思わぬ良い出来事があったりするのが旅の醍醐味。
5年ほど前の真冬、越中宮崎で冬の海を見た後、駅近くの民宿で日帰り入浴させてもらった
(とは言っても、お金は払ったが)ことがあった。そのときのことが忘れられず、今回も時間を
割いて、越中宮崎で降りた。・・・が、大晦日の駅前はひっそり。入れる雰囲気ではなかった。
こうした空振りもまた、旅の醍醐味。夜の無人駅で1人、この1年を振り返る時間ができた。
越中宮崎駅。
駅から徒歩1分で日本海
越中宮崎では雨が降っていたが、何もない真っ暗な夜の海辺へと歩を進めた。
肝試しのようだ。海が荒れていることは、何も見えなくても分かった。唸り声のような轟音を
立てて打ち寄せる波。目を凝らすと、沖合いに微かな光。漁船だろうか。
不思議なことに、不気味な夜の海を前にして心は落ち着いた。

越中宮崎からは糸魚川へ向かった。今年の年越しは、寝台特急「日本海1号」。
毎年12月31日―1月1日は列車内で迎えているのだが、除夜の鐘より、レールの継ぎ目を
踏む車輪の音のほうが自分には合っている。
日本海北上の旅、前半戦は無事に終了。今年も残りわずかとなったところで、車内へ。
新年の瞬間を確かめることなく、眠りについた。
糸魚川。

今年も多くの旅に出て
今年も多くの駅を見た
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年越しの寝床。

良いお年を・・・
(第2編)
(第3編)
VOL.4
津軽海峡
梅雨景色
VOL.5
まわり道
最果て行
(第1編)
(第2編)
(第3編)
VOL.6
厳冬の
道東一周
(第1編)
(第2編)
VOL.7
S字曲線で
離島の岬へ
(第1編)
(第2編)
VOL.8
目指せ!
本州最西端
VOL.9
日本半周
一筆書きの旅
(第1編)
(第2編)
(第3編)
VOL.10
続・日本半周
一筆書きの旅
(第1編)
(第2編)
(第3編)
VOL.11
リベンジ!
尻羽岬
VOL.12
前人未踏?!
本州一周の旅
(第1編)
(第2編)
(第3編)
VOL.13
東京発、
最西端経由
最東端行き
(第1編)
(第2編)
(第3編)