大阪市内から近鉄電車で富田林駅まで30分。駅から徒歩10分。
ひっそりとした佇まいを残すお寺や町家を巡りながら、お手軽な歴史散歩に出かけてみませんか? 皆様のお越しをお待ちしています。
1. Access
2. Map・散策モデルコース
3 .Information
1. 重要伝統的建造物群保存地区
2. 寺内町の成立と歴史
3. 歴史的建造物(お寺・町家)
1. 町家の内部見学
2. 立ち寄ってみたいお店
3. イベント情報
1. Profile
2. じないまち探訪記(管理人)
3. Link
【Tourist guide to Jinaimachi town, Tondabayashi, a historic district and heritage site of Japan,Travelogues by Author - Series Vol. 32 Jinaimachi Guided Sightseeing Tour】 | |
2015年のシルバーウイークは暦の関係で6年ぶりに5連休となり、幸いにも連日、関西地方は秋晴れの行楽日和に恵まれました。9月20日(日)から23日(水)までの4日間、富田林寺内町で来訪者向け特別企画として、「歴史まち歩きバイリンガルツアー」を企画、開催しました。(じないまちボランティアガイドの会主催)訪日外国人来訪者には日本人来訪者に交じってツアーにご参加頂いて、英語と日本語の双方でご案内しながら、ご参加者の相互交流を図るものです。 小生がこの期間中、午前と午後に計7回(最終日は午前のみ開催)御参加者へのガイド役を務めました。富田林市役所、富田林じないまち交流館及び富田林市観光協会(きらめきファクトリー)、地元のゲストハウス「泊や」などの御協力も戴いて、じないまち交流館や富田林駅前観光案内所・きらめきファクトリーではポスターの掲出やチラシの配布などご案内を戴いた甲斐もあり、計59名(外国人1名を含む)のご来訪者に御参加戴くことが出来ました。 |
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2015年9月20日午前(第1回)興正寺別院山門 |
2015年9月20日午後(第2回)興正寺別院本堂 |
城之門筋(撮影 柳田英子様) |
城之門筋・背割り水路(撮影 柳田英子様) |
紅梅蔵 味醂醸造の甕 (撮影 中井隆洋様) |
当て曲げの辻 (撮影 中井隆洋様) |
城之門筋・田守家住宅 (撮影 中井隆洋様) |
城之門筋・田守家住宅 (撮影 千葉深香様) |
重要文化財・興正寺別院 (撮影 中井隆洋様) |
重要文化財・興正寺別院本堂 (撮影 中井隆洋様) |
重要文化財・興正寺別院本堂 (撮影 柳田英子様) |
重要文化財・興正寺別院本堂 (撮影 柳田英子様) |
城之門筋・背割り水路 (撮影 中井隆洋様) |
大阪府有形文化財・仲村家住宅 (撮影 中井隆洋様) |
八町茶屋 |
LAiDBACK CAFE |
初日の9月20日(日)は、午前の部で10名を、午後の部では12名をご案内しました。ガイドの途中からツアーに御参加戴きました来訪者の方々もおられました。午前の部では、沖縄県からお越しになられた日本人女性や、日本を1ヶ月間かけておひとりで旅行されている英国人女性が参加されており、寺内町の成り立ちや、建物の特徴などを英語と日本語で交互に同じ内容を御説明しました。 英国のBerminghamからお越しになられたこの女性は、「東京や京都も色々と見てきたけれど、富田林の古い町並みをゆっくりと歩いて散策できて、本物の日本に触れた気がする。」と感想を話されていました。2015年春に、富田林寺内町の中に昔ながらの町家内部を改造してオープンした女性専用のゲストハウス「泊や」に3連泊されています。「英国と日本はいずれも長い歴史と文化、伝統を持つ国であり、映画の撮影ロケセットさながらの日本の古い町並みを見ると、着物などの伝統衣装を身に纏った往来の人びとが思わず、通りを横切りそうな感じがする、英国の古い町並みのことも思い出す。」とのことでした。この先も想い出に残る日本の旅を続けて頂きたいと祈ります。こうした外国人来訪者自身の目を通して、来訪者からの情報発信により富田林寺内町の魅力が少しづつ世界中に広まってゆくことを切に願っています。 この女性は、ガイドを終えた別れ際に、「富田林寺内町の町並みがいつの日かユネスコの世界文化遺産に登録されることを祈っています。」と話してくれました。2016年5月下旬には、三重県で世界中の首脳が一堂に会する伊勢志摩サミットが開催される予定です。ユネスコ世界無形遺産に2015年1月に登録された「和食」を始めとして、日本の伝統文化が海外のマスメディアなどで紹介される機会が益々増えてゆくと思われます。富田林寺内町に足をお運び戴ける外国人訪問者もこれから確実に増えてゆくことでしょう。 さて、この日の食事は、午前と午後のガイドの合間に、昼食をじないまち交流館の向かいにある食事処・八町茶屋で、腰のある手打ち蕎麦に舌鼓をうち、日没後には夕食を城之門筋に面したLAiDBACK CAFEで、ふわっとたまごのスパイシーカレーセット賞味しました。(2015年9月20日) |
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2015年9月21日午前(第3回)(南)葛原家住宅 |
2015年9月21日午後(第4回)城之門筋(日本の道百選) |
(旧)万里春酒造 酒蔵(南会所町) |
大型ドローンによる空中撮影(興正寺別院山門) |
9月21日(月、敬老の日)。晴れのち午後曇り。歴史まち歩きバイリンガルツアーの開催第2日目。午前の部では5名、午後の部では8名の来訪者(何れも日本人)をご案内しました。今回の企画チラシをご覧になって、じないまち交流館から当日ご参加を戴きました。 最初にじないまち交流館2階の集会室(和室)で、寺内町の歴史や建築様式、町並み保存の歩みをパワーポイントスライドで御紹介した後、いよいよまち歩きをスタート。旧家が軒を連ねる城之門筋(日本の道百選)を北から南に向けて興正寺別院を目指しました。城之門筋周辺は、江戸時代の町並み景観に配慮して、わざわざ電信柱を通りから少しだけ奥にずらして、電線が視界を遮らない様になっています。交通標識の柱の色も、周辺の景観に溶け込む様に、焦げ茶色に塗られています。散策の途中で、当て曲げの辻、紅梅蔵(味醂醸造用の蔵で、現在も醸造用に使われた高さ1.5メートルほどの甕が地中に埋めて保存されています。)、旧万里春酒造の酒蔵の順番に立ち寄りました。 江戸時代には、酒造りに適した豊富な地下水を井戸で汲み上げて、多くの商家で酒造業が盛んに行われていました。昭和の終わり頃に最後に残った一軒も廃業されてしまい、現在では酒造りに利用した土蔵だけが往時の名残を留めています。2015年10月3日(土)には、旧万里春酒造の酒蔵を会場に、酒蔵演劇祭が開かれます。 更に、杉田家住宅の屋根の鍾馗さんと城之門筋を挟んで筋向かいの田守家住宅の屋根の鬼瓦がお互いに睨み合うように置かれています。この場所では、鍾馗さんの故事や、京都三条の薬屋さんに伝わる伝承話を御紹介しました。 約450年前の戦国時代に開発された富田林寺内町の町割ですが、碁盤目状の区画をそれぞれ南北に分ける中間の位置には、深さ1メートルほどの下水排水路が設けられており、丁度、隣家が互いに背中合わせになることから「背割り水路」と呼ばれています。 午後の部のご案内では、偶然にも国の重要文化財に指定されている興正寺別院の山門前で、プロモーションビデオ制作の為に、話題の大型ドローンを利用した空中からのビデオ撮影が行われていました。大きな蜂が飛んできたのかと思うような、独特の大きな羽根音を響かせて、黒い蜘蛛が脚足を拡げた格好で二階の屋根の高さまで一気に上昇して、興正寺別院の山門前を行ったり来たりしながら、向かいの妙慶寺の大屋根の瓦をかすめるように「鳥の目線」で上空からの映像が撮影されていました。ツアー御参加者も、最近ニュースで話題になることが多いものの、普段なかなか目にする機会がない大型ドローンを使った空中撮影の光景を興味深く見学されていました。(2015年9月21日) |
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2015年9月22日午前(第5回)城之門筋(日本の道百選) |
2015年9月22日午後(第6回)仲村家住宅 |
ガイドツアーにご参加頂いた英国人女性 (泊や) |
お昼に賞味した素麺(泊や) |
老舗喫茶「ナロード」(本町筋) |
自家焙煎珈琲「平蔵」(紅梅蔵) |
2015年9月22日(火、国民の祝日)。歴史まち歩きバイリンガルツアー開催第3日目。 |
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2015年9月23日午前(第7回)奥谷家住宅(富山町) |
仲村家住宅土蔵のアートギャラリー「あーと馬の目」 |
2015年9月23日(水、秋分の日)。シルバーウイーク5連休の最終日。歴史まち歩きバイリンガルツアー開催第4日目を迎えました。ツアー最終日は、午前の部のみ開催しました。堺市と地元の富田林市からお越しになられた男女お二人をご案内しました。(何れも日本人)大阪地方の気温は、久しぶりに30度を超えて真夏日になり、汗ばむ陽気になりました。彼方此方と日陰を探しながら、通りを巡りました。城之門筋をしばらく歩いて、興正寺別院の本堂に入ると、天井が高く大きなお堂の中の空気はひんやりとして厳かな気配を感じ取りました。この後、ツアーの途中に、西林町の仲村家住宅の土蔵の中に2015年3月から新しく開いたアートギャラリー「あーと馬の目」(佐藤勝彦さんの絵画などの作品を集めて展示販売しているお店)にも立ち寄りました。このお店は週末と祝日にオープンしています。(2015年9月23日) |
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城之門筋(日本の道百選) |
重要文化財・(旧)杉山家住宅 |
さて、4日間で計7回のボランティアガイドを無事に終えることが出来ました。今回のツアーに御参加戴きました皆様、富田林寺内町まで足をお運び下さいまして有難うございました。また、富田林市役所、じないまち交流館、富田林市観光協会(きらめきファクトリー)、興正寺別院(富田林御坊)、紅梅蔵の自家焙煎珈琲「平蔵」など、今回のボランティアガイドツアーの企画、開催、連日の受入れに御尽力、御協力戴きました関係者の皆様にはこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。 近年、日本を訪れる外国人旅行者は予想以上に増えており、2016年5月には伊勢志摩サミットも開催されることから益々その数が増えそうな状況です。国内はもとより外国にも情報発信を増やして、富田林寺内町に世界中から足をお運び戴ける方々が増えることを願って止みません。まだまだ富田林寺内町にお越しになられる外国人個人旅行者は少ないかもしれませんが、日本人来訪者と訪日外国人旅行者がご一緒に町並みを巡りながら、相互交流を図れるバイリンガルツアーを是非、また企画してみたいと考えています。(了) |
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じないまち随想 | |
ご感想などお便りをお待ちしています。(管理人) |
(富田林市提供、禁無断転載)
富田林寺内町までの道順
寺内町へは近鉄長野線富田林駅又は富田林西口駅下車徒歩10分です。先ずはじないまち交流館へお立ち寄りください。
散策地図がもらえます
富田林駅前の観光案内所又はじないまち交流館で散策地図がもらえます。
立ち寄ってみたいお店
休憩所(トイレ)
じないまち交流館、寺内町センター、じないまち展望広場にあります。
車でお越しの方へ
寺内町は道幅が狭く、中には公共駐車場がありません。車でお越しの場合には、2014年2月に新しくオープンした富田林市営東駐車場(有料)をご利用ください。一般用の普通乗用車及び団体用のマイクロバス(1台分、市役所に要事前予約)を駐車できます。重要文化財・旧杉山家住宅まで徒歩5分、じないまち交流館まで徒歩15分。
尚、団体用の大型観光バスでお越しの際は、富田林市役所にお問い合わせください。宜しくご協力お願いします。
重要伝統的建造物群保存地区
富田林市富田林町の一部にあたる寺内町は、1997年(平成9年)に国から重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。大阪府下では唯一の指定となっています寺内町にある約500棟の建物の内、江戸時代から昭和初期頃までに建てられた181棟の建造物が伝統的建造物に特定されています。保存地区内において通常道路から見える建物等の外観の現状を変更(増改築、改修、模様替え、色彩の変更、新築、除却など)する時には、予め市教育委員会・文化財保護課に申請して許可を得る必要があります。伝統的民家(町家)は白壁、板塀、格子戸など往時の姿のままに外観の保存・復元・修景作業を終えて、今も人々が生活の場として暮らしながら、素朴で静かな佇まいを今に伝えています。
寺内町の主だった商家には由緒・由来を記した案内板が設けられ、石畳の街路には路面灯を兼ねた道標や案内標識なども整備されています。電信柱の配置や各戸の電気メーターなどもできる限り目立たないような工夫が施されています。
また、寺内町では伝統的な町並み景観に配慮して、新しく建築される建物も周囲の景観に調和した外観となっています。
興正寺別院(富田林御坊)
真宗興正寺派、富田林・寺内町の成立と発展の中心となった寺院です。地元の人からは御坊さん(富田林御坊)として親しまれています。
応永年間(1394-1412年)に毛人谷(えびたに)御坊に草創。 永禄3年(1560年)に京都・興正寺第16世証秀上人が現在地に移建。
城之門筋に表門を開き、鐘楼・鼓楼を構え、本堂・客殿・庫裏などを配する。 表門は桃山調の高いもので、もと伏見城門のひとつが興正寺に寄与されたものをここに移建したと伝えられています。
団体でお越しの場合には、地元のボランティア・ガイドによるご案内も可能です。(事前のお申込みが必要)
ガイドのお問い合わせや事前のお申込みは下記のじないまち交流館までお電話ください。
じないまち交流館
〒584-0033
大阪市富田林市富田林町9-29
TEL.0721-26-0110
FAX.0721-26-0110
(午前10時~午後5時、月曜休館、12月28日~1月4日休館)