霞ヶ浦流域等における野鳥観察記
霞ヶ浦流域等における野鳥観察記

●カイツブリ科

 カイツブリ,ハジロカイツブリ,ミミカイツブリ,カンムリカイツブリ


カイツブリ

  全長26cmで,日本で最小のカイツブリ科の鳥で,留鳥。カンムリカイツブリと並んでいるところを見ると,丸い体型と相まって,かわいらしく見えるが,夏には「ケレケレケレ」と体に似合わない大きな声でなく。
  霞ヶ浦(西浦)では,再生アシ原の付近でよく見かける。また,霞ヶ浦流域の大きなため池などでも,よく見かける。
   何度も潜水を繰り返すが,桜川市筑紫湖で観察した結果では,潜水時間の平均は21.8秒,標準偏差は4.6秒,最大が30秒,最小が13秒だった(2羽による合計26回の潜行)。


ハジロカイツブリ

  海が荒れているときの港内で見かけるほか,涸沼ではよく群れで見かける。さすがに,内陸に相当は入り込んだ位置にある霞ヶ浦(西浦)の土浦入りでは,見かけない。
 頭の黒色部が目の下まで伸びており,頭下側の白色部との境目が直線ではない。ミミカイツブリでは,目のすぐ下をとおる境目が直線的で明瞭。夏羽では,目の後ろに橙色の飾り羽がでる。  


ミミカイツブリ

  ハジロカイツブリと違って,群れをつくらず,数は多くない。ハジロカイツブリの群れに単独で混ざっているのを見かける。
  冬羽は,頭上部の黒色部と下部の白色部の境目が目のすぐ下を通っており,明瞭。
  夏羽では,目の後ろから後ろ上方に向かって,橙色の飾り羽が生える。


カンムリカイツブリ
  日本のカイツブリ科では最大のもの。冬鳥で,霞ヶ浦(西浦)や北浦などでは,単独で湖面に浮いたり潜行したりする姿を普通に見かける。夏羽では,顔の後ろに放射状に橙色の飾り羽がでる。霞ヶ浦(西)や北浦などでは,1月下旬ぐらいには,夏羽に換羽中の個体を見かけるが,換羽の時期は個体によって大きく違いがあるようだ。
  日本野鳥の会茨城支部報「ひばり」(平成22年1月号)に掲載された報告によると,これまで国内での繁殖は青森県,滋賀県で報告されているが,平成21年9月に,鉾田市地先の北浦で,カンムリカイツブリの親子が確認されたとのこと。