ムナグロ  (チドリ目カモメ科) ★★★(留鳥又は毎年定期的に見ることができる)


  成鳥夏羽では,頭から首,胸,腹,腰から下尾筒に至るまで黒く,背は,金色,黒,白のきめ細かい斑模様。幼鳥では,黒味が少ない。雌雄同色。
 よく群れで,「ピューイ,ピューイ」と鳴き交わしている。

  4月中旬から下旬にかけて,霞ヶ浦流域の代掻きが終わった水田などに飛来して,1週間ほど滞在して,渡去することが多い。30から50羽程度の群れで居ることが多いが,時に,群れからはぐれたのか,1羽でいる個体も見かける。筆者が観察している中で,毎年,ほぼ同じ時期に特定の場所の水田に群れが飛来している。確かめようがないが,もしかすると,毎年,同じ個体群がその場所に立ち寄るのかもしれません。
  一説によると,茨城県より南ではムナグロの観察例が少なくなることから,ムナグロは伊豆諸島から霞ヶ浦流域を通って北上(南下の場合はその逆)していくとのこと。そうであるとすると,霞ヶ浦周辺の水田はムナグロにとって格好の中継地となっているのでしょう。現に,日本野鳥の会茨城の調査によると,4月下旬のムナグロの観察数は,茨城県全体で2000羽を超えています。 
  しかしながら,日本野鳥の会茨城の調査では,近年,ムナグロの飛来数が減少しています。上に述べた特定の群れは,平成27年春に飛来数が激減し,29年春は,ついに飛来数がゼロとなってしまいました。


ムナグロ成鳥・夏羽(平成27年5月6日 かすみがうら市)


ムナグロ成鳥・冬羽(平成27年5月6日 かすみがうら市)