タカブシギ(チドリ目シギ科) ★★★(留鳥又は毎年定期的に見られる)


 中型のシギ科の鳥。体上面は,小さな白斑と褐色斑のモザイク模様に見えます。顔から胸は白地に縦斑があります。頭頂の薄い茶褐色と目の後ろまで伸びる眉斑が特徴。飛翔時に白い尾の先端に斑点が見えます。足は黄緑色であり,強い順光に当たると,より黄色味が強く見える。
 「ピイピイ」と鳴くが,鳴くことは多くない。

 霞ヶ浦流域では,9月頃にハス田などに姿を現し,翌年4月ごろまで姿を見かけます。渡来した頃には,多いときで10数羽の群れでいることが多いのですが,冬の間は,単独又は数羽の群れでいます。タカブシギの近くで,同大で体型も似ているクサシギを見ることがよくあります。
 平成24年度の改定により,環境省レッドデータで絶滅危惧UBに指定されたが,幸いなことに,霞ヶ浦流域では,越冬個体が毎シーズン見られますが,ここ数年は越冬個体が減少し,遭遇する確率が下がっているように思われます。

平成28年2月 土浦市。成鳥冬羽。


平成25年4月 土浦市。冬羽から夏羽へ換羽中。頸や胸,脇の斑が目立つようになってきた。 


平成28年5月 土浦市。更に夏羽に近いと思われる個体。


平成21年8月 土浦市。上面の褐色味が強く,白斑も少ないことから,この個体は幼鳥と思われる。また,タカブシギの脚が意外と長いことが分かる。


平成22年8月 土浦市。翼の下面は白で,黒いクサシギとの相違点。尾の先には斑紋があり,これがタカの尾に似ていることから,タカブシギの名が付いたという。


平成20年9月 土浦市。飛来当初は,こうした群れを形成していることが多い。時間の経過に連れ,徐々に群れはばらける。