大阪市内から近鉄電車で富田林駅まで30分。駅から徒歩10分。
ひっそりとした佇まいを残すお寺や町家を巡りながら、お手軽な歴史散歩に出かけてみませんか? 皆様のお越しをお待ちしています。
【Tourist guide to Jinaimachi town, Tondabayashi, a historic district and heritage site of Japan,Travelogues by Author - Series Vol. 37 English guided monitor tour of Jinaimachi Hina Dolls Festival on March 13, 2016】 | |
じないまち交流館2階集会室 |
奥谷家住宅 |
第10回じないまち雛めぐりの開催に合わせて、2016年3月13日(日曜日)には農と食と観光まちづくり推進協議会主催(事務局は株式会社インプリージョン)の特別イベントとして、「外国人訪日旅行者を寺内町にご案内する英語ガイドモニターツアー」が企画・開催されました。今後さらに増えることが見込まれている訪日外国人個人旅行者向けを想定して、寺内町界隈を英語ガイドでめぐる試みの企画です。
国際交流や日本文化の情報発信などにご興味やご関心をお持ち方々で、実際に外国人来訪者や地元大学の留学生を連れて寺内町を案内してみたいとの御希望者を中心に、富田林市内や周辺の地域から御参加頂きました。前回の2016年2月20日開催のインバウンドセミナーに続いて、事前にお申し込みを頂戴しました計18名の皆様に、小生(通訳案内士、管理人)がガイド役を務めました。参加費用は昼食代金としてお一人800円。 20160313 Guide presentation in English (PDF) |
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壱里山町 |
城之門筋 |
昨日に続いて、この日も朝から夕方までお天気に恵まれ、寺内町は多くの人出で賑わいました。(天気は下り坂で、夜から降雨) 英語ガイドモニターツアーは、先ずじないまち交流館2階集会室で、御参加者全員の自己紹介をお願いし、プログラムの概要などをスライド上映にて御説明しました。その後、じないまち交流館から昼食会場の仲村家住宅まで、第10回じないまち雛めぐりのイベントで賑わう寺内町界隈をゆっくりと散策しながら、約1時間半ほど掛けて、商家建築の特徴や戦国時代からの町割などを、随所随所にて日本語と英語にて御説明しました。 |
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紅梅蔵 |
味醂醸造の甕が地中に埋まっています。(紅梅蔵) |
味醂醸造の甕(紅梅蔵) |
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旧万里春酒造の酒蔵 |
旧万里春酒造の酒蔵(渡邊真様撮影) |
仲村家住宅までの途中では、この2日間、イベント開催で内部が特別公開されました旧万里春酒造の酒蔵(3月13日は雛めぐりキモノ市を開催)を見学し、城之門筋に面した杉田家住宅の前では、鍾馗(しょうき)さんと鬼瓦の切っても切れないエピソードや巴紋様の丸瓦に込められた人々の願いをご紹介しました。 | |
杉田家住宅(城之門筋)(渡邊真様撮影) |
田守家住宅(城之門筋) |
さらに、2014年9月に新たに国の重要文化財に指定された興正寺別院本堂にも立ち寄りました。本堂内では、江戸城の松の廊下を描いたとされる狩野寿石秀信の筆による襖絵「松竹梅」や、中国の故事に因んだ「二十四孝」について、蟇股(かえるまた)に施された彫刻の由来をお話しました。その後、興正寺別院の山門前では、雛飾りを前に御参加者全員での記念撮影を行いました。伏見城から移築されたとされる山門の由来や勅使門にまつわるエピソードもお話しました。 |
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興正寺別院(渡邊真様撮影) |
興正寺別院 |
興正寺別院 |
興正寺別院(渡邊真様撮影) |
今回の英語ガイドモニターツアーの最終地点にもなった仲村家住宅は、江戸時代に酒造業で大いに栄えた商家です。当時、富田林で豊かな地下水を利用して醸造された地酒は品質が優れていたことから、遠く江戸まで運ばれて徳川幕府に献上され、江戸でも消費されました。「下り酒」のエピソードをご紹介しました。 昼食会場の仲村家住宅の内部は、この2日間の為に特別公開されました。御参加の皆様には、富筋に面した長塀の中央部分にある玄関からお座敷にお上がり頂き、お待ちかねの「寺内町御膳」を御賞味頂きました。
お楽しみの昼食は、寺内町の旧家・仲村家に伝わる日記に記された、江戸時代の商家膳の献立を参考に再現した「寺内町御膳」を賞味しました。「寺内町御膳」は、2014年11月に初めて再現された企画で、その際には旧・田中家住宅にて試食会が催され、好評を博しました。(寺内町探訪記29を参照) |
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仲村家住宅 |
仲村家住宅(中井隆洋様撮影) |
仲村家住宅 |
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「寺内町御膳」 |
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今回のモニターツアーのために、地元の料理屋・朝日屋で特別に用意された「寺内町御膳」のお品書きから、献立の詳細は以下の通りです。 「寺内町御膳」を召し上がりながら、御参加者の皆様からそれぞれ英語ガイドモニターツアーの御感想をお伺いしてみました。これまで何度か寺内町に足を運ばれたことがある方々にとっても、皆さんのお住まいのすぐ近くに、江戸時代から続く貴重な歴史町が保存・継承されていることを改めて再認識された方も多くおられました。どなたもこれから機会があれば、外国のご友人、ご親族や訪日外国人旅行者を連れて富田林寺内町をぜひご案内してみたいとのことでした。お配りしました拙作英語ガイド資料を役立てたいとの嬉しいコメントも頂戴しました。早速ですが、御参加者の中にはこの日の午後に、大阪市内の西成区にあるゲストハウスに滞在されているフランスやオーストラリアからの訪日外国人旅行者4人他数名を寺内町にご案内されるご予定の方もおられました。 御参加頂きました皆さんには、フェイスブックやツィッターなどインターネットを通じて、富田林寺内町の情報発信についてぜひよろしくお願い申し上げます。昼食終了後、英語モニターツアーは予定どおり現地にて解散しました。 |
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午前中の英語ガイドモニターツアーご参加後、午後に訪日外国人旅行者をご案内されるご参加者(2016年3月13日) |
じないまち交流館 |
さて、前回の2016年2月20日(土)開催のインバウンドセミナーにも御参加頂いた方々が、今回も多く御参加賜りました。 募集定員人数(15名)を大きく上回る御参加者があり、ご関心の高さに嬉しくもあり、驚いています。また、事前にお申し込み頂いたにも関わらず、既に定員オーバー(ウエーティング)で御参加頂けなかった方も多くいらっしゃったと、主催者からお聞きしました。御参加頂けなかった方には、いつかまた同じような機会を設けてみたいと考えています。今回御参加を賜りました皆様、主催者、仲村家の御当主をはじめ富田林市役所や寺内町の多くの御関係者の皆様、御参加、御支援及び御協力誠に有難うございました。 2016年3月13日(日曜日) 管理人 (横浜市在住) |
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じないまち探訪記 | |
じないまち随想 | |
ご感想などお便りをお待ちしています。(管理人) |
(富田林市提供、禁無断転載)
富田林寺内町までの道順
寺内町へは近鉄長野線富田林駅又は富田林西口駅下車徒歩10分です。先ずはじないまち交流館へお立ち寄りください。
散策地図がもらえます
富田林駅前の観光案内所又はじないまち交流館で散策地図がもらえます。
立ち寄ってみたいお店
休憩所(トイレ)
じないまち交流館、寺内町センター、じないまち展望広場にあります。
車でお越しの方へ
寺内町は道幅が狭く、中には公共駐車場がありません。車でお越しの場合には、2014年2月に新しくオープンした富田林市営東駐車場(有料)をご利用ください。一般用の普通乗用車及び団体用のマイクロバス(1台分、市役所に要事前予約)を駐車できます。重要文化財・旧杉山家住宅まで徒歩5分、じないまち交流館まで徒歩15分。
尚、団体用の大型観光バスでお越しの際は、富田林市役所にお問い合わせください。宜しくご協力お願いします。
重要伝統的建造物群保存地区
富田林市富田林町の一部にあたる寺内町は、1997年(平成9年)に国から重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。大阪府下では唯一の指定となっています寺内町にある約500棟の建物の内、江戸時代から昭和初期頃までに建てられた181棟の建造物が伝統的建造物に特定されています。保存地区内において通常道路から見える建物等の外観の現状を変更(増改築、改修、模様替え、色彩の変更、新築、除却など)する時には、予め市教育委員会・文化財保護課に申請して許可を得る必要があります。伝統的民家(町家)は白壁、板塀、格子戸など往時の姿のままに外観の保存・復元・修景作業を終えて、今も人々が生活の場として暮らしながら、素朴で静かな佇まいを今に伝えています。
寺内町の主だった商家には由緒・由来を記した案内板が設けられ、石畳の街路には路面灯を兼ねた道標や案内標識なども整備されています。電信柱の配置や各戸の電気メーターなどもできる限り目立たないような工夫が施されています。
また、寺内町では伝統的な町並み景観に配慮して、新しく建築される建物も周囲の景観に調和した外観となっています。
興正寺別院(富田林御坊)
真宗興正寺派、富田林・寺内町の成立と発展の中心となった寺院です。地元の人からは御坊さん(富田林御坊)として親しまれています。
応永年間(1394-1412年)に毛人谷(えびたに)御坊に草創。 永禄3年(1560年)に京都・興正寺第16世証秀上人が現在地に移建。
城之門筋に表門を開き、鐘楼・鼓楼を構え、本堂・客殿・庫裏などを配する。 表門は桃山調の高いもので、もと伏見城門のひとつが興正寺に寄与されたものをここに移建したと伝えられています。
団体でお越しの場合には、地元のボランティア・ガイドによるご案内も可能です。(事前のお申込みが必要)
ガイドのお問い合わせや事前のお申込みは下記のじないまち交流館までお電話ください。
じないまち交流館
〒584-0033
大阪市富田林市富田林町9-29
TEL.0721-26-0110
FAX.0721-26-0110
(午前10時~午後5時、月曜休館、12月28日~1月4日休館)