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富田林寺内町の探訪

江戸時代の町並みが残る寺内町(じないまち)をご紹介します

大阪市内から近鉄電車で富田林駅まで30分。駅から徒歩10分。
ひっそりとした佇まいを残すお寺や町家を巡りながら、お手軽な歴史散歩に出かけてみませんか? 皆様のお越しをお待ちしています。

じないまち訪問記66 歴史まち歩きバイリンガルツアー2019春

EnglishTourist guide to Jinaimachi town, Tondabayashi, a historic district and heritage site of Japan,Travelogues by Author - Series Vol. 66 Billingual guided tour in spring 2019 held on May 1-5, 2019
天皇陛下の退位、新天皇の即位に伴い、約30年間続いた「平成」の時代が4月30日に終わり、翌5月1日から「令和」の時代が始まりました。このため、今年のゴールデンウィークは4月27日(土)から5月6日(月)にかけて10連休の長期休暇になりました。国内・海外に遠出したり、新たな趣味や地域社会でのサークル活動を始めるなど普段はなかなかできない経験に打ち込んだり、各地のイベントなどに参加された皆さんも多かったことでしょう。

私は実家に帰省して、富田林寺内町で恒例となりました「歴史まち歩きバイリンガルガイドツアー2019春」を5月1日から5日まで5日間(計10回)開催しました。4月初旬にホームページでツアー企画をお知らせして、参加ご希望者を事前予約で募りました。じないまち交流館きらめきファクトリー(富田林市観光協会)や富田林市役所文化財課のご協力を得て、無事に開催にこぎつけることが出来ました。

ご参加者数は以下の通りです。日本人ご来訪者に交じって、訪日外国人旅行者がご参加の各回では日本語に加えて、英語でもご案内しています。

開催日時・天候・案内言語 参加人数
(内、訪日外国人)
外国人参加者の国籍 
第1回 2019年5月1日(水)午前 日本語・英語  8人(1人) 中国人(女性)
第2回 2019年5月1日(水)午後 日本語・英語 17人(1人)  フィリピン(女性)
第3回 2019年5月2日(木)午前 日本語・英語 9人(1人)  中国(女性)
第4回 2019年5月2日(木)午後 日本語・英語 26人(1人)  韓国(男性)
第5回 2019年5月3日(金)午前 日本語のみ 10人   
第6回 2019年5月3日(金)午後 日本語のみ 26人   
第7回 2019年5月4日(土)午前 日本語・英語 12人(2人)  フランス(女性)
メキシコ(女性)
第8回 2019年5月4日(土)午後 日本語のみ 17人 
第9回 2019年5月5日(日)午前 日本語・英語 12人(3人)  タイ(女性3人)
第10回 2019年5月5日(日)午後 日本語のみ 12人   
合計 149人(9人)  女性8人、男性1人

日本を訪問される外国人旅行者の人数が2018年(1-12月)も過去最高を更新しました。街やレストラン、電車の車中でスーツケースを持った外国人旅行者を見かけない日はなくなりました。日本の日常の風景がスマートフォンのSNSで写真情報として世界中に発信されています。日本人があまり行かないような、外国人の視点から見たホットスポットに多くの外国人旅行者が足を運んでおられます。

今回の「歴史まち歩きバイリンガルガイドツアー2019春」の特別企画を通じて、富田林寺内町にも個人旅行を楽しむ外国人旅行者が少しずつ増えてきたことを実感しました。寺内町の通りの角の石段に腰を下ろして、のんびりと古民家を眺めておられる外国人女性の姿がとても印象的でした。翌日にバイリンガルガイドツアーにもご参加頂きましたが、富田林寺内町の女性専用ゲストハウス「泊りや」に数日間滞在して、異文化を満喫されているご様子でした。
 歴史まち歩きバイリンガルツアー2019春(5月1日ー5月5日)にご参加頂きました皆様

第1回(2019年5月1日午前)@(旧)杉山家住宅

第2回(2019年5月1日午後)@興正寺別院本堂

第4回(2019年5月2日午後)@(南)葛原家住宅

第5回(2019年5月3日午前)@興正寺別院境内

第6回(2019年5月3日午後)@仲村家住宅

第7回(2019年5月4日午前)@田守家住宅

第9回(2019年5月5日午前)@田守家住宅

第10回(2019年5月5日午後)@田守家住宅
歴史まち歩きバイリンガルツアー2019春(5月3日午前)の様子(撮影協力:じないまち交流館 小野様)

歴史まち歩きレクチャー@じないまち交流館

伏見城から興正寺本山(京都)を経て富田林に移築されたと伝えられる興正寺別院山門

(南)葛原家住宅三階蔵 - 寺内町のランドマーク

中国「二十四孝」の蛙股彫刻興正寺別院本堂
 
背割り水路(下水路)@城之門筋

吉田松陰が滞在した仲村家住宅(大阪府有形文化財)

重要文化財・(旧)杉山家住宅
 歴史まち歩きバイリンガルツアー2019春(5月4日午後)の様子(撮影協力:じないまち交流館 小野様)
 
歴史まち歩きレクチャー@じないまち交流館
 
城之門筋(日本の道百選)壱里山町の角
 
越井家住宅(材木商)
 
越井家住宅(材木商)
 
(北)越井家住宅(左)と越井家住宅(右)

佐藤家住宅(味醂醸造) 
 
佐藤家住宅・紅梅蔵 - 味醂醸造に使われた甕
 
杉田家住宅(左手、菜種油屋)と田守家住宅(右手、河内木綿問屋)
 
伏見城から興正寺本山(京都)を経て富田林に移築されたと伝えられる興正寺別院山門
 歴史まち歩きバイリンガルツアー2019春(5月5日午前)の様子(撮影協力:じないまち交流館 小野様) 
 
歴史まち歩きレクチャー@じないまち交流館
 
紅梅蔵佐藤家住宅、味醂醸造に使われた甕)
 
薬師堂(恋文薬師)

江戸時代に若い男女が交わした恋文を固めて作られたと伝えられる薬師如来像が堂内に安置されています。

お堂の正面の扉の一隅だけお堂の内部を覗かれるように小さな穴が空いています。ご参加の皆さんにはこの穴からライトアップされた恋文薬師を順番に覗いて(拝観)頂きました。スマートフォンでそれぞれ撮影された恋文薬師をお守り代わりに大切にしまっておいてください。
 
(南)葛原家住宅三階蔵

寺内町の歴史的建造物では最も高い建物です。言わば寺内町のランドマークとも呼べる貴重な三階蔵です。

ツアーご参加者には日陰にお入り頂いて、南会所町(通り)の両側に立ち並ぶ葛原家住宅(右手),(南)葛原家住宅(左手)を順番にご案内しました。
 
杉田家住宅(菜種油屋)と鍾馗さん
 
大規模解体修理工事が計画されている興正寺本堂
 
タイからのご来訪者の皆さん(興正寺本堂
 
タイからのご来訪者の皆さん(興正寺本堂
 
駒つなぎの石(城之門筋林町
 
吉田松陰が滞在した仲村家住宅(大阪府有形文化財)
 
重要文化財・(旧)杉山家住宅
杉山家の長女として生まれた明治の女流歌人・石上露子は波瀾万丈の人生を送り、山崎豊子の小説「花紋」(新潮文庫)のモデルになりました。
時代が「令和」に代わった2019年5月1日。朝日新聞朝刊(大阪地域版)に「歴史まち歩きバイリンガルガイドツアー2019春」が紹介記事として掲載されました。朝日新聞の記事をご覧になってご興味・ご関心を持って頂いた方々がたくさんガイドツアーにご参加頂きました。 

この結果、事前予約参加、当日参加、ツアー出発以降の途中参加を合わせて、5日間で合計149人にツアーにご参加頂きました。訪日外国人の個人旅行者も9人含まれています。初日はあいにくの小雨模様でしたが、残りの日程は五月晴れに恵まれ、夏日となりました。連日の大盛況で、嬉しい限りです。皆さんとの一期一会の出会いを大切に思い、精一杯ご案内に努めました。

また、機会がございましたら、「ゆったりとした時間の流れ」や、「何物にも代えがたい癒やしの時間や空間」を求めて、ふらりと富田林寺内町をお訪ねになってください。皆様のお越しを心待ちにしております。ご参加有り難うございました。

20195月6日(月曜日)管理人 奥谷直也(横浜市在住)
江戸時代創業の老舗和菓子屋・柏屋葛城堂

富田林駅前(旧170号線沿い)

店舗シャッターには金剛・葛城連山が描かれています。商品の包装紙にもこの図柄が使われています。
城之門筋 (日本の道百選)
 
奥谷家住宅
 
PL大平和祈念塔を遠くに望む
 Buple (じないまち交流館近く)
   
 Zakka+++marche (じないまち交流館前)
じないまち探訪記
じないまち随想 
 ご感想などお便りをお待ちしています。(管理人)

Information


(富田林市提供、禁無断転載)

歴史(略年譜)
1561年 富田林寺内町の誕生
    (興正寺別院開基) 
1574年 浄谷寺、富田林移転
1582年 本能寺の変
1580年 豊臣秀吉 天下統一
1600年 関ヶ原の戦い

1608年 妙慶寺開基
1615年 江戸幕府の天領
1638年 興正寺別院本堂再建
1644年 杉山家住宅建造
1688年 51業種149店舗が商売

1720年頃 妙慶寺本堂再建
1751年 防火用心石碑
1753年 木口家住宅建造
1775年 町割が六筋八町に
1782年 仲村家住宅建造

1830年 浄谷寺本堂再建
1853年 吉田松陰仲村家に逗留
1854年 (南)葛原家三階蔵建築
1868年 明治元年
1875年 大久保利通 杉山家訪問
1883年 警察署、郡役所富田林へ
1898年 河陽鉄道富田林開通

1923年 大阪鉄道があべの橋開通
1926年 金剛自動車運行

1947年 農地改革
1957年 府教育委員会 町家調査
1983年 旧杉山家住宅 重文指定
1986年 城之門筋 日本の道百選
1990年 仲村家住宅 府文化財
1997年 重要伝統的建造物群保存地区選定

2007年 美しい日本の歴史的風土     百選
2009年 都市景観大賞「美しいま     ちなみ優秀賞」受賞
2014年 興正寺別院 重文指定

重要伝統的建造物群保存地区
富田林市富田林町の一部にあたる寺内町は、1997年(平成9年)に国から重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。大阪府下では唯一の指定となっています寺内町にある約500棟の建物の内、江戸時代から昭和初期頃までに建てられた181棟の建造物が伝統的建造物に特定されています。保存地区内において通常道路から見える建物等の外観の現状を変更(増改築、改修、模様替え、色彩の変更、新築、除却など)する時には、予め市教育委員会・文化財保護課に申請して許可を得る必要があります。伝統的民家(町家)は白壁、板塀、格子戸など往時の姿のままに外観の保存・復元・修景作業を終えて、今も人々が生活の場として暮らしながら、素朴で静かな佇まいを今に伝えています。

寺内町の主だった商家には由緒・由来を記した案内板が設けられ、石畳の街路には路面灯を兼ねた道標や案内標識なども整備されています。電信柱の配置や各戸の電気メーターなどもできる限り目立たないような工夫が施されています。

また、寺内町では伝統的な町並み景観に配慮して、新しく建築される建物も周囲の景観に調和した外観となっています。


興正寺別院(富田林御坊)

真宗興正寺派、富田林・寺内町の成立と発展の中心となった寺院です。地元の人からは御坊さん(富田林御坊)として親しまれています。


応永年間(1394-1412年)に毛人谷(えびたに)御坊に草創。 永禄3年(1560年)に京都・興正寺第16世証秀上人が現在地に移建。

城之門筋に表門を開き、鐘楼・鼓楼を構え、本堂・客殿・庫裏などを配する。 表門は桃山調の高いもので、もと伏見城門のひとつが興正寺に寄与されたものをここに移建したと伝えられています。

富田林寺内町までの道順
寺内町へは近鉄長野線富田林駅又は富田林西口駅下車徒歩10分です。先ずはじないまち交流館へお立ち寄りください。

散策地図がもらえます
富田林駅前の観光案内所又はじないまち交流館散策地図がもらえます。

立ち寄ってみたいお店

休憩所(トイレ)
じないまち交流館寺内町センターじないまち展望広場にあります。

車でお越しの方へ
寺内町は道幅が狭く、中には公共駐車場がありません。車でお越しの場合には、2014年2月に新しくオープンした富田林市営東駐車場(有料)をご利用ください。一般用の普通乗用車及び団体用のマイクロバス(1台分、市役所に要事前予約)を駐車できます。重要文化財・旧杉山家住宅まで徒歩5分、じないまち交流館まで徒歩15分。

尚、団体用の大型観光バスでお越しの際は、富田林市役所にお問い合わせください。宜しくご協力お願いします。

ボランティア・ガイド




団体でお越しの場合には、地元のボランティア・ガイドによるご案内も可能です。(事前のお申込みが必要)

ガイドのお問い合わせや事前のお申込みは下記のじないまち交流館までお電話ください。


じないまち交流館
〒584-0033
大阪市富田林市富田林町9-29
TEL.0721-26-0110
FAX.0721-26-0110
(午前10時~午後5時、月曜休館、12月28日~1月4日休館)

 立ち寄ってみたいお店
 寺内町の見どころガイド (1/2)
 寺内町の見どころガイド (2/2)
 寺内町の町割(都市計画)
 城之門筋(日本の道百選)
 壱里山町
 富山町(とみやまちょう)
 北会所町
 南会所町
 堺町(堺筋)
 御坊町
 林町
 寺内町の入り口
 東高野街道
 重要文化財・興正寺別院
 重要文化財・(旧)杉山家住宅
 寺内町の建築様式
 屋根・屋根瓦
 虫籠窓
 格子窓
 土蔵
 煙だしの越屋根
 鐘馗さん(魔除けの瓦人形)
 袖うだつ
 歴史的建造物一覧(寺院・町家)
 歴史的町並み保存の歩み
 歴史的町並み景観の整備・保全
 歴史逸話
 明星派女流歌人・石上露子
 寺内町せんべい
 Art Gallery
 Books(寺内町関連の書籍)
じないまち瓦版(富田林寺内町をまもりそだてる会会報)
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 参考資料一覧
 Link

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