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富田林寺内町の探訪

江戸時代の町並みが残る寺内町(じないまち)をご紹介します

大阪市内から近鉄電車で富田林駅まで30分。駅から徒歩10分。
ひっそりとした佇まいを残すお寺や町家を巡りながら、お手軽な歴史散歩に出かけてみませんか? 皆様のお越しをお待ちしています。

2017年度「関西まちづくり賞」を受賞しました。(2018年4月7日)

Tourist guide to Jinaimachi town, Tondabayashi, a historic district and heritage site of Japan - The Kansai town planning and development award 2017
公益社団法人日本都市計画学会関西支部関西まちづくり委員会が審査選考する2017年度「関西まちづくり賞」(成果・実績の名称:多様な主体による富田林市寺内町の地域資源を次代に引き継ぐ取組み)を富田林寺内町が受賞しました。2018年4月7日(土)に大阪市内で授賞式が開催されました。

2017年度で第20回目を迎えた「関西まちづくり賞」の記念すべき節目の年に、富田林寺内町がこれまでの多様な主体による取り組みの積み重ねが都市計画の専門家から評価され選ばれました。  
 
第20回関西まちづくり賞 表彰式
富田林寺内町 LLPまちかつ代表 佐藤康平氏(中央)
(2018年4月7日、母倉修様撮影)
 
第20回関西まちづくり賞 表彰式
(2018年4月7日、母倉修様撮影))
 
第20回関西まちづくり賞 表彰式
富田林寺内町 出席者一同で記念撮影
(2018年4月7日、母倉修様撮影)
 
第20回関西まちづくり賞 表彰式
富田林、藤井寺、柏原からの出席者一同で記念撮影
(2018年4月7日、母倉修様撮影)
受賞式では、LLPまちかつの佐藤康平代表が表彰状を、富田林・寺内町をまもりそだてる会の橋川光司会長が盾を代表して受け取り、富田林寺内町のまちづくりに長年関わっておられる京都外国語大学の吉兼秀夫特任教授(富田林農と食と観光まちづくり推進協議会会長)がプレゼンテーションを、佐藤康平LLPまちかつ代表が引き続き開催されたミニシンポジウムにおいてパネルディスカッションのパネラーとしてお話されました。

また、「関西まちづくり賞」への応募申請書作成では、長年関西のまちづくり企画・運営に関わっておられる株式会社インプリージョン/大阪府立大学観光産業戦略研究所客員研究員 (大阪市阿倍野区)の母倉修さんが尽力されました。
 ダウンロード 受賞記念プレゼンテーション(京都外国語大学 吉兼秀夫特任教授・富田林農と食と観光まちづくり推進協議会会長)
 
第20回関西まちづくり賞 表彰式
パネルディスカッションの様子
(2018年4月7日、母倉修様撮影)
 
第20回関西まちづくり賞 表彰式
パネルディスカッションの様子
(2018年4月7日、母倉修様撮影)
今回の受賞にご尽力されました、株式会社インプリージョン/大阪府立大学観光産業戦略研究所客員研究員 (大阪市阿倍野区)の母倉修さんから、

①富田林寺内町の魅力、
②外国人来訪者(インバウンド)増加に向けた情報発信のあり方、
③富田林寺内町のまちづくりの未来に向けて今やるべきこと

についての貴重なご提言をご寄稿頂きました。
 
着物姿でぶらり散歩が似合う町
 
町家を改修した陶工房のお店
①富田林寺内町の魅力とは?

富田林寺内町は460年近くの時空を超えて400m四方の町割りが今に残り、そこには江戸から明治、大正、昭和の建物が広がり、約500世帯の人たちが暮らしています。 居住者の高齢化や空き家の進行が進む大阪府下唯一の重伝建地区の維持・発展を、従来の「富田林寺内町をまもり・そだてる会」による保存・保全等の活動に加えて、通りや町家の屋内空間を能動的に交流の原資として様々なまちづくり組織が活動し、資源価値の保護に配慮しつつ新たな暮らし文化を創造していくまちづくりに取り組んでいます。  
 
日本の道百選・城之門筋
 
寺内町発展の礎である重要文化財・興正寺別院
その魅力の特徴を整理すること次のようになります。

〇重伝建地区は従来から写真やスケッチの素材となり、カメラやキャンバスを持った人たちの来訪が多くみられるものの、これらの人たちは、道路空間や町家のファサードを映像や絵の素材として利用するだけとどまっています。

〇これに加えて約460年前の当て曲げの辻が今に残る道路空間をキモノ散歩やガイド(じないまちボランティア・ガイドの会)が案内するまち歩き観光により交流空間として活用されています。

〇寺内町の和テーストによる佇まいや町家空間に親和性を感じ、空き家や空きスペースに出店意欲を有する個人や事業者と空き家や空きスペース所有者とをつなぐ「LLPまちかつ」の取り組みから、これらの利活用が進み町家の屋内空間へ来街者を導き、じないまちでの滞在時間の拡大を生み出しています。

〇これにより、重伝建地区の通りを歩くことが主体の従来の来街者行動から町家の内部に関心を訴求し、店主との会話から親和性を生み出し域内消費の喚起から出店者の事業継続の環境づくりに結び付けています。

以上のようなことが、現在の寺内町の魅力につながっていると思います。
 
重要文化財・(旧)杉山家住宅(内部見学可)
 
昔の花嫁行列を再現
②外国人来訪者(インバウンド)増加に向けた情報発信のあり方は?

寺内町は、近鉄南大阪線・長野線や南海高野線(河内長野経由)を利用することによりインバウンドの来訪で賑わう“あべのハルカス”から30分弱で訪れることができる位置にあります。

観光庁がまとめた2017年の訪日外国人旅行者の訪日回数と消費動向調査によれば、訪日回数が2回以上におよぶ「リピーター」の数は61.4%の1761万人で、訪日旅行者数の増加に伴いリピーターの数が年々増加し2017年は前年に比べて300万人以上増加しました。 リピーター比率を国別は韓国(30%)が最も多く、続いて台湾(25%)、中国(18%)、香港(13%)の順となり、これら4か国・地域でリピーターの86%を占めています。これらの多くは関西国際空港を利用しています。 訪日リピーターによる日本での過ごし方をみると、韓国、台湾、香港ではリピーターの地方訪問率が高くなる傾向にあり、中国は、訪問率自体に大きな変化はないものの訪日回数が増えるほどエリアが拡大する傾向にあります。

一方、日本を訪れた訪日外国人観光客がどのような情報を見て日本を訪れているのかを観光庁調査した「訪日外国人の消費動向 平成28年10-12月期報告書」を見ると、「個人のブログ」(29.4%) が最も多く、その次は「旅行ガイドブック」(17.7%)、「自国の親族・知人」(17.5%)が僅差と2位と3位となり、「旅行会社ホームページ」(16.8%)、「日本政府観光局ホームページ」(16.7%)と続いています。また、日本滞在中に最も役立ったと考えている情報源はGPS情報を利用したマップ、オンラインの観光案内、営業時間の確認などができるスマートフォンで「インターネット(スマートフォン)」(66.2%) という結果となっています  

富田林寺内町は、インバウンド市場の追い風を立地条件の良さで的確にとらえ、日本の暮らし文化に触れ、楽しくことができる地域魅力を、「個人のブログ」を活用し口コミ効果を有効に課すようして発信し、来街者には「インターネット(スマートフォン)」でアリの目情報を提供する環境を整える必要があります。
 
戦国時代からの町割
 
味醂を醸造していた紅梅蔵(佐藤家住宅)
③富田林寺内町のまちづくりの未来に向けて今やるべきことは?

今回、日本都市計画学会関西支部から授与された「関西まちづくり賞」は、まもり・そだてる会が地道に取り組んでこられた資源保護・保全活動をベースに、ボランティアガイドの会やトラストによる交流の仕組みづくり、LLPのマッチングにより出店した町家を活用した店舗空間を生み出し、農と食と観光まりづくり推進協議会が取り組んだ外からの目から店舗内部に関心を訴求する店主によるワークショップから会話を生み出し親和性を高め、域内消費喚起に結び付け出店者の事業継続の環境づくりの取り組みが評価されたものです。

未来に向けては、これらの取り組みの継続性に加えて、大規模町屋の利活用(飲食や寺内町の暮らし体験コンテンツ提供、宿泊、多目的交流等の機能)を土地・建物所有や住民、店舗オーナー、外部の有識者(研究者や事業者、金融機関等)、行政等が参画する研究会を組織し議論を深め、出口を見つけ出し皆で行動に移す必要があると思います。

加えて、寺内町の資源価値を損なうことなく観光客を受け入れ付加価値の高いサービスを提供するマネジメント組織づくり(観光分野ではDMC:Destination Management Companyにあたります)に取り組んでいく必要があると思います。
 
江戸時代には酒造業で栄えた仲村家住宅
 
有形文化財・旧田中家住宅(内部見学可)
じないまち散策MAP
 
 お店のインフォメーション(Food, Beverage,Guest House, Accessary & Handycrafts, Massage) 
 
  
Accessary & Handycrafts, Massage Food, Beverage Guest House
1 芦田書店 2 町家カフェ 栞 3 マメトコナ 
4 柏屋葛城堂  5 絵の工房 寺内町がれりあ 6 Un Village 
7  香夢庵 8  喫茶ナロード 9 じないまちclassico 
10 パン工房 泰  11 八町茶屋  12 寺内町きっちんあい 
13 ヤングハート  14 紅梅蔵平蔵今昔の玉手箱 15 Buple
16 蔵ギャラリー くすのき  17 たびもぐらカフェ 18  ポクー・レコード
19 緑の小道  20 Laidback Cafe  21 木くま館箱田商店COCOギャラリー
22 中林寝装店 23 ご婦人の宿 泊や 24 Yim Yeem 
25 峯風庵 26 23番地。 27 mane-ten-cafe
28 kinogu 29 VitaRomantica 30 陶工房 飛鳥
31 あーと馬の目  32 oasi
1 きらめきファクトリー 2 じないまち交流館 3 寺内町センター
4 じないまち展望広場 5 重要文化財(旧)杉山家住宅 6 登録文化財(旧)田中家住宅
1 重要文化財 興正寺別院 2 妙慶寺 3 浄谷寺
4 薬師堂 5 富栄戎神社 6 北口地蔵
7 本町地蔵 8 西口地蔵
じないまち探訪記
じないまち随想 
 ご感想などお便りをお待ちしています。(管理人)

Information


(富田林市提供、禁無断転載)

富田林寺内町までの道順
寺内町へは近鉄長野線富田林駅又は富田林西口駅下車徒歩10分です。先ずはじないまち交流館へお立ち寄りください。

散策地図がもらえます
富田林駅前の観光案内所又はじないまち交流館散策地図がもらえます。

立ち寄ってみたいお店

休憩所(トイレ)
じないまち交流館寺内町センターじないまち展望広場にあります。

車でお越しの方へ
寺内町は道幅が狭く、中には公共駐車場がありません。車でお越しの場合には、2014年2月に新しくオープンした富田林市営東駐車場(有料)をご利用ください。一般用の普通乗用車及び団体用のマイクロバス(1台分、市役所に要事前予約)を駐車できます。重要文化財・旧杉山家住宅まで徒歩5分、じないまち交流館まで徒歩15分。

尚、団体用の大型観光バスでお越しの際は、富田林市役所にお問い合わせください。宜しくご協力お願いします。

重要伝統的建造物群保存地区
富田林市富田林町の一部にあたる寺内町は、1997年(平成9年)に国から重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。大阪府下では唯一の指定となっています寺内町にある約500棟の建物の内、江戸時代から昭和初期頃までに建てられた181棟の建造物が伝統的建造物に特定されています。保存地区内において通常道路から見える建物等の外観の現状を変更(増改築、改修、模様替え、色彩の変更、新築、除却など)する時には、予め市教育委員会・文化財保護課に申請して許可を得る必要があります。伝統的民家(町家)は白壁、板塀、格子戸など往時の姿のままに外観の保存・復元・修景作業を終えて、今も人々が生活の場として暮らしながら、素朴で静かな佇まいを今に伝えています。

寺内町の主だった商家には由緒・由来を記した案内板が設けられ、石畳の街路には路面灯を兼ねた道標や案内標識なども整備されています。電信柱の配置や各戸の電気メーターなどもできる限り目立たないような工夫が施されています。

また、寺内町では伝統的な町並み景観に配慮して、新しく建築される建物も周囲の景観に調和した外観となっています。


興正寺別院(富田林御坊)

真宗興正寺派、富田林・寺内町の成立と発展の中心となった寺院です。地元の人からは御坊さん(富田林御坊)として親しまれています。


応永年間(1394-1412年)に毛人谷(えびたに)御坊に草創。 永禄3年(1560年)に京都・興正寺第16世証秀上人が現在地に移建。

城之門筋に表門を開き、鐘楼・鼓楼を構え、本堂・客殿・庫裏などを配する。 表門は桃山調の高いもので、もと伏見城門のひとつが興正寺に寄与されたものをここに移建したと伝えられています。

歴史(略年譜)
1560年 富田林寺内町の誕生
    (興正寺別院開基) 
1574年 浄谷寺、富田林移転
1582年 本能寺の変
1580年 豊臣秀吉 天下統一
1600年 関ヶ原の戦い

1608年 妙慶寺開基
1615年 江戸幕府の天領
1638年 興正寺別院本堂再建
1644年 杉山家住宅建造
1688年 51業種149店舗が商売

1720年頃 妙慶寺本堂再建
1751年 防火用心石碑
1753年 木口家住宅建造
1775年 町割が六筋八町に
1782年 仲村家住宅建造

1830年 浄谷寺本堂再建
1853年 吉田松陰仲村家に逗留
1854年 (南)葛原家三階蔵建築
1868年 明治元年
1875年 大久保利通 杉山家訪問
1883年 警察署、郡役所富田林へ
1898年 河陽鉄道富田林開通

1923年 大阪鉄道があべの橋開通
1926年 金剛自動車運行

1947年 農地改革
1957年 府教育委員会 町家調査
1983年 旧杉山家住宅 重文指定
1986年 城之門筋 日本の道百選
1990年 仲村家住宅 府文化財
1997年 重要伝統的建造物群保存地区選定

2007年 美しい日本の歴史的風土     百選
2009年 都市景観大賞「美しいま     ちなみ優秀賞」受賞
2014年 興正寺別院 重文指定
2018年 関西まちづくり賞受賞
2018年 重要伝統的建造物群保存地区・西側に選定地区拡大

ボランティア・ガイド




団体でお越しの場合には、地元のボランティア・ガイドによるご案内も可能です。(事前のお申込みが必要)

ガイドのお問い合わせや事前のお申込みは下記のじないまち交流館までお電話ください。


じないまち交流館
〒584-0033
大阪市富田林市富田林町9-29
TEL.0721-26-0110
FAX.0721-26-0110
(午前10時~午後5時、月曜休館、12月28日~1月4日休館)

 立ち寄ってみたいお店
 寺内町の見どころガイド (1/2)
 寺内町の見どころガイド (2/2)
 寺内町の町割(都市計画)
 城之門筋(日本の道百選)
 壱里山町
 富山町(とみやまちょう)
 北会所町
 南会所町
 堺町(堺筋)
 御坊町
 林町
 寺内町の入り口
 東高野街道
 重要文化財・興正寺別院
 重要文化財・(旧)杉山家住宅
 寺内町の建築様式
 屋根・屋根瓦
 虫籠窓
 格子窓
 土蔵
 煙だしの越屋根
 鐘馗さん(魔除けの瓦人形)
 袖うだつ
 歴史的建造物一覧(寺院・町家)
 歴史的町並み保存の歩み
 歴史的町並み景観の整備・保全
 歴史逸話
 明星派女流歌人・石上露子
 寺内町せんべい
 Art Gallery
 Books(寺内町関連の書籍)
じないまち瓦版(富田林寺内町をまもりそだてる会会報)
 じないまちボランティアガイド
 地域活性化への取り組み
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 参考資料一覧
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