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富田林寺内町の探訪

江戸時代の町並みが残る寺内町(じないまち)をご紹介します

大阪市内から近鉄電車で富田林駅まで30分。駅から徒歩10分。
ひっそりとした佇まいを残すお寺や町家を巡りながら、お手軽な歴史散歩に出かけてみませんか? 皆様のお越しをお待ちしています。

寺内町の建築(続き)

Tourist guide to Jinaimachi town, Tondabayashi, a historic district and heritage site of Japan, fine arts of architecture, Page 2/2
 伝統的建造物・町家建築(民家建築)の造形
 
小庇・漆喰塗り装飾持ち送り(東奥谷家住宅

切妻・通気口(葛原家住宅
 
兜造り(奥谷家住宅
 
八棟造り(南奥谷家住宅
 
表屋造り(仲村家住宅

稚児棟・一の鬼(南葛原家住宅

置き屋根(田守家住宅) 

忍び返し・犬矢来(奥谷家住宅
 
駒寄せ (仲村家住宅)

駒つなぎ (橋本家住宅
 
無双窓(荒格子・べかこ窓)(橋本家住宅

親子格子(葛原家住宅) 
 
独立型出格子(南葛原家住宅

硝子ショウ・ウィンドウ (木口家住宅
 
付格子窓(木口家住宅
 
出格子窓(東奥谷家住宅
 
持ち送り(東奥谷家住宅

防火水槽(奥谷家住宅
 
揚げ見世 (上げ床机)木口家住宅

揚げ見世 (上げ床机)木口家住宅
 
薬医門(興正寺別院

吹き放し鐘楼(興正寺別院) 
 
花頭窓(興正寺別院
 
箱段(嶋田家住宅
「家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬は、いかなる所にも住まる。暑き比わろき住居は、堪へ難き事なり。」
(徒然草第55段、兼好法師)

寺内町の伝統的商家の建物も、高温多湿の夏をむねとして建築されています。
天井が高く、床は高床(高さ40cmくらいで、腰かけの高さにちょうど良い)、床下も空気が通るような構造です。南側に窓(開口部)を大きくとらないため、室内に陽が奥まで射し込まず、内部はひんやりとして薄暗い。盛夏に外出から戻ると、室内のひんやりとした空気は心地よい天然のクーラー状態です。(その分、冬は肌寒い)各部屋の襖は、季節に応じて夏と冬で入れ替え。夏の襖は通気性に配慮されています。アルミサッシの普及で、気密性が高くなった現代の家屋とは異なる、当時の人たちの暮らしの知恵が偲ばれます。

秋に台風が接近してくると、強風の影響で外側に面した開口部にある格子窓が内側に撓むのを防ぐために、内側に大きな机などを置いて支えることも必要です。厨子二階が収納スペースであったことから、1階には押入れなどの収納スペースが少ないのも特徴です。畳の大きさも異なり(京間)、6畳間、8畳間でもかなり広く感じます。   
寺内町の成立と歴史  歴史逸話
寺内町の成立と歴史 宗教自治都市
寺内町の成立と歴史 在郷町としての発展

寺内町の成立と歴史 繁栄と衰退
寺内町の成立と歴史 繁栄と衰退(昭和40・50年代の頃)
吉田松陰 仲村家に滞在 - 嘉永六年二月・三月
桜田門外の変と富田林の木綿問屋
大久保利通が杉山邸に来たこと
郡役所新築に対する葛原氏の意見書 明治十八年
富田林開発記念碑 興正寺別院
木沢与平氏の「年代記」
富田林駅前の「楠氏遺跡里程標」
浄谷寺の釣鐘
歴史的建造物(一覧)・建築様式 
歴史的建造物一覧(寺院・町家)
歴史的建造物一覧(寺院・町家)(続き)
歴史的建造物一覧表(寺院・町家)
寺内町の建築様式
寺内町の建築様式(続き)
寺内町の町割(都市計画)・交通 歴史的町並み景観の保存・地域コミュニティー活性化
寺内町の町割(都市計画
東高野街道と石川の舟運
寺内町の入口(街道口)
歴史的町並み景観の保存
歴史的町並み景観の保存(続き)
寺内町の景観(保存・美化・調和)
富田林寺内町をまもりそだてる会
地域活性化への取り組み
 「カラー 歴史の町並」(文・那谷敏郎 写真・橋本治朗、淡交社刊、1975年初版)
既に絶版になっている書籍ですが、富田林市中央図書館の蔵書の中から見つけた1冊です。全国各地の歴史的町並みを著者が訪ねて書かれた紀行文で、富田林にも足を運んでおられます。富田林寺内町の歴史について、エッセー風にわかりやすい文章で記されており、小生のお気に入りです。出版社である淡交社編集部の事前許諾を頂戴しましたので、抜粋・引用の上、紹介させて頂きました。 (2012年9月10日、管理人)

Information


(用語解説)
解説文は「古建築辞典」(武井豊治著、理工学社)より引用しています。

兜造り
寄せ棟造りの屋根の妻部分を垂直に切り落として、二階や小屋根に開口部を設けるようにした、養蚕を行なうために発生した造り。山梨県南部に多く見られる。「兜屋根」ともいう。

八棟造り

入り組んだ平面に千鳥破風などの装飾的要素を加え、城郭建築の影響を受けた複雑な屋根を構成した建築物の呼称


表屋造り
道路に面した店舗部分を軒高の低い造りにして、敷地の奥には面積の大きい居住部分を別棟として、二者を玄関と渡り廊下を含む棟によって結んだコの字形平面の民家。京都地方に見られる。

稚児棟
2段になっている隅棟のうち、軒先に近い短い棟のこと。

一の鬼
本瓦葺きの寄せ棟造り、入母屋造りの屋根に設ける隅棟を2段階に分け、軒に近い短い部分の「稚児棟(ちごむね)の先端につける鬼瓦」をいう。稚児棟の上部は「二の棟」といい、ふたつの棟の境に付ける鬼瓦を「二の鬼」という。

置き屋根(鞘組み)
土蔵の屋根に塗った厚い左官材の上に、防火上、下部の小屋根組みと絶縁してのせた合掌組み。左官で作り出した猫石の上に固定して構成する。

忍び返し
塀や門の上に、木、鉄棒、竹など先の尖ったものを並べて泥棒の侵入を防ぐ仕掛け。

駒寄せ
町屋の道路に接する面に寄せて設けた牛馬を繋ぐための柵。駒繋ぎ、牛繋ぎなどともいう。後に、人や動物から建物の外壁や建具を保護するための柵に変化した。これを犬垣、犬防ぎ、犬矢来ともいう。

犬矢来

町家の正面に設けられた柵で、もとは牛馬を繋ぎ止めておくものだったと考えられるが、今日では人が軒下に入ることを防ぐためのものになっている。

無双窓・荒格子・べかこ窓
鴨居の外に連子板を打ち、内側に連子板を組んだ戸を入れた窓。戸の移動によって開閉する。「無双」とも「無双連子窓」とも「無双戸」ともいう。地元・富田林寺内町では「べかこ窓」とも呼ばれています。

親子格子
上部の竪子(たてこ)を間引いて、建物の内部から戸外が見えるようにした格子。

出格子窓
柱間内に作られる平格子窓に対して、柱より外側に張り出して設けられる格子窓。形態的には様々なものが見られるが、意匠はいずれも繊細で京格子とか千本格子などと呼ばれている。

持ち送り
庇(ひさし)や出窓などのように突出する部分を支えるために、壁や柱などに取り付ける板材や斜め材をいう。

ばったり床几 (上げ床机)
店の正面に設けられた縁台。框の大きい板戸風の台の一方を蝶番などによって家屋の外部にとりつけた板の部分を水平に倒して折り畳みの脚を立てて用いる装置。用いないときには吊り上げて足は縁台の裏側に収納するように工夫されている。本来は揚げ見世(店)、つまり昼間はここに商品を並べて夜になるとしまう見世棚であった。縁台、帳場、陳列台などの役割を果たす。

薬医門
2本の本柱・控え柱に、冠木・男梁・女梁・かえる股を組み合わせ、棟木は本柱の柱筋とはずれている独特な架講の門。屋根は切り妻造りまたは入母屋造りとする。

吹き放し鐘楼
4本柱だけで壁のない鐘楼。柱は四方転びとし、腰の高さに貫を通した架構。

花頭窓(かとうまど)
唐様仏寺の窓として用いられ、上部が火灯l曲線の窓をいう。

箱階段(箱段)
近世の町家や茶屋などに見られる階段であって、踏み板の下に引き出しや棚が造られて収納を兼用してしている。無駄を省き、空間を有効に利用するための工夫がうかがえる。

 寺内町の建築様式
 屋根・屋根瓦
 虫籠窓
 格子窓
 土蔵
 煙だしの越屋根
 鐘馗さん(魔除けの瓦人形)
 袖うだつ


ボランティア・ガイド

団体でお越しの場合には、地元のボランティア・ガイドによるご案内も可能です。(事前のお申込みが必要)

ガイドのお問い合わせや事前のお申込みは下記のじないまち交流館までお電話ください。


じないまち交流館
〒584-0033
大阪市富田林市富田林町9-29
TEL.0721-26-0110
FAX.0721-26-0110
(午前10時~午後5時、月曜休館、12月28日~1月4日休館)

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